公開差し止め裁判係争中「開戦前夜」満席相次ぎ公開20日で興収2億突破、全国111館公開拡大

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2026年08月20日 18:46  日刊スポーツ

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(C)2026ポニーキャニオン/東京テアトル/NHKエンタープライズ/RIKIプロジェクト

25年8月16、17日にNHK総合で放送されたNHKスペシャル「シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜」のドラマパートに40分の追加を加えた映画「開戦前夜」(石井裕也監督)製作委員会は20日、前日19日までの公開20日間で興行収入(興収)2億円を突破したと発表した。興収2億320万9321円、動員13万9259人を記録した。


「シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜」は、猪瀬直樹参院議員(79)が1983年(昭58)に出版したノンフィクション「昭和16年夏の敗戦」が原案。出身官庁や企業から機密情報を集めて模擬内閣を作り、日本が米国と戦った場合のあらゆる可能性をシミュレートした、実在の総力戦研究所に着想を得たドラマ。石井裕也監督(42)が脚本・編集・演出を担当し、初めて戦争ドラマに挑戦。“圧倒的な敗北”の結論を手にした若者たちが、開戦へ突き進む軍や本物の内閣と対峙(たいじ)する物語。


「開戦前夜」は、個々人の戦争への恐れや抗いを押し流して開戦へと向かった、昭和16年夏の「世の中の空気」をより鮮明に描き出し、この作品のテーマをより深く伝える狙いから、ドラマパート(前後編計98分)に追加を加え、138分にした完全版。主演の池松壮亮を筆頭に、仲野太賀、岩田剛典、中村蒼、三浦貴大、國村隼、佐藤隆太、江口洋介、佐藤浩市らがドラマから引き続き出演した。


「開戦前夜」は、7月31日から全国89館で公開。初日から各地で満席回が相次ぎ、製作委員会は4日に、公開3日間で興収4277万5700円。動員3万308人を記録する好スタートを切ったと発表。公開10日間で興行収入1億円を突破すると、その後も動員を伸ばし、公開3週目の14日からは全国111館へ公開規模を拡大した。


終戦の日の15日に解禁したインタビュー映像では、池松の「この作品のために、もしかしたら俳優をやってきたかもしれない」との発言が話題を呼んだ。池松のほか、仲野太賀、中村蒼、佐藤隆、江口洋介、佐藤浩ら、本作の物語を支えた主要キャス


トによる座談会、インタビュー映像も公開中で、終戦の日を含む公開3週目も、全国各地の劇場で満席回が相次ぎ、前週比124%を記録。前週の成績を上回る推移を見せ、その後も動員を重ねていた。夏休み興行で大作映画が相次いで公開される中、公開4週目となる21日からは、上映劇場を公開時の全国89館から157館へと大幅に拡大する。


作品をめぐっては、劇中で題材となった、総力戦研究所初代所長を務めた旧日本軍・飯村穣中将の孫の飯村豊さん(79)が劇中に登場した所長の板倉大道陸軍少将の誤った描写で、祖父の人物像が不当にゆがめられたと主張。NHKなどを訴え、今年2月に損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開かれた。22日の第3回口頭弁論では、公開差し止めを求め、NHKの井上樹彦会長に対して、対話を求める書面を送ったことを明らかにした。


公開初日の7月31日には声明を発表。「NHK井上会長は、従来からの『沈黙の砦』にこもり、対話は全く行わない、裁判が続いている限りは何も話さない、しかしゲリラ的に私の言動を批判することはやるという方針は全く変える気持ちは無いというように見えます」などと、井上会長を痛烈に批判した。


さらに、終戦の日の15日には、自身の公式サイト「総力戦研究所2.0:」で「石井裕也監督宛公開書簡『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』放送1周年に思う」と題した書簡を発表。「私は、先般の石井NHK会長に宛てた公開書簡に続き、終戦記念日に、映画「開戦前夜」の石井裕也監督に対し、反省と対話を求める公開書簡を発出いたしました。映画製作委員会が卑劣な宣伝活動をやりはじめており、これに惑わされてる人々が少なくないと感じたからです。私は歴史捏造(ねつぞう)プロセスが加速されているのではないかとの危惧持ち始めています」などと主張。「石井裕也監督の知的不誠実さと歴史に対する謙虚な姿勢の欠如を指摘するとともに、時間の経過が歴史観にどのような影響を与えるかなどにつき、私なりの観察を述べています」としている。

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