2026年F1第12戦オランダGP木曜日 角田裕毅(レーシングブルズ) 昨年の最終戦アブダビGP以来、約8カ月ぶりとなる実戦をこのF1第12戦オランダGPで迎える角田裕毅(レーシングブルズ)。本人は「与えられたチャンスをできるだけ楽しみたい」と語るが、その角田には、同時に数々の課題が待ち受けている。
まず、今シーズンはレギュレーションが大きく変わり、昨年までとはマシンが違っていることだ。角田はオランダGPに来る前、イギリスのミルトン・キーンズにあるレーシングブルズのシミュレーターで、レーシングブルズの今年のマシン『VCARB 03』を操作したが、じつは角田にとって、これが今年初めての機会だった。つまり、状況としては昨年の日本GP前にレーシングブルズからレッドブルに移籍したときと同じか、それよりも過酷な状況といえる。
さらにオランダGPは、今年6回設けられているスプリント・フォーマットで週末のスケジュールが組まれている。そのためフリー走行は金曜日の1回だけしかない。しかも、金曜日のザントフォールトは朝から雨が降ったり止んだりという不安定な天候。フリー走行1回目の開始時刻である午後12時半から1時間の降水確率は50%前後となっており、1時間でセットアップ作業を進めなければならない角田にとっては厳しい条件となっている。
その角田にとって、このオランダGPで最大の課題になるだろうと考えられるのは、クセの強いリアム・ローソンのマシンに乗らなければならないということだ。じつはローソンはステアリングレシオがほかのドライバーと異なる仕様になっている。昨年のメキシコシティGPでローソン車をドライブしたリザーブドライバーの岩佐歩夢はその独特なフィーリングをこう語っている。
「あのときは、かなり違和感がありました。ターンインに対してセンシティブなんです。ステアリングを切ったときのレスポンスはいいんですが、普通はステアリングを切りながらタイヤの限界値を探るという作業をするときは、ある程度フレキシブルであったほうがアジャストしやすいんです。でも、リアムのステアリングはコーナーのターンインのシャープさが違うんです。リアムは切った分だけ曲がりたいので、普通のドライバーは違和感を覚えるんです」
それがいかに特殊かというのは、昨年の後半戦からローソンが使用するようになったステアリングレシオは、モナコ用だということからもわかる。
それならば、そのステアリングレシオを自分の好みに変更すればいいのではないか? しかし、角田はあえてそうしなかった。その理由を角田はこう説明した。
「チームがそもそもそのレシオで今年戦っているので、そのままで行きます。それで今年調子いいので、僕がそれを変えるようなことはしないで、自分がそれに合わせるという感じでやります」
だから、角田が1日しかなかったシミュレーター作業で優先したことは、ローソンのステアリングレシオに慣れることだった。
「それに慣れるための練習を水曜日に行っていました」(角田)
もうすぐ、角田の6シーズン目の戦いが始まる。
[オートスポーツweb 2026年08月21日]