
【写真】『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ〜俺たちのベイエリア・スラッシュ物語〜』フォトギャラリー
『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ〜俺たちのベイエリア・スラッシュ物語〜』は、あまたあるヘヴィ・メタルのサブジャンルのなかで、群を抜く過激さとスピード、そして商業的成功で知られる「スラッシュ・メタル」の爆心地となった1980年代サンフランシスコ・ベイエリア・シーンの真実に迫るドキュメンタリー。
日本でも絶大な知名度を誇るMETALLICA、MEGADETH、SLAYER、ANTHRAXのスラッシュ・メタル四天王(BIG4)に加え、シーン最重要バンドであるEXODUSのほかTESTAMENT、POSSESSED、DEATH ANGELなど抜かりのない出演陣。今や全員が音楽界の殿堂入りレベルの大御所だが、そんな彼らにもまだ何者でもなかった時代があった…。
舞台は1980年代初頭、不況にあえぐ米サンフランシスコ。労働者階級の少年たちが、海の向こうイギリスから「テープ・トレード」を通じて手に入れた新しい音楽のうねりに心を撃ち抜かれた。「もっと速く、もっと激しく」。彼らはその衝動のままにギターをかき鳴らし、夜な夜な仲間たちと集まっては、まだ見ぬ音楽の可能性を追いかけた。華やかさとは一切無縁の、ニキビ面の少年たちのむき出しな日々。そうして、それまで全く存在しなかった新たな音楽、スラッシュ・メタルが誕生した。
本作は、初期ベイエリア・スラッシュ・シーンの濃密な数年間に迫る。「METALLICAのデイヴ・ムステイン」「MEGADETHのケリー・キング」などファンにはたまらない秘蔵エピソード・映像の数々。客が頭上を飛び交う伝説のライブハウス「ルーシーズ・イン」の全貌、「メタリカ・マンション」での出来事。そして絶頂期にいたMETALLICAを襲ったツアー・バスの悲劇。
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一方、『デス・バイ・メタル〜デス・メタルを作った男〜』は、スラッシュ・メタルから派生し、デス・ボイスとさらなるスピードで異形の進化を遂げた「デス・メタル」の創始者チャック・シュルディナーと彼のバンドDEATH(デス)に焦点を当てたドキュメンタリー。
デス・メタルは、人間の声をかなぐり捨てた「デス・ボイス」と呼ばれるボーカル・スタイルとスピード・暴虐性に振り切った音楽性で、ヘヴィ・メタルの中でも最も異端として進化してきたジャンルだ。
本作は、1983年フロリダで結成された伝説のバンド=DEATHを率いた男、チャック・シュルディナーの生涯を描く。ヘヴィ・メタルの内包する激しさを極限まで煮詰めたようなパブリックイメージとは裏腹に、彼は驚くほど繊細で、音楽に対して誠実だった。理想の音を追求するためなら、たとえ長年の仲間であっても容赦なくメンバーチェンジを繰り返す。徐々にバンドは彼のソロプロジェクトの様相を呈していき、その独裁者とも言える完璧主義者ぶりは時に非情とも呼ばれた。が、それこそが妥協なき音楽的進化を可能にした原動力でもあった。
本作は、テープ・トレードを通じて音楽を分かち合う青春時代に始まり、バンド結成、幾多のメンバー交代、そして音楽性の絶えざる進化を経て、やがて彼の身体をむしばむ病魔との闘いへとたどり着く。34歳という若さで世を去るその最期まで、彼は音楽を作ることをやめなかった。終盤、病床で電話越しに新曲を聴き、遠く離れた仲間たちと涙するエピソードは彼の人間性を深く掘り下げるものだ。暴力的なジャンル・イメージからは想像もできない、ひとりの人間の静かな強さ。自分の信じる音楽を貫き、変化を恐れず、時に孤独になりながらも前進し続けた男。本作は、そんな彼の生き様を、共に音楽を作ってきた仲間たちの証言を通して丁寧に映し出す。
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映画『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ〜俺たちのベイエリア・スラッシュ物語〜』『デス・バイ・メタル〜デス・メタルを作った男〜』は、9月25日より全国順次公開。
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<推奨コメント全文>
【『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ〜俺たちのベイエリア・スラッシュ物語〜』】
■Anchang(SEX MACHINEGUNS)
ベイエリア・スラッシュメタルは僕の音楽人生を完全に支配している(笑)
憧れでもある。このドキュメントは、スラッシュ・メタルを命懸けで演奏する仲間たちがたくさんいて、それを命懸けで応援する仲間たちがたくさんいて、一つのシーンがベイエリアに存在するという物語からスタートする。
メタルマニアからすれば羨ましい世界であるが、ろくなものではない(笑)
いや、めちゃくちゃである。
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破天荒な人生を送ってみたいが、出来ない人こそ見てほしい!
本来メタルはめちゃくちゃな世界感なのだ!だからこそ憧れる!!
■伊藤政則(音楽評論家、DJ)
ヘヴィ・メタルが化学反応を起こし、加速度的に細胞分裂を生み出した時、このスラッシュ・メタルは誕生した。
結果、シーンは拡大して、多くのファンを呑み込んでいった。
■武田砂鉄(ライター、ラジオパーソナリティー)
ヘヴィ・メタルという生命体がこうして生き長らえているのは、Seek and Destroy、探し求めてぶっ壊す哲学を生んだスラッシュ・メタルのおかげだ。本作品に出てくる全員に頭を垂れっぱなし。首が痛くなる。
【『デス・バイ・メタル〜デス・メタルを作った男〜』】
■アイキッド(ザ・リーサルウェポンズ プロデューサー)
男としてこの世に生まれし者は、すべからくチャック・シュルディナーのような生き様を渇望すべし。カッコだけの偽物はいらない。太く短く、重く疾く、己の内なる魂を燃やし尽くせ!…と、思わず言いたくなるような珠玉のメタル・ドキュメンタリー。表現者としての苦悩、組織運営の難しさ、移りゆく時代の流れ。人生に必要な全てがこの映画に詰まっている。メタルヘッズはもちろん、普段メタルを聴かない人達にもぜひ色眼鏡を外して観てほしい。
■武田砂鉄(ライター, ラジオパーソナリティー)
チャックが重ねた実践が、現代のヘヴィ・メタルの多様な枝葉の支えになっている。
革命者は、どんな時代も再発見を待っている。DEATHの音楽がそれだ。

