2026年F1第12戦オランダGP ランド・ノリス(マクラーレン) ランド・ノリス(マクラーレン)がジョージ・ラッセル(メルセデス)との一騎打ちを制し、2026年F1第12戦オランダGPの予選ポールポジションを獲得した。前戦ハンガリーGPに続く、今季2回目のポール。同GPではそのまま今季初勝利を挙げたが、はたしてザントフォールトでは2戦連続ポール・トゥ・ウィンとなるだろうか。
そこに立ち塞がる最大の敵は、やはりラッセルであろう。初日のスプリント予選でもふたりは激しくポールポジションを争い、ここではノリスが0.041秒差で敗れている。そして翌日のスプリントでラッセルが逃げ切った一方、ノリスは終盤に失速し1ポジションダウンの3位に終わった。予選でもふたりの戦いは続き、今度はノリスが0.151秒差で制した。ポールポジションを獲得できたことを、ノリス自身は「正直、サプライズだった」と、予選後のインタビューで語っている。
「クルマの挙動は、スプリントより確かに良かった。でもタイム的に、大きく変わるようなものじゃなかった。自信を持って運転できるようになったのが、大きかったか」
一方のラッセルは、「ポールポジションは獲れると思っていた」と、悔しさを見せつつ「これまでの数戦を思えば、予選2番手はぜんぜん悪くない」と、前向きコメントだった。確かにサマーブレイク前の3戦、ラッセルは予選で4番手、4番手、7番手とまったく速さを見せられずにいた。「ようやく、自分らしさを取り戻せたよ」というコメントからは、彼の実感が伝わった。
ノリスは2023年以降、オランダGPの予選で4年連続フロントロウにつけている(2024年はポール・トゥ・ウィン)。ザントフォールトはノリスも好きなコースで、マクラーレンのクルマとの相性もいいのだろう。ただし今年の決勝レースでは、ノリスとマクラーレンはタイヤに苦しみそうだ。
この日のスプリントでノリスは、比較的早い段階で「リヤタイヤがダメになった」と訴え、ラッセルを追うどころか2番手を守ることもできなかった。4番グリッドスタートのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)も1周目にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に抜かれて以降ペースが伸びず、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の猛追を防ぎつつの5位が精一杯だった。
去年までのマクラーレンは、タイヤへの優しさを最大の武器とし、レース後半のロングランペースでライバルたちを圧倒していた。しかし今季のクルマ『MCL40』に、そのアドバンテージは見られない。マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラもメルセデスやフェラーリに惨敗した6月のバルセロナ・カタルーニャGPの際に「秀逸なタイヤマネジメントを失って苦戦中だ」と、語っていた。
前戦ハンガリーGPでのノリスのポール・トゥ・ウィンで、その弱点は解消されたかに思われたが、実際にはそうでなかったということか。日曜日の決勝レースでは、タイヤマネジメントに抜きん出るメルセデスの2台、そして今週末はメルセデス以上のロングランペースを見せるフェラーリ勢が背後に控える。ノリスにとっては、かなり厳しい展開になりそうだ。
(取材・文 柴田久仁夫)
[オートスポーツweb 2026年08月23日]