吉永小百合吉永小百合主演映画『母の待つ里』の公開が決定した。
原作は、「鉄道員」「中原の虹」「帰郷」など、多岐にわたるジャンルのエンターテインメント小説を発表し、数々の賞にも輝く浅田次郎が、現代の日本を舞台に据えた、現在までに26万部を突破した長編小説「母の待つ里」。
大企業の社長として孤独を抱える松永徹、定年と同時に妻から離婚された室田精一、親を看取ったばかりのベテラン医師・古賀夏生――人生に疲れた3人は、母の待つふるさとへの里帰りを選んだ。囲炉裏端に並ぶ手料理や昔話。母と過ごす時間が3人を少しずつ変えていく。
これまで浅田作品は、「地下鉄(メトロ)に乗って」「壬生義士伝」など数多くの作品が映画化されているが、吉永は今回が初の浅田作品出演となり、映画出演125本記念作品となっている。
脚本は『おくりびと』の小山薫堂、監督は『老後の資金がありません!』の前田哲が務める。
コメント
吉永小百合
15才で映画俳優になり、好運に恵まれて今日まで歩いて来ました。『母の待つ里』は、私にとって125本目の映画です。浅田先生原作の映画に初めて出演させて頂くことになり、嬉しくて舞い上がっています。
そして、前田監督の若々しいエネルギーをしっかり受け止め、「心の母」をひたむきに演じたいと、祈る様な思いです。5月にクランク・インして、これから秋編、厳しい寒さの中での冬編の撮影に入って行きますが、スタッフ、キャストの皆様と共に、来年秋の公開に向けて力を尽くします。
浅田次郎(原作者)
思い起こせば高倉健さんに『鉄道員』の佐藤乙松を演じていただいてから、四半世紀あまりの歳月が流れました。
そして今、吉永小百合さんに『母の待つ里』のちよを演じていただくのは、昭和の時代に生まれ育ったひとりの小説家として望外の幸せを感じます。私たちは人間らしい自然な営みを忘れて、便利さと快楽の追求でしかない不自然の中で生きています。ちよさんはそんな私たちにとって、虚も実もない、あらたかな自然そのものです。
小山薫堂(脚本)
「ふるさと」への想いをクリエイティブの根幹にしてきた田舎者の自分が、「ふるさとを持たない人たちの心を描く」・・・
これは私にとって一つの大きな挑戦でした。
しかも原作は、敬愛する浅田次郎先生。そして主演はまさかの吉永小百合さん!この作品はいわば、都会の暮らしに疲れた大人たちを癒す現代のおとぎ話ですが、この夢のような座組での映画に携わること自体が、自分にとってのいちばんのおとぎ話でもあります。
前田哲監督
今回映画作りをご一緒してつくづく感じたことは、吉永小百合さんは心の中にいつも他者へのギフトを持ってられる方であるということです。
それは、映画『母の待つ里』の主人公ちよが、悲しみも苦しみも寂しさも包むように全てを受け入れて、命ある限り懸命に「母」として生きていく姿そのものであります。
損得もなく見返りも求めず、切実な思いに駆られて行動する姿そのものが希望であり、暗闇にさす光だと思っています。
浅田次郎先生の原作にあるスピリットをしっかりと引き継ぎつつ、多くの方達にギフトを届けることができるよう丁寧に制作しております。
映画の完成までしばしお待ちください。
岡田有正(企画・プロデュース)
圧倒的な美しさと気品で時代を彩り、日本映画界の光であり続ける吉永小百合さんを主演にお迎えし、浅田次郎先生の『母の待つ里』を映画化できることを大変光栄に思います。
不寛容さと孤独感が漂う現代において、本作は傷ついた人々に寄り添う母を通じて描かれる「誰もが思い当たる節のある現代の物語」です。
どれほど時代が変化しようとも、決して失われてはならない人と人との繋がり、移ろいゆく日本の美しい四季や自然とともに、かけがえのない暮らしを時間をかけて丁寧に描き出し、映画館のスクリーンを通じて、「こころのふるさと」を世界の皆様へお届けいたします。
『母の待つ里』は2027年秋、公開予定。
(シネマカフェ編集部)