PlayStationブランドの27型/240Hz対応、DualSense充電フック付きゲーミングディスプレイを試す INZONEとの違いは?

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2026年09月02日 15:11  ITmedia PC USER

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「27インチゲーミングモニター DualSense充電フック付き(CFI-ZDM1J)」のパッケージ。PlayStation 5のパッケージを踏襲しており、PlayStationブランドの製品であることを強く印象付けられる

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が8月25日に発売した「27インチゲーミングモニター DualSense充電フック付き(CFI-ZDM1J)」は、最大240Hzのリフレッシュレート、QHD(2560×1440ピクセル)解像度のIPSパネルを採用したデスクトップ向けゲーミングディスプレイだ。


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 ソニーといえば、PC向けゲーミングギアブランド「INZONE」を思い浮かべるが、今回の製品はSIEがPlayStationブランドの製品として企画されたもので、価格は4万9980円となっている。


 低価格化が進むディスプレイ市場において、本製品の価格は決して安くはないが、名称にもある通り「DualSense ワイヤレスコントローラー」を充電できるフックなど、PlayStationブランドならではの意匠や機能を兼ね備えている。


 最大240Hzというリフレッシュレートを発揮させるには、ゲーミングPCに接続する必要があるなど、気になる部分も多いわけだが、まずは実機をチェックしてみよう。


●製品の基本スペックとデザイン


 まずは全体像を把握するため、主な仕様を確認しよう。27インチゲーミングモニター DualSense充電フック付き(以下、CFI-ZDM1J)は、市場で需要が高い「27型/QHD(2560×1440ピクセル)/高リフレッシュレート」というゲーミングディスプレイの“鉄板”ともいえるスペックを備えている。


・画面サイズ:27型


・パネル:IPS液晶パネル


・最大解像度:2560×1440ピクセル(QHD/WQHD)


・リフレッシュレート:最大240Hz(PS5接続時は最大120Hz)


・可変リフレッシュレート(VRR):HDMI VRR、AMD FreeSync Premium対応


・HDR:対応(Auto HDR Tone Mapping対応)、最大輝度350ニト


・映像入力端子:HDMI 2.1×2基、DisplayPort 1.4×1基


 このスペックから読み取れるのは、CFI-ZDM1Jが単なるPS5向けディスプレイではなく、ハイエンドなPCゲーミング環境にも十二分に対応できる高い汎用(はんよう)性を持っているということだ。


 本体のデザインについても、PlayStation 5本体と非常に親和性の高い白と黒のモノトーンを基調としており、背面にはPlayStationのロゴがあしらわれている。


 メニュー操作や入力切り替えなどは、本体背面に配置された専用のジョイスティックによって行う。OSD(On-Screen Display)メニューに癖はなく、違和感のない日本語で表示されるため、直感的に操作できた。


 スタンドは最大140mmの高さ調整と、-5度から22度までのチルト(傾き)調整が可能となっている。さらに100×100mmのVESAマウント規格に対応しているため、付属のスタンドを取り外して好みのディスプレイアームに取り付けることも簡単だ。デスクスペースを極限まで有効活用したいユーザーのニーズにもしっかりと応えている。


●ゲーマーのデスク環境を便利にする「DualSense充電フック」


 他の製品にはないCFI-ZDM1Jの特徴として、DualSenseの充電フックを備えている点が挙げられる。これは単なるコントローラーの置き場ではなく、デスク上のエコシステムを再構築するための極めて実用的なギミックだ。


 本体背面下部に搭載されたこの専用フックは、普段は9時方向または3時方向に向けて収納しておき、使いたいときだけ6時方向に下ろす。


 DualSense ワイヤレスコントローラーおよびDualSense Edge ワイヤレスコントローラーに搭載されている電子接点をフック側の電子接点に置くだけで、そのまま収納と同時に充電が行われる。


 これにより、デスクトップでゲームをプレイするユーザーの永遠のテーマだった「コントローラーの置き場所」と「充電ケーブルの煩雑さ」「充電忘れによるゲームの中断」といった問題とおさらばできる。


 もちろん、DualSenseシリーズはPS5およびPCに対応しているので、PCゲーマーもこのメリットを享受できる。ゲームをコントローラーでよくプレイするゲーマーほど、この利便性を存分に体験できるだろう。


●映像美と実用性の黄金比:QHDとIPSパネルの選択


 CFI-ZDM1Jのディスプレイ解像度は、流行の4K(3840×2160ピクセル)ではなく、QHD(2560×1440ピクセル)が採用されている。


 PS5やPS5 Proは4K出力に対応しているプラットフォームであるため、一見するとこの仕様はダウングレードに感じられるかもしれない。実際にSNSなどでは「なぜ4KやOLED(有機EL)ではないのか」という声も見掛けた。


 しかし、27型という画面サイズとデスクトップ環境での視聴距離を考慮すると、QHD(2560×1440ピクセル)という解像度が理にかなっているともいえる。


 仮に27型ディスプレイで4K(3840×2160ピクセル)を採用した場合、ピクセル密度(PPI)は非常に高くなるものの、PC接続時においてOSの表示スケールを拡大しなければ文字が小さすぎて読めないといった弊害が生じやすくなる。一方でフルHD(1920×1080ピクセル)では、画面への距離が近いデスク環境においてピクセルの粗さが目立ってしまう。


 QHD(2560×1440ピクセル)は、フルHDの約1.77倍の情報量を持ち、27型ディスプレイにおいて最も視認性と精細感のバランスが良い解像度とされている。PS5はシステムアップデートによって1440p(QHD)出力にネイティブ対応しており、CFI-ZDM1Jとの組み合わせにおいてはダウンスケールや引き伸ばしといった処理を挟むことなく、鮮明でシャープな映像を描写することが可能だ。


 パネル方式には広視野角を誇るIPSが採用され、色域はデジタルシネマ向けの規格であるDCI-P3を95%カバーしている。自然な発色と長時間の使用でも目が疲れにくい安定性は、ゲームだけでなく日常的なPC作業や動画視聴を兼用するユーザーにとって非常に扱いやすい。


 さまざまなゲームタイトルをテストプレイしてみたが、発色や映像などに違和感はなく、IPSパネルのディスプレイとしてなんら不満はない。ディスプレイのレビューであることを忘れてしばらくゲームをプレイしてしまったほどには、映像に癖がないため、多くの人におすすめできる仕上がりだ。


 一部のハイエンドユーザーに向けた“とがった”スペックではなく、多くの人が“ちょうどいい”と感じるスペックが選択されていると判断できる。


●PS5との強力な連携:Auto HDR Tone Mapping


 CFI-ZDM1JはHDRに対応しており、輝度は350ニト、コントラスト比は1000:1というスペックを備えている。輝度自体は一般的なミドルクラスの標準的な数値であり、ローカルディミング機能は搭載されていないため、ハイエンドなHDR体験を求めるユーザーにはやや物足りない側面があるのは事実だ。


 しかし、CFI-ZDM1Jの真価はPS5本体とのソフトウェア・ハードウェア連携にある。PS5およびPS5 Proを接続した際、初期設定時に自動的に最適なHDR設定が行われる「Auto HDR Tone Mapping」機能に対応している。


 通常、HDR対応ディスプレイを導入した際は、ゲーム機側の設定画面で画面の明るさの最大値や最小値をユーザー自身が手動で微調整する必要がある。しかしCFI-ZDM1Jでは、PS5がモニターのスペックを自動認識し、白飛びや黒つぶれを防ぐ最適なトーンマッピングを瞬時に適用してくれる。このシームレスな体験こそが、PlayStationブランド製品の最大の武器となるだろう。


●圧倒的な滑らかさを生む240HzとVRR対応


 現代のゲーミングディスプレイにおいて、解像度と同等以上に重要視されるのがリフレッシュレートと可変リフレッシュレート(VRR)技術への対応だ。本機はこの点において、コンソールユーザーだけでなくハードコアなPCゲーマーをも満足させるスペックを備えている。


ハイブリッドなリフレッシュレート:PS5で120Hz、PCで240Hz


 CFI-ZDM1Jのリフレッシュレートは、接続するデバイスによって最大値が変動する。PS5接続時には最大120Hzに対応し、互換性のあるゲーミングPCやMacを接続した際には、その倍である最大240Hzでの駆動が可能となっている。


 PS5における120Hz駆動は、対応する対戦型FPSゲームやアクションゲームにおいて極めて重要な要素だ。60Hzと比較して映像の滑らかさが格段に向上するだけでなく、入力遅延が物理的に半減する。


 さらにPC接続時の240Hz対応は、PS5とゲーミングPCを併用するハイブリッドゲーマーのニーズを完全に満たしている。つまり「今はPS5でゲームを遊んでいるが、将来的にはゲーミングPCにアップグレードするかも」というユーザーが末永く使える余裕がある。


 また、240Hzともなるとゲームプレイ時以外でも“ヌルヌル”感を体感できる。例えば、Windows PCに接続してカーソルやウィンドウを動かしてみると、非常に描画がスムーズで、「いいディスプレイを使っているな」と思えてくる。


 筆者は普段から120Hzと144Hzのディスプレイを使っているが、240Hzの滑らかさに慣れてしまうと、これまでのディスプレイがカクカクするように感じられてしまった。慣れというのは恐ろしい……。


 映像入力端子としては、HDMI 2.1を2基、DisplayPort 1.4を1基、搭載している。HDMI 1にPS5、HDMI 2に別のゲーム機、そしてDisplayPortにゲーミングPCを接続するといったマルチデバイス運用であっても、他の一般的なPCディスプレイ同様にケーブルの抜き差しが必要なくなり快適だ。


 さらに付属のUSBケーブルを使ってディスプレイ本体のUSB Type-B端子(5Gbps、アップストリーム)と機器をつなぐと、ディスプレイ本体のUSB Standard-A端子(5Gbps、ダウンストリーム)×2基、USB Type-C端子(5Gbps、ダウンストリーム)をUSBハブとして利用できる。


 キーボードやマウスといった周辺機器や、プレイステーション独自の超低遅延ワイヤレス技術「PlayStation Link(PS Link)」対応アダプターの接続を見据えた設計だ。


 本体には3W+3Wのステレオスピーカーも内蔵している。実際に音を鳴らしてみたところ、低域の迫力は薄いが、中音域から高音域にかけては想像以上に音がいい。普通にゲームを遊ぶ分には、これだけでも十分使えるレベルだと感じた。


●「INZONE」とポジショニングの違い


 INZONEシリーズが主にコアなPCゲーマーやeスポーツプレイヤーをターゲットにしたハイエンド志向であるのに対し、CFI-ZDM1Jは「リビングからデスクへと移行する、純粋なPlayStationファン」に焦点を当てているように感じる。


 単にスペックや価格で他社製品と比較してしまうと、競合は多いかもしれないが、背面のPSロゴやPS5と親和性の高いデザイン、そして他社製品にはないDualSense充電フックは、PlayStationへのブランドロイヤルティーが高いユーザーにとって、何よりも魅力的な付加価値となりそうだ。


 CFI-ZDM1Jは、ゲーミングPCではなくPS5を中心としたデスクトップ環境を構築したいと考えるゲーマー、そして将来のアップグレードにも対応できる製品として、とにかく安心感のある選択肢となるだろう。


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