第83回ベネチア国際映画祭が開幕 是枝裕和、塚本晋也監督作が金獅子賞を競う

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2026年09月03日 07:01  オリコンニュース

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「第83回ベネチア国際映画祭」コンペティション部門に日本から是枝裕和監督の『ルックバック』、塚本晋也監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が出品
 「第83回ベネチア国際映画祭」が現地時間9月2日、イタリアで開幕した。日本からは、是枝裕和監督の『ルックバック』と塚本晋也監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が、最優秀賞の金獅子賞を競うコンペティション部門に選出されている。映画祭は同12日まで開催される。

【画像】ベネチアの映画祭会場にジョージ・クルーニーが来場

 『ルックバック』は、『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキが2021年に「少年ジャンプ+」で発表した同名漫画を、是枝監督が監督・脚本・編集を手がけて実写映画化した作品。藤本の作品が実写映画化されるのは今回が初となる。

 漫画の腕に絶対の自信を持つ藤野と、藤野に憧れながらも圧倒的な画力を秘めた京本。「漫画を描く」という創作へのひたむきな思いで結ばれた2人を、ある日、思いもよらない出来事が襲う。小学生時代から始まる13年間の軌跡を通して、ともに漫画を描いたかけがえのない時間と、少女たちの成長、喪失を描く。

 藤野役を出口夏希、京本役を蒔田彩珠が演じ、2人の小学生時代を七瀬ふうりと岡田六花がそれぞれ担当する。是枝監督作のコンペティション部門選出は、『幻の光』(1995年)、『三度目の殺人』(2017年)、『真実』(2019年)に続いて4度目。ベネチア国際映画祭への参加は7年ぶりとなる。

 一方、『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、ベトナム戦争に従軍した元米海兵隊員、アレン・ネルソン氏の実話をもとにした戦争ドラマ。戦争体験と帰還後の葛藤をつづったノンフィクションを原作に、「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影を行い、戦争が兵士の心身に残す深い傷を描き出す。

 ベネチア国際映画祭の常連として知られる塚本監督は、今回が8度目の正式出品。コンペティション部門への選出は、『鉄男 THE BULLET MAN』(2009年)、『野火』(2014年)、『斬、』(2018年)に続いて4度目となる。

 コンペティション外のアウト・オブ・コンペティション部門には、三池崇史監督が歌舞伎俳優・市川團十郎、市川新之助の襲名披露公演を記録したドキュメンタリー映画『襲名』が選出された。

 同部門では、SABU監督による台湾・日本合作『Arrested Memory(原題)』も上映される。主人公の刑事を、『モンガに散る』『我、邪で邪を制す』などで知られる台湾の俳優イーサン・ルアンが演じる。共演には台湾のムーン・リー、シェ・インシュエンのほか、SABU監督作品の常連である堤真一、『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかが名を連ねる。

 さらに、映画監督・鈴木清順の生涯と映画美学に迫る初の本格長編ドキュメンタリー『Twist & Shoot Mister Suzuki(原題)』もラインナップ。メガホンを取ったのは、「第72回ベネチア国際映画祭」(2015年)で最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞したイヴ・モンマユール監督だ。

 初日のメイン会場「サラ・グランデ」では栄誉金獅子賞の授賞式が行われ、米俳優・監督・プロデューサーのジョージ・クルーニーが受賞。40年以上前に初共演して以来、長年にわたって親交を結び、たびたび共演してきたローラ・ダーンがトロフィーを手渡した。

 式典は、クルーニーが映画『ジェイ・ケリー』(2025年)で演じた役柄を思わせる光景となった。同作は、クルーニー自身をほうふつとさせる映画スターの苦悩を描いたコメディードラマ。物語の終盤では、主人公が華やかなイタリアの映画祭で功労賞を受け取る。ダーンも出演した同作は昨年、ベネチアでプレミア上映されており、式典では現実の授賞式と重なる場面の映像も上映された。

 壇上でクルーニーは「確かに、映画は戦争を止めません。インフレを抑えることも、不正な選挙を正すこともできません。しかし映画には、素晴らしい力があります。もし私たちが今も暗闇の中に一緒に座り、一度も会ったことのない人々を思いやることができるのなら、きっと大丈夫なのではないかと思います」などとスピーチした。

 アルベルト・バルベラ芸術監督は、クルーニーの選出理由について「俳優、監督、プロデューサーという3つの立場において、完成されたカリスマ性を備えたアーティスト」と称賛。テレビシリーズやB級映画の小さな役から出発し、ドラマ『ER 緊急救命室』で大きな成功を収め、『シリアナ』『フィクサー』『オーシャンズ11』『ゼロ・グラビティ』『マイレージ、マイライフ』など、ジャンルを問わず活躍してきた俳優としての柔軟性を評価した。監督として手がけてきた作品や、社会・人道問題への継続的な取り組みに対しても、「今日のショービジネス界で、極めて大きな存在感を持つ人物」と称えている。

 授賞式に続いて、ダニー・ボイル監督の『Ink(原題)』がオープニング作品として世界初上映された。“メディア王”の異名を持つルパート・マードックを描いた物語で、ジャック・オコンネル、ガイ・ピアース、クレア・フォイが出演。コンペティション部門で金獅子賞を競う。

 期間中はこのほか、ロバート・パティンソン主演のスリラー『PRIMETIME』、マーティン・マクドナー監督の『ワイルド・ホース・ナイン』、イ・チャンドン監督の『もしもの愛』、英ロックバンド・オアシスの再結成ツアーに密着したライブドキュメンタリー映画『オアシス:ドント・ルック・バック・イン・アンガー』など、注目作のプレミア上映が相次ぐ。

 金獅子賞をはじめとする主要賞の受賞結果は、9月12日に行われるクロージングセレモニーで発表される。

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