サーキット・オブ・ジ・アメリカズで走行に向けた準備を進めるキャデラックVシリーズ.R 9月4〜6日にテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるWEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』において、ハイパーカークラスの各チームはスティントの短縮を余儀なくされることになりそうだ。トヨタレーシングのドライバー、ブレンドン・ハートレーは、このことが戦略を「かなり」変えることになると見ている。
■「戦略には多くの選択肢がある」「正しい判断だ」
Sportscar365が得た情報によると、今シーズンのこれまでのレースと比較して、すべてのハイパーカーで最大スティント・エネルギー量(決勝での1スティントあたりに使用できるエネルギー量)が規則により削減されており、その幅はレース中にこれまでより1回多いピットストップが必要になるほど大きなものだ。
トヨタレーシングのテクニカル・ディレクター、デビッド・フローリーが語ったところによれば、削減幅は全車一律で10〜15パーセント程度とのことだ。
ハートレーによれば、その結果、全チームとも1スティントあたりの周回数が3〜4周減ることになるという。
「どのチームも以前のレースより使えるエネルギーが大幅に減っている。つまり、レギュレーション上、スティントがかなり短くなるということだ」とハートレーは語った。
「これは大きな変化だ。これまでは(6時間レースでは)6スティントで走るという明確なレース展開だったものが、突然、実質的に7スティントが必要になるわけだからね」
「戦略はかなり変わる。スティント自体は短くなるが、タイヤをダブルスティント(2スティント連続使用)させる必要性が高まるからだ」
「僕らだけでなく全チームに関わることだが、戦略の力学や、ドライバーをいつ交代させるか、タイヤをどう使うかといった要素が変わってくる」
「それは興味深い点であり、今週末のレースで注目すべきポイントになるだろう」
一方、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのドライバー、ジャック・エイトケンは、選択肢が増えることで、より戦略的なレース展開になると考えている。
「その短いスティントをどのタイミングで使うか、選ぶことができる。例えばスタート直後に行い、クリーンエアを確保しようとすることも可能になる。今年すでに何度か見られた戦略だね」とエイトケン。
「あるいは、レース中盤に組み込むことも可能だ。ただ、今週は少し状況が厳しくなるだろう。いくつかのチームがすでに指摘しているように気温が高いため、『ドライバー1がダブルスティント、ドライバー2もダブル、ドライバー3もダブル』といった従来どおりのパターンにはならないはずだ」
「おそらく、シングルスティントを行うドライバーが増えるだろう。他人が使ったタイヤを引き継いで走るのは大変だからね」
「もしアール(・バンバー)がダブルスティントでスタートし、僕がそのタイヤを引き継ぐことになったら、少し難しい状況になるね。そのタイヤセットがそれまでどう使われてきたか、正確には分からないわけだから」
「そうした要素を組み合わせた戦略には、かなり多くの選択肢があり、興味深いところだ。明日(金曜)は実際にコースに出て、感触を確かめてみる必要があると思う」
FIA国際自動車連盟やACOフランス西部自動車クラブからこの変更の理由はまだ公表されていないが、エイトケンは、20のコーナーを持つ全長3.426マイル(約5.5km)のこのサーキットにおいて、ハイパーカーとLMGT3のスティント長が重なってしまうのを避けるための措置ではないかと語った。
「LMGT3の集団とかなりタイミングが重なることになっていたので、ピットレーンでの混乱を避けるためにスティントあたりのエネルギー量を減らすというのは、いずれにせよ正しい判断だと思う」とエイトケンは言う。
「そうしないと、多くのピットストップが同時に発生することになっていただろうからね。混乱を避け、お互いのレースに支障をきたさずに済む」
「スティント中の熱の問題にもプラスになるし、スティントが短くなることで戦略の幅が広がり、より面白いレース展開になると思う」
エネルギー割り当てが約900MJから800MJ近くまで削減されたと語ったトヨタのフローリーは、この状況を最大限に活かしたいと述べている。
「それほど複雑な話ではない。単にスティントが短くなるため、同じセット数のタイヤでより多くのスティントをこなさなければならなくなる、というだけのことだ」
「状況は少し変わるだろうね。通常なら6スティント弱で済むはずだったのが、おそらく7スティント近くが必要になるだろう」
「結局のところ、条件は全員同じなわけだから、勝敗を決定づけるような大きな変化ではない」
[オートスポーツweb 2026年09月04日]