息子が父を従えハーン親子が1-2達成。予選撃沈のハルムも“絶対王者”を抑え切っての勝利/ETRC第4戦

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2026年09月04日 11:20  AUTOSPORT web

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シュティフィ・ハルム(チーム・シュヴァーベン・トラック/IVECO)が、王者キスに対し0.448秒という僅差で勝利を収め今季初優勝
 チェコ共和国のアウトドローモ・モストで開催されたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第4戦は、シリーズ“7冠”王者ノルベルト・キス(レヴェス・レーシング/MAN)が週末4戦で2勝を記録するなか、土日ともにリバースグリッドの偶数ヒートでライバル勢が奮起。こちらもETRCの“帝王”であるヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/IVECO)とその息子ルーカスが、レース2で欧州“6冠”の父を従え親子1-2フィニッシュを飾ると、最終レース4では初日悪天候の予選で沈み、ギヤボックストラブルも経験したシュティフィ・ハルム(チーム・シュヴァーベン・トラック/IVECO)が、王者キスに対し0.448秒という僅差で勝利を収め今季初優勝を飾っている。

 前戦ニュルブルクリンクよりシリーズ復帰を果たし、トレードマークだったボンネットキャブ型のFreightliner(フレートライナー)からキャブオーバーのIVECO(イヴェコ)に乗り換えた地元の英雄アダム・ラッコ(ヴァギラ・ZM・レーシング/IVECO)は、この8月28日から30日の週末はホスト役として奔走。チームエリアにチェコ共和国のペトル・パヴェル大統領を迎え入れるなど、セッションの合間も忙しいスケジュールをこなした。

 そんななか初日土曜の予選は雨絡みの厄介なコンディションと化し、王者キスが定位置のポールポジションを確保する一方、ライバル陣営は後方グリッドに沈む厳しい展開に見舞われた。

「最初のファストラップでコーナーマーカーに触れてしまい、タイムが抹消された。クールダウンラップを挟んで再度アタックに入ろうとしたところ、雨が降り出したためにそれ以上のタイム更新が不可能になった」と今回もQ3進出を争う有力候補と目されながら、不運な15番手タイムでQ1敗退となったハルム。

「雨が止んで路面が少し乾き、タイムが伸びることを期待してQ1の最後まで走り続けたけど、結局状況は変わらず。15番手という非常に残念な結果に終わった。でもこれがレースというものだし、決勝では順位を上げていきたいと思っている」と続けたハルム。

「モストはオーバーテイクが非常に難しいコース。だけどスタート直後には狭いシケインがあり、そこは非常に混雑するし、前で何が起こるか予測できない。だからこそ周囲の状況をよく見て走る必要があるし、同時にチャンスでもある」

 そんなハルムと同じくIVECOをドライブするハーンも、Q3進出が確実視されていたもののQ2で敗退。セッション後、自身の走りについて自嘲気味に振り返った。

「Q2での私は愚かだったよ。セッション終了の2分前には路面状況が安定し、ドライコンディションになりつつあった。その時点で『3番手(P3)』だという無線連絡も受けていたし、経験上、Q3進出は安泰だと思っていた。ところが、もう1周走ったら8番手に落ちていた……本当に愚かだったね」

「とはいえ結果は結果だし、不満はない。トラックのパフォーマンスは充分でトップを争えるスピードもある。ポイントは練習走行ではなく、レースで獲得するもの。あとは戦うだけだ」

 迎えたレース1は、スタート直前にハルムのトラックがギヤボックスの故障に見舞われリタイアを余儀なくされるなか「スタート自体は人生最高の出来とは言えなかったが、ブレーキングゾーンとターン1への進入が上手くいった」と明かしたポールシッターが完勝。これでキスは今季11勝目を飾ることに。

 このオープニングレースで総合8位に入った“クローム”カテゴリー登録のルーカス・ハーンは、続くレース2でその利を最大限に活かすドライビングを披露。後方ではトラブル修復で復活のハルムが16番グリッドから9位まで追い上げる力走を見せるなか、父ヨッヘンを従えたルーカスが親子での表彰台登壇を果たした。

「ポールポジションから出て、スタートからゴールまでトップを譲らない完全勝利。本当にうれしいし、チームが素晴らしい仕事をしてくれた」と喜びを語ったルーカス。「スタート直後、2番手につけたアダム(・ラッコ)が後続を長い間抑えてくれていたので、僕にとっては好都合だった。おかげで充分なリードを築くことができ、最終的にその差で逃げ切ることができた。とはいえミラー越しに後続が迫ってくるのが見えていたから『あと4周、3周、2周……』と数えながら走っていたよ(笑)」

「チームの支えがなければ何もできないし、パートナーや家族──妻や子供たち──の存在も不可欠だ。全員の力が合わさってこその勝利だし、父と僕で1-2フィニッシュを飾れたことをとても誇りに思っている」

 明けた日曜も予選ポール奪取のキスが、続くレース3でアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/MAN)やヨッヘンを抑えて週末2勝目。これで最終レース4は、いつもどおり8番手グリッドからの追い上げを期すことに。

 前日からの着実な挽回も功を奏し、そのリバースポールを得たハルムは、地元ヒーローのラッコと並びフロントロウからスタートを切ると、序盤で後続集団とのリードを築くことに成功。終盤に掛けて確実に追い上げてくる王者との対決に備える。

 そして残り5周という段階で、やはりラッコから2番手を奪ったキスがハルムに肉薄したものの、復調なったIVECOを操る彼女は最後まで動じることなく勝利を手にした。

「アダム(・ラッコ)が後ろにいる間はとても気分が良かったけれど、ある時点で“赤いトラック”が後ろに迫っているのに気づき『まずい』と思った」と微笑んだハルム。「集中力を保ち、ミスをしないようにして彼に付け入る隙を与えないよう努め、それが功を奏した。ノルビ(ノルベルト・キス)は非常にフェアで、一度も接触することなく走ってくれたのも素晴らしかったわ」

 わずか0.448秒差の惜敗となったキスも、優勝2回と3位、2位と、週末にすべてのポディウムを経験して次戦ベルギーへと向かう。

「良いレースだった。スタートでアントニオ(・アルバセテ)を抜き、さらに(ターン1で)アウト側からヨッヘン(・ハーン)を抜くことができた」と選手権首位を堅持したキス。「あれは我ながら良い動きだったと思うし、とても満足している。その後、サッシャ(・レンツ)を攻略し、最後にアダムを抜いて2番手になった。終盤にはシュテフィ(・ハルム)に追いついたが、彼女の走りは見事でミスもなかったね」

 これでシーズン折り返しの1戦を終えたETRCは、前述のとおり9月11日から13日にかけてベルギーのゾルダー・サーキットで第5戦が争われる。

[オートスポーツweb 2026年09月04日]

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