予想以上に知られていない? 検定で見えた「子宮頸がん知識の空白」
2026年8月24日、特定非営利活動法人子宮頸がんを考える市民の会は「新設、子宮頸がん予防検定」の記者発表会を開催しました。子宮頸がんは国内で年間約1万人が罹患し、約3,000人が命を落とすとされていますが、正しい知識と行動で予防や早期発見が可能です。

左から彦坂佳世子さん、渡邊歩さん、萩原優衣さん、今野良先生、小野里香織さん(子宮頸がんを考える市民の会提供)
インターネットからアクセスできる「子宮頸がん予防検定(初級編)」(無料プログラム)の受検データ(約1,500名分、2026年4月からの約4か月間)を分析したところ、がん検診の基本知識については普及している一方で、深刻な「知識の空白(誤解)」が判明しました。
同会理事長で日本婦人科腫瘍学会専門医の今野良先生は、特に目立ったのは以下の3点だと解説しました。
- 男子のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種目的: 「男性自身の肛門がん等の予防」にもなるという真の目的の正答率は53.1%に留まっていること
- HPVと他のがんの関連: HPVが肛門がんや中咽頭がんの原因になるという正答率は61.5%で、また女性の約3.6人に1人が子宮頸がんとHPVが原因ではない「子宮体がん」と混同していたこと
- ワクチンの予防的性質: 約3割の人が「感染後に接種してもウイルスを追い出せる」と誤認していたこと(ワクチンは治療薬ではなく、接種後も検診が不可欠)
同会理事の小野里香織さん(群馬大学医学部附属病院所属)は、「事前調査の段階から、専門外の医療職や一般職において『予習なしでは合格ライン(70点)に届かない』という状況だった。検定を通じて“知る”から“伝えられる”人材を増やすことが、今後のがん検診受診率向上のカギになる」と警鐘を鳴らしました。
一方で、検定自体が優れた教育ツールになることも実証されました。不合格になっても繰り返し挑戦することで、初回の平均点62.6点が2回目以降には91.3点(合格率は25.3%から97.0%)へと向上が見られました。受検体験そのものが、知らずにいた「知識の空白」を楽しみながら埋める有効な手段となっています。
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若い世代のリアルな声「他人ごとから自分ごとへ」
当事者世代の高校3年生・萩原優衣さんと、大学3年生・渡邊歩さんが登壇し、リアルな声を語りました。
中学生の時に母親の勧めでワクチンを接種したという萩原さんは、「高校生の日常で、子宮頸がんが話題になることはなく、接種当時は意味を理解していなかった。正しい知識を得た今、大事なことを知らなかったことにショックを受けた。無知は将来の健康や大切な人生を危険にさらすことになるので、早い段階から学校教育で教える仕組み作りが重要」と、自身を振り返りながら危機感を訴えました。
インターンとして検定のPR活動を行う渡邊さんは、「検診対象は20歳からであることすら知らず、がんは高齢者の病気と他人事だった。しかし、検定で20〜30代でも子宮を失うリスクがあると知り、ハッとした」と固定観念を持っていたと告白しました。
また、渡邊さんは、「単に『検診に行こう』と言われるより、試験感覚で学べる検定を受けることで、その後の子宮頸がん検診を受ける心理的ハードルは下がる。社会に出る前に、20歳からできる予防に気づくべきだ」と強調しました。
より深く学べる「中級検定」がスタート
無料の初級編に続き、さらにステップアップできる「中級検定」(有料プログラム)の申し込みが2026年8月から開始されました。
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専門医の監修による中級では、女性特有の病気や体の仕組みをより深く学び、科学的根拠に基づいた判断ができる「周囲に正しく説明できるアドバイザー」を目指すことができます。
子宮頸がんの原因や予防は「いつか」ではなく、「今」から知ることが重要なテーマです。ご自身や大切な人の体を守る正しい知識を得るための選択肢のひとつとして、こうした検定制度も提供されています。(QLife編集部)
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