2026年FIA F2第10戦モンツァ 宮田莉朋(ハイテック/TGR-DC) 国内外のミドルフォーミュラを中心に、ここ1週間の話題を不定期でお届けする『WEEKLY ROUND UP Formula』。今回は9月4〜6日に行われた2026年FIA F2第10戦モンツァ、8月28〜30日にスポーツランドSUGOで開催されたフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の2026年第4大会(第8戦〜第10戦)のウィークリーレポートをお届けする。
なお、9月11〜13日にスペイン・マドリンクで2026年シーズン最終戦を迎えるFIA F3については、後日別項でお届けする。
■FIA F2:宮田莉朋が4レースぶりの入賞。ハータは噛み合わない週末に
9月4〜6日に行われた2026年FIA F2第10戦モンツァ。宮田莉朋がフィーチャーレースで5位となり、ハイテックは第8戦スパ・フランコルシャン以来4レースぶりの入賞を果たした。一方で、コルトン・ハータ(キャデラックF1テストドライバー)はキャデラックからF1のフリー走行1回目(FP1)に参加したが、FIA F2では苦戦が続いた。
ハータはフリー走行の残り17分でクラッシュを喫し、フリー走行の赤旗終了の原因となった。ハータは続く予選で20番手に沈み、この週末の2レースを後方からスタートすることに。
一方、宮田はトップから0.550秒差の予選8番手。スプリントレースを3番グリッドから、フィーチャーレースは他車のペナルティもあり、6番グリッドスタートすることになった。
2列目からスタートを迎えたスプリントレースでは、今季初表彰台へ向けた好走が期待された宮田だった。しかし、Gazoo RacingのSNSに掲載された動画で「スプリントレースはトラブルを抱えた状態でレースをすることになってしまって、フルパフォーマンスでレースができませんでした」と、本人がコメントしたように、宮田は次々とポジションを下げる展開に。
スプリントレースは、7番グリッドスタートのジョシュア・デュルクセン(インビクタ・レーシング/メルセデスF1開発ドライバー)が優勝。リバースポールのジョン・ベネット(トライデント)が2位、2番グリッドスタートのオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)が3位となるなか、3番グリッドスタートの宮田は入賞圏外の9位でフィニッシュ。ハータは5つポジションを上げるも15位で入賞には届かなかった。
30周のフィーチャーレースにおいて、宮田がオプションタイヤ(スーパーソフトタイヤ)、ハータがプライムタイヤ(ソフトタイヤ)を履き、ハイテックはタイヤ戦略を分けた。
この日の宮田は力強いペースを披露した。序盤にノエル・レオン(カンポス・レーシング)にかわされるが、マルティニウス・ステンスホーン(ロダン・モータースポーツ)を抜き6番手を守る。
宮田は9周目にプライムタイヤ(ソフトタイヤ)に履き替え7番手に。ただ、11周目にはタサナポル・イントラフヴァサク(ARTグランプリ)をパスして6番手に返り咲いた。
一方、ハータはスタートで18番手まで浮上する。しかしセバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)との接触でコース外に押し出され、フロントウイングにダメージを負った。
ハータはウイング交換のためピットに滑り込むが、ここでコンパウンドを替えのは早すぎだった。新たなプライムタイヤ(ソフトタイヤ)に履き替えたハータはコースに戻ったが、12周目の最終ターン11(クルバ・アルボレート)を喫し、そこで歯車の噛み合わない週末を終えた。
ハータのストップでセーフティカー(SC)導入に。リスタート後も宮田は力強い走りを見せた。背後に選手権首位のニコラ・ツォロフ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が迫るなか、宮田は29周目のターン1でアレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/アルピーヌ育成)をオーバーテイクすると5番手に浮上。終盤はダンをかわして6番手となったツォロフが背後に迫ったが、宮田は最後までポジションを守り、5位でチェッカー。これで宮田とハイテックは、第8戦スパ・フランコルシャン以来4レースぶりの入賞で10点を獲得した。
ハイテックのFIA F2レースエンジニアリング責任者を務めるヤン・スーマンは「モンツァは厳しい週末だったが、前向きに捉えられる点もある」と、週末を振り返った。
「莉朋はフィーチャーレースで強力なペースを見せ、貴重なチャンピオンシップポイントを獲得するべく、粘り強いレースを展開した」
「コルトンのフィーチャーレースは、パラボリカでのリタイヤ前、モントーヤとの接触によってこの時すでに不利な状況に追い込まれていたが、スプリントレースでの彼の進歩からは依然として前向きな兆しが見られた」
「この週末のレースを分析し、マドリードに集中していく。FIA F2は残り4戦あるため、先にはまだ多くのチャンスが残されている」
■女性ドライバーの下野璃央が初優勝飾る/FRJ第4大会SUGO
8月28〜30日、FRJの2026年第4大会(第8戦〜第10戦)が宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。15台(そのうちマスタークラスが7台)がエントリーを集めた第4大会は、終始不安定な天候となった。
この週末は3レース制のため、公式予選1回目(QF1)のベストタイム順で第8戦のグリッド、QF1のセカンドベストタイム順で第10戦のグリッド、QF2のベスタイム順で第9戦のグリッドが決定される。
QF1は赤旗中断を挟むウエットコンディションとなるなか、下野璃央(Dr.Dry F111)が好走を見せ、第8戦と第10戦のポールポジションを獲得。続くQF2もウエットコンディションのなか、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)が最速タイムを刻み、第9戦のポールポジションを獲得した。
22周または30分の第8戦決勝は、予選後の29日(土)午後に開始された。雨が降ったりやんだりする不安定な天候のもと、ポールシッター下野が1コーナーのホールショットを守ると、2番手大宮、5番グリッドから浮上した洞地遼大(PONOS RACING F111/3)が3番手で続いた。
下野は快走を続け、11周目には2番手大宮に10秒以上のギャップを広げ首位をキープ。一方、大宮、洞地、三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)の3台が激しい2番手争いを繰り広げたが、ポジションは変わらず。
21周目に最大時間の30分を迎え、下野がトップチェッカー。7.334秒の大差でFRJ初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。大宮が2位、洞地が3位という表彰式となった。マスタークラスは総合6位の鳥羽豊(AIWIN F111/3)が制した。
30日(日)午前に行われた第9戦決勝。日を跨いでも依然としてウエットコンディションとなった。ポールシッターの大宮がホールショットを守ると、2番手洞地、3番手三浦が続く展開に。
そんななか、レース序盤に馬の背コーナーの先で、AKITA(ACR Formula R)が激しくクラッシュ。これで約45分間の赤旗中断となった。レースは残り20分より、2周のSC先導周回を経て再開を迎えた。
レースは14周目がファイナルラップとなるなか、大宮は独走態勢をキープ。2位洞地に14.891秒もの大差をつけて今季4勝目を飾った。3位は三浦となった。マスタークラスは総合6位となった植田正幸(Rn-sports F111/3)が制した。なお、植田にとっては今季初クラス勝利となった。
30日(日)午後の第10戦では、ポールシッターの下野の蹴り出しが悪く、3番グリッドの洞地と、2番グリッドの大宮が下野の前に出た。PONOS RACINGの2台は1コーナーからサイド・バイ・サイドとなると、続く2コーナーで2台は接触しともにスピン。背後にいた下野が芝生の上に退避するなか、混乱をうまくすり抜けた三浦が首位、リン・チェンファ(RAGNO MOTOR SPORTS with TLM F111/3)が2番手に浮上した。
洞地は最後尾までポジションダウン。同じくスピンを喫し3番手に交代した大宮は、2周目にチェンファをかわして2番手の座を取り戻す。大宮は続けて三浦の背中を追い、11周目の1コーナーで三浦のインに飛び込むが、ここで2台は接触。三浦はスピンからコースオフを喫するも、2番手でコース復帰が叶った。
14周目にリ・シュエンユ(TLM by Z.SPEED F111/3)がストップしSC導入に。レースは残り時間1分38秒となった18周目に再開された。大宮が首位のままファイナルラップの19周目を終えてトップチェッカーとなったが、三浦との接触に伴う5秒のタイムペナルティが下った。これで2番手チェッカーの三浦が今季3勝目を飾った。
2位は最後尾からの追い上げが叶った洞地。3位はチェンファとなった。4位下野、大宮は最終的に5位となった。マスタークラスは総合7位の入榮秀謙(アポロ電工フジタ薬局Bellona)が今季初クラス勝利を飾った。
2026年FRJ第5大会(第11戦〜第12戦)は、9月25〜26日に富士スピードウェイで開催される。
[オートスポーツweb 2026年09月08日]