
「長年の友人がサンディエゴの自宅へ遊びに来てくれて。独身時代、私の写真集の十冊以上を手掛けてくださっていた方で、一緒に写真を眺めているうちに彼女の口から自然と『また出そうか?』って、私は『そうねぇ』と。それで決まったんです」
武田久美子(58)が、実に23年ぶりとなる本格的な写真集を講談社より発売。タイトルは『Sango』。一世を風靡した「貝殻ビキニ」の次に来るのは「サンゴNUDE」だ。
撮影は沖縄で行われ、開放的なロケーションを背景に、撮影時57歳だった武田が圧巻のプロポーションと円熟した色気を存分に披露。発売に合わせ、9月12日には東京・SHIBUYA TSUTAYAでお渡し会も決定し、武田は緊急来日して長年のファンと再会するという。
この発売に先駆けて武田のInstagramでは、水着姿の撮影風景を先行公開するや驚きと称賛の声が多数寄せられた。
《素晴らしいスタイル♪最高です》
《久美子さま すんごい》
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Instagramの動画を観た同世代記者も驚きと感動を覚え、さっそく武田に単独インタビューを申し込んだ。
まず、23年ぶりとなったきっかけは冒頭の通り。ごく自然で、運命めいたものだったということ。
「環境が整っていて、いまなら出せると思えたんです。体型も含めて、出しても大丈夫かなと自分の中で踏んだんです」と振り返る。
実は出産後は、母親であるという思いから写真集はやはり露出が必須となるため、おのずと自粛していたという。
「娘を持つ母親がビキニ姿でカメラの前に立つのは違うでしょう」と微笑む。
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結婚、出産後はライフスタイルを披露するフォトブックが女性たちの間でも人気となり、出せばヒットを飛ばしたが、本格的な写真集からは長く遠ざかっていた。
しかし娘のソフィアさんが23歳になり、完全に大人になったいま「そろそろいいかな」と心が動いたのだという。
しかも、自分自身の見た目が大きく変わっていないことも後押しした。
「準備万端でオファーを待っていたわけではないけれど、人生に偶然ってあんまりないと思っています。編集者の友人が遊びに来てくれて、写真集が出てきて、『そうね』と言えたこと。すべてはそういうふうになっていたのかな、と今は思います」
今回の写真集作りで、彼女が特にこだわったのがカメラマン選び。「過去に一度も仕事をしたことのない方に撮っていただきたい」とリクエストし、アンディ・チャウ氏に決定。
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「世代交代で、誰かのお弟子さんといった方も候補に上がりましたが、あえて初めての方の方がいいなと。新しい風を自分の中で吹かせたい。自分へのチャレンジにもなると思ったんです」
複数の候補者の作品を見た中から、アンディ氏を選んだ。
「本当にアンディさんにやっていただけてよかった。人間的にも明るく楽しい方で、スタッフもみんな若い。アシスタントは自分の娘と同じ年くらいの人もいて、『世代交代だな』と思いながら、逆にそれを大いに楽しみました」
撮影は沖縄で約5日間。石垣島の古民家なども含め、海を舞台にたっぷりと向き合った。待望の1冊だけあり、露出は「手ブラ」も含みエネルギッシュでグラマラスな最高の一瞬を切り取ったカットが満載となった。
撮影前の準備は、特別にストイックな日々を送ったわけではなく、日常の延長だったと武田はいう。
実は武田は30代後半からクラシックバレエを再開、多いときは週5でスタジオに通いレッスンに励んだ時期もあるという。
それから20年、舞台には一度も立たず誰に披露するのでもなく続けたバレエは、彼女にとって自分の体と心と向き合うことだった。
そのバレエ歴があるからか、特別なことはせず、プロテインやシェイクは嫌いなので飲まず、食事でタンパク質を意識する程度という。
「撮影に向けて強化したのは、好きでよく飲んでいるワインを2カ月ほど完全にやめたことくらいかな。お酒は体重に反映するというより、むくみが出ますから。むくみがほとんどない状態で撮影できたのは本当に大きかったです。たまにはこういうことしてみるべきだと、自分でも勉強になりました」
そして仕上がってきた写真を見た瞬間、「よかった。写真集を出すと決めて撮影ができてよかった」と安堵したという。思い描いていた通りのビジュアルになっていたからだ。
「売れてくれたら一番いいけれど、『できることはすべてやった』という達成感でいっぱい。満足です」
そしてタイトルは『Sango』に。貝殻の次にサンゴ。海をモチーフにした美しさと、珊瑚のようにしなやかに、強く生きてきた武田のイメージが重なる。
ソフィアさんを育ててきた道のりも、今回の挑戦と深くつながっている。武田は1999年に米国人の会社員男性と結婚し、渡米。出産を経て一児の母となり、2016年に離婚。その後も米国で生活することを選び、シングルマザーとしてソフィアさんを育て上げた。
ソフィアさんは幼い頃からバレエとフィギュアスケートに打ち込み、武田は送迎やコーチとのやり取りに奔走する7年間を経験したという。バレエはプロを目指す実力を持っていたソフィアさんだが、本人の意思でスケートに絞り、やがてその道にも自ら区切りをつけた。現在、ソフィアさんはアメリカのメディカルスクールで医師を目指して勉強中だ。
アメリカで医師の資格を取得するには、日本の医学部とはシステムが違う。まず大学を卒業した上で、メディカルスクールに進むことが必須となる。調べてみるとこれがかなりの狭き門で、1学年200人規模の学校が多い。
ソフィアさんは高校・大学で飛び級し、19歳で大学を卒業。その後ボランティアやインターンを経てメディカルスクールに進んだ。複雑な手続きや進路もほぼ自分で決め、武田は「これといって手助けをしたことはないんです」と微笑む。
「勉強しなさいと言ったこともほとんどなく、本人が努力した結果です。偉いなと思っています。親子でよくコミュニケーションを取っていますし、本当に娘がいてよかった」
そして、写真集の先行カットを見たソフィアさんの反応は、シンプルで嬉しいものだった。
「『ママ、グーよ!』 って言ってくれました。いろんな意味が込められていそうですね(笑)」
撮影時は57歳で、この夏58歳になった。「今が女としての絶頂期だと思っている」と言い切る。
シングルマザーとして娘を自立した大人に育て、自身の体をクラシックバレエで磨き続け、23年の時を経て再びカメラの前に立った。
初めてのカメラマンとの出会い、沖縄の海、むくみのない身体、娘からの「グー!」。それらすべてが詰まった『Sango』は、単なる復活ではなく、新しい章の始まり。
9月9日の発売日、そして9月12日のSHIBUYA TSUTAYAで発売記念イベントでお渡し会があり、久しぶりに日本でファンと直接会う機会を彼女は心から楽しみにしているという。
貝殻からサンゴへ。レジェンドは今も力強く、生き生きと輝いている。
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