“地元”オースティン戦で記者会見に登壇したベン・キーティング アマチュア界のトップドライバーであるベン・キーティングは、2027年よりWEC世界耐久選手権やIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でのフルシーズン参戦から退き、単発的なレース参戦に専念する意向を明らかにした。
アメリカ・テキサス州出身で55歳のキーティングは、FIAブロンズドライバーのトップランナーのひとりとして知られ、2011年のIMSAデビュー以来、両シリーズの主力ドライバーとして活躍してきた。その間、LMP2およびGTEクラスで計4回のタイトルを獲得している。
■「富士も大好き」WEC終盤戦は僚友のサポートに集中
キーティングはSportscar365に対し、「フルシーズンにコミットするのではなく、自分が楽しいと思えることを自由にやっていきたい」と語り、「他にも時間を費やしたいことがある」と説明した。
一方で、レース活動から完全に引退するつもりはないとも強調。「レースが大好きだから」というのがその理由だ。
「デイトナや、もしかしたらセブリング、そしてル・マンにも参戦したいと思っている。ただ、フルシーズン参戦のエントリー枠が埋まってしまっているため、シートを見つけるのは本当に難しい状況だ」と彼は述べた。
「そうしたレースのシートが見つかればと願っている。見つかれば最高だが、そうでなければどうしようもない」
「それから、ヒストリックカー・レースや、チャンプカーのようなレースにもっと多く参加したいと考えている」
「僕は1970年式フォード・マスタングと1996年式アキュラ・インテグラを所有していて、それらを使ってレースに出ている。コストに対する楽しさの比率が非常に高いので、今後もそうした活動を増やしていきたいね」
キーティングはまた、娘をナビゲーターに迎えてオフロードレースにも挑戦したいという意向も示唆している。
しかしそれに先立ち、キーティングの当面の目標は、TFスポーツのシボレー・コルベットZ06 GT3.Rを駆るチームメイト、ジョニー・エドガーのWEC LMGT3クラス・タイトル獲得をサポートすることだ。
シーズン前のマウンテンバイク事故による肘の手術で開幕2戦を欠場したため、キーティング自身はタイトル争いから脱落しているが、ル・マン24時間レースでは自身3度目のクラス優勝を果たすなど、記憶に残るシーズンを過ごしてきた。そして今、彼はシーズンを最高の形で締めくくろうと意気込んでいる。
「(WEC終盤戦が開催される)富士もバルセロナもモンツァも大好きだ。どれも6時間レースだから、獲得できるポイントが少なくて済むという点も気に入っている」とキーティング。
「シーズン開幕時、コルベット・レーシングやGMから『チャンピオンシップとル・マン、どちらか勝てるならどちらを選ぶか』と聞かれたとき、僕は『迷わずル・マンを選ぶ』と答えたんだ」
「だからこそ、幸運にもル・マン制覇という目標を達成できた今、僕らの次の目標はジョニーのためにチャンピオンシップを勝ち取ることに移ったんだ」
キーティング自身は現在ランキング3位につけているが、エドガー、ニッキー・キャツバーグ、そして彼自身の3人が(それぞれ異なるラウンドに出場したことによって)ランキングのトップ3を独占する可能性については、「極めて難しい」と考えている。
彼ら3人は、ル・マン優勝に伴う重いサクセス・バラストを搭載した状態で臨んだ先週末の第5戦オースティンで無得点に終わった。その結果、キーティングは現在、アレシオ・ロベラ/サイモン・マン/フランソワ・エリオーの3人が駆るビスタAFコルセの21号車フェラーリ296 GT3エボのクルーと並び、同ポイントで3位につけている。
皮肉なことに、キーティングはレース序盤、同じチームの54号車フェラーリ(トーマス・フロー)と2度にわたって接触していた。
「もし同じドライバーに2度もぶつけられていなければ、それなりのレースができていたと思うよ」とキーティング。彼は最終的にオースティン戦を12位で終えた。次なるレースは、9月25〜27日に行われる第6戦富士6時間レースとなる。
[オートスポーツweb 2026年09月09日]