『フィガロジャポン』10月号は蒼井優と中島歩のダブル表紙(同誌リリースより) TVerなどの配信再生数で大ヒットし、視聴率もうなぎ上りとなった蒼井優さん主演の金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系、毎週金曜、夜10時〜)。
その人気はドラマ外にも波及し、『フィガロジャポン』10月号が出演者の蒼井さん・中島歩さんのダブル表紙にしたり、作中に登場する小説やスイーツが売れたりしています。
蒼井さん演じる主人公・咲子は“失踪癖のある夫に振り回されるかわいそうな常識人”。……かと思っていたら、彼女自身も4度の離婚歴があるという、ぶっ飛んだキャラクターだったことが第9話で明かされ、賛否両論を巻き起こしました。
SNSには、《むかし「魔性の女」と言われた蒼井優にしかできない役だと思った》《この演技こそが「魔性の女」》という声もチラホラ。かつてイケメン俳優たちと数々の浮名を流し、「魔性の女」「恋多き女優」のレッテルを貼られていた彼女を思い起こす人もいたようです。今の蒼井さんは、落ち着いた一児のママになっていますが。
劇中の登場人物と、演じる役者の人格は、まったく別ものということは大前提。そのうえで今回は、特異な結婚観を持っていた咲子役を見事に好演した蒼井さん本人の結婚観を、掘り下げていきたいと思います。
◆「恋多き女優」評をきっぱり退けた結婚会見
2019年6月、南海キャンディーズの山里亮太さんとともに、結婚会見を開いた蒼井さん。
記者から結婚の決め手を尋ねられると、「一緒にいて、しんどいくらい笑わせてくれて」と微笑みます。この言葉から蒼井さんが結婚相手に求めていたのは、楽しい時間を共有できることがひとつの条件だったのだと推察できるでしょう。
一方、ある記者が「恋多き女優」と評したうえで、山里さんを選んだ理由を問うた際に、蒼井さんは「私を好きになってくれる男気です」とまっすぐに答えたのです。すかさず山里さんが、“蒼井優を結婚相手に選ぶ”ということに対して、「そんな覚悟が必要な人だっけ?」とさりげなくフォローしていたのがとても好印象でした。
◆「いや、深い意味でいいですよ」プロポーズ秘話
昨年9月放送の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)にて、山里さんがプロポーズ秘話を語るシーンがありました。
結婚前の交際中、蒼井さんが山里さん宅にいたものの山里さんが先に仕事で出なくてはいけない時間になったそう。そこで山里さんが「深い意味じゃなくてこの合鍵、渡していいですか?」と尋ねると、蒼井さんが「いや、深い意味でいいですよ」と返答。
そしてその会話の流れで、逆に蒼井さんのほうから「結婚します?」と尋ね、結婚に至ったというのです。
劇中の咲子の過去4回の結婚は、彼女のほうからプロポーズしていたそうなので、女性だからといって受身にならず、結婚に対して能動的だったということは、咲子と蒼井さんの共通点と言えるかもしれません。
◆相手に染まる咲子、本人の結婚観は真逆?
山里さんと結婚した翌年の2020年1月。
蒼井さんが出演した映画『ロマンスドール』試写会後のトークイベントにて、本作が希有な夫婦の物語だったこともあり、結婚観について問われるシーンがありました。
蒼井さんいわく、結婚は「車線変更って感じ。大きく道が変わる感じでもない」とのこと。
もともと結婚願望があったわけではなかったそうですが、山里さんとは「うっかり、ひょっと結婚してしまった」と冗談半分に語っており、いい意味で肩ひじ張らない自然体の状態で結婚を決めたことが伺えました。
いずれにしても、自分の人生の軸がしっかりと定まっていて、結婚をしても進むべき方向がブレないという感覚があるからこそ、結婚はあくまで「車線変更」程度にすぎないのだと考えられたのではないでしょうか。
劇中の咲子は何度も結婚していて「飽きっぽい」と評されていた一方、そのときの夫の趣味に合わせてファッションや髪型をがらりと変えていました。要するに相手の男に自ら染まりにいっていたタイプです。
そう考えると、咲子と蒼井さんの結婚観や結婚後のライフスタイルは、真逆に近いのかもしれません。
◆自分軸をしっかり持つというマインドセット
同じく2020年1月、ウェブメディア「She is」にて、『ロマンスドール』の原作・監督・脚本を務めたタナダユキさんとの対談が行われました。
蒼井さんはこの対談のなかで、自身は「役所に届ける形の結婚」を選択したけれど、事実婚などさまざまな選択肢があり、当人が選んだことならどのような形でもいいのだとしたうえで、次のように語ったのです。
「結婚してもしなくてもどっちでもいいけど、それぞれが自分に見合った、自分が思う幸せっていうものを追求するのがいいし、それをしてはいけないんですか?とは思います」
蒼井さんの結婚観には、やはり前提として自分軸をしっかり持つというマインドセットがあるように感じられます。
――『Tシャツが乾くまで』主人公・咲子と、彼女を演じた俳優・蒼井優さん。一見すると似ていると感じる部分もあるのですが、両者の結婚観は根底から異なっているのではないでしょうか。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi