ホンダ育成の加藤大翔がFIA F3初ポールポジション獲得。選手権首位のスレイターに危機

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2026年09月12日 02:40  AUTOSPORT web

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加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)
 現地時間9月11日(金)、2026年FIA F3最終戦/第9戦マドリードの予選が行われ、予選1回目で加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)が、予選2回目でトゥッカ・タポネン(MPモータースポーツ/フェラーリ育成)がそれぞれ最速タイムを記録。加藤がフィーチャーレース1、タポネンがフィーチャーレース2のポールポジションを獲得した。

 2026年FIA F3最終戦マドリードは予選2回、スプリントレース1回、フィーチャーレース2回の特殊フォーマットで開催される。F1のフリー走行2回目終了後、フィーチャーレース1のグリッドを決める予選1回目、フィーチャーレース2のグリッドを決める予選2回目がぞれぞれ20分間で行われた。


■予選1回目:加藤大翔が強烈なアタックで他を寄せ付けず

 フリー走行は中村仁(ハイテック/TGR-DC)が最速(1分49秒835)、0.101秒差で加藤が2番手だったこともあり、予選でも日本勢ふたりに注目が集まった。

 舞台となるマドリンクは、IFEMAマドリードが運営する大規模な展示施設『IFEMAエキシビションセンター』周囲の私道と公道で構成された半市街地コース。ウォールに囲まれエスケープゾーンが少なく、同日に行われたFIA F2の予選では30分間の間に5台がクラッシュ、3回の赤旗が入る大荒れのセッションとなった。

 同じく赤旗が続出する可能性があるため、各車我先にとセッション開始前からピットレーンが開くのを待った。なお、ピット位置が一番出口に近いARTグランプリの加藤が真っ先にコース入り。加藤はアウトラップ、ウォームアップラップを経て計時上3周目に最初のアタックに入った。

 国際映像が加藤の1周をフォーカスするなか、まずは1分51秒127を記録。全車が最初のアタックを終えた時点でも加藤は首位をキープした。一方、りー海夏澄(ARTグランプリ)は15番手、山越陽悠(VAR)は19番手、中村は22番手でセッション後半を迎えた。

 加藤は計時上5周目に2度目のアタックに入ると、セクター3の区間ベストを更新し1分50秒639を記録。続けて中村が1分50秒857までタイムを上げて加藤に続く。ただ、その直後ペドロ・クレロ(ロダン・モータースポーツ)が1分50秒547で加藤を0.092秒上回り暫定首位に浮上。2度目のアタックを終えた時点で首位クレロ、2番手加藤、3番手中村、4番手エルネスト・リベラ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)と続いた。

 残り6分を切り、計時上7周目に加藤は3回目のアタックに入ると、1分50秒535を記録しクレロを0.012秒上回り、暫定首位の座を取り戻した。タイトル争いを繰り広げる選手権2位のウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)が4番手に浮上する一方、15点差で選手権首位のフレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)は「クルマが壊れた!」と無線で叫び、17番手で予選1回目を終えた。

 チェッカー後、スレイターは「ノーコメント。XXXX(国際映像によりカット)よくやったね。クルマは曲がってる。スロットルは止まらない。ブレーキも効かない。一体何が起きてるんだよ!」と、無線を飛ばした。ウゴチュクウとのポイント差はわずか15点。逆転される可能性が増えたスレイターは、これまでにない感情を吐露した。

 加藤は計時上9周目に最後のアタックに臨んだが、タイヤの美味しい部分が終わったこともあり、自己ベストには届かず。それでも国際映像はセッション終盤、加藤の1周を放映し続けた。

 終盤も何名かは自己ベストを更新したが、加藤の1分50秒535に届くドライバーは居らず、加藤が自身初のFIA F3ポールポジションを獲得した。なお、日本人としては山越に続く今季ふたり目のポールポジション獲得となる。

 日本勢の予選1回目は、加藤がポール獲得、中村が6番手、山越が18番手、海夏澄が20番手となった。

 スプリントレースのグリッドは予選1回目のトップ12がリバースグリッドとなり、ジェームズ・ウォートン(プレマ・レーシング)がリバースポールポジションを獲得した。


■予選2回目:スレイターの悪夢は続く。フェラーリ育成タポネンが最速

 わずかなインターバルを経て、予選2回目が開始された。注目は加藤の好調が続くのか、そしてスレイターの不調は解消されたのかだった。

 真っ先に加藤が最初のアタックに入ると、その後ろからスレイターがアタックに入った。加藤はまず1分50秒847を記録。しかし、スレイターは早々に1分49秒972を記録してトップに浮上。予選で初めて1分49秒台を叩き出したのはスレイターだった。

 全車が最初のアタックを終えた時点でもスレイターの牙城は崩れない。チームからトップタイムと告げられたスレイターは無線で「おかしいな。止まらないし、曲がらないクルマなのに。クルマはクソだ。どうしてこんなに酷いんだ? 何か問題がある」とそっけない返事だった。

 残り9分を切り、加藤は計時上5周目に2度目のアタックで1分49秒916までタイムを上げた。ただライバル勢もタイムを上げ、1分49秒830を叩き出したクレロが残り7分時点でトップに浮上。2番手ウゴチュクウ、3番手エンツォ・デリニー(VAR)、4番手加藤、5番手スレイターと続いていた。

 加藤は計時上7周目に3度目のアタックに入ると1分49秒856を叩き出す。しかし、ウゴチュクウが1分49秒771を記録。暫定8番手まで下がったスレイターがピットに戻るなか、スレイターの最大のライバルであるウゴチュクウが暫定首位につける状況で、セッションは最終盤を迎えた。

 加藤は計時上9周目に最後のアタックに入った。しかし、タイヤの限界が近く自己ベストにも届かないままチェッカーを受けた。そんななか、フェラーリ育成のタポネンが1分49秒750を叩き出し、0.021秒差でウゴチュクウから暫定首位の座を奪い取った。

 ただ、最終アタックでクレロがセクター1の区間ベストを更新しており、予選は最後までわからなかった。しかし、そのクレロは最終コーナーでウォールにクラッシュ。これでセクター3にイエローフラッグが振られ、予選は終了となった。

 予選2回目はタポネンが最速でフィーチャーレース2のポールポジションを獲得。2番手ウゴチュクウ、3番手クレロ、4番手加藤と続いた。ピットに戻ったスレイターはその後コースに戻ることなく、8番手で予選を終えた。

 日本勢の予選2回目は加藤が4番手、中村が14番手、山越が15番手、海夏澄が22番手となった。

 今季最終戦を迎えたFIA F3、日本人ドライバーの勝利はあるのか。そしてスレイターとウゴチュクウのタイトル争いの行く末はいかに。残る3レースの日程は下記のとおりだ。


■2026年FIA F3第9戦マドリード(日本時間)

・スプリントレース:9月12日(土)18時05分〜18時50分
・フィーチャーレース1:9月12日(土)25時00分〜25時50分
・フィーチャーレース2:9月13日(日)16時45分〜17時35分

[オートスポーツweb 2026年09月12日]

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