オリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2026年WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ 2026年WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・チリ・ビオビオ』は9月11日(金)、デイ1のSS1から6までの計6本(総距離約100.78km)が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位でデイ1を終えた。
2番手にはエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が10秒1差でつけた。3番手にはヒョンデ・シェル・モービスWRTのアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)が入り、終盤まで猛追した4番手のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)をわずか1秒7差で退けている。5番手にはサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続いた。
一方、日本の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、前戦パラグアイで負傷したアーロン・ジョンストンに代わり代役を務めるジェームス・フルトンとの初SSとなったSS1の6.2km地点でコースオフし、そのままコース脇に深くスタックしてデイリタイアとなった(乗員は無事)。公式記録ではメカニカルトラブルによるものとされている。
今大会は南米ダブルヘッダーの第2戦で、マニュファクチャラーズ選手権で2位ヒョンデに173ポイントの大差をつけるTGR-WRTにとって、7ポイント以上を獲得すればタイトル決定という大一番だ。ドライバーズ選手権では首位エルフィン・エバンスを2位パヤリが追う展開が続いており、前戦パラグアイまで3戦連続優勝を飾ったパヤリの動向にも注目が集まっていた。
金曜日のデイ1は、レキの時点ではドライだった路面が夜間の予想外の降雨で一変するという波乱の幕開けとなった。朝の気温は7度前後まで冷え込み、路面は水たまりと泥、そしてスライム状の滑りやすい層に覆われる過酷なコンディションに変貌している。
通常のグラベル戦では出走順の早い先頭勢が浮き砂利の掃き掃除を強いられて不利になるが、この日は雨の影響で状況が逆転した。後続車が通過するたびに路面が掘り起こされて泥状の層が露出し、出走順が後ろになるほどタイムロスが雪だるま式に膨らむ異例の展開となっている。
こうした条件のもと、SS1『Turquía 1』(22.94km)は1番手出走のエバンスが雨の恩恵をフルに受けて力強い基準タイムを記録した。続くソルベルグが悪路への適応力を発揮してエバンスを上回るステージ最速をマークし、初日の首位発進を決めている。前述の通り、勝田はこのSS1でコースオフを喫し、無念のリタイアとなった。
続くSS2『Nuevo Rere 1』(10.76km)ではエバンスがステージ最速で逆転し、0.4秒差でソルベルグから首位を奪い返した。さらに午前ループ最終のSS3『Hualqui 1』(16.69km)ではヌービルが後続の掘り起こした深い轍にタイヤをはめ込む独特の走法で全体ベストタイムを記録し、総合4番手へ急浮上している。この結果、午前ループを終えた時点ではソルベルグが首位に返り咲き、わずか2秒3差でエバンスが追う展開となった。
昼のサービスを終えた各陣営が新品ソフトタイヤへと履き替えるなか、フルモーだけは翌日の摩耗路面に備えて午前ループ使用のユーズドタイヤをあえて継続する賭けに出た。乾燥が進み高速化した午後ループでも、フルモーはこのハンデを感じさせない安定した走りで表彰台圏内を守り続けている。
午後最初のSS4『Turquía 2』(22.94km)では、午前に大きく出遅れたパヤリが一転して全体ベストタイムをマーク。総合5番手へと浮上し、逆転を狙う反撃態勢を整えた。ソルベルグはタイヤ摩耗に配慮した堅実な走りでエバンスとの差をさらに広げ、首位を堅持している。
さらにSS5『Nuevo Rere 2』(10.76km)では、オジエがハイスピード区間で圧巻の走りを見せてパヤリを0.1秒差で上回る全体ベストタイムを奪取した。これにより3位フルモーとの差を一気に縮め、3位争いは1秒に満たない超接戦へと突入している。
デイ1最終のSS6『Hualqui 2』(16.69km)は、3位の座をかけたフルモーとオジエの一騎打ちとなった。フルモーがユーズドタイヤのハンデをものともせずオジエを上回るステージ2番手タイムでまとめ、オジエをわずか1秒7差で退けて表彰台圏内を死守している。首位のソルベルグも自ら攻めの走りで全体ベストタイムをマークし、2番手エバンスとの差を10秒1まで広げてデイ1を締めくくった。
初日を制したソルベルグはSS1とSS6の2本でステージウィンを記録する安定した走りでトップの座を守り抜き、2位エバンス、3位フルモー、4位オジエ、5位パヤリという大接戦の中で最終的に主導権を握っている。
デイ2は9月12日(土)、日本時間21時8分のSS7『Pelún 1』から、デイ1と同様6本のスペシャルステージが行われる。ドライバーズ選手権は首位エバンス、2位パヤリ(-20)、3位ソルベルグとの三つ巴の争いが続くなか、デイ1で反撃の兆しを見せたパヤリとオジエがどこまで前に出られるかが、この週末後半最初の見どころとなりそうだ。
[オートスポーツweb 2026年09月12日]