96号車レクサスRC F GT3(K-チューンズ・レーシング)をドライブする山内英輝 2026年IGTC第4戦鈴鹿1000km スーパーGT・GT300クラスでは、長らくスバルのドライバーとして活躍している山内英輝。その山内が、K-tunes Racingの96号車レクサスRC F GT3をドライブして、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第4戦の鈴鹿1000kmレースに参戦している。
トリオを組むのは阪口晴南と松井孝允。国内で活躍するドライバーによる“ドリームチーム”とも言える陣容だ。
ランボルギーニ、ニッサン、メルセデスと、過去には豊富なGT3経験を持つも、近年は「ずっとタクちゃん(井口卓人)と組んできましたし、GTとS耐の“枠”から、なかなか外に出ることがなかったですね」という山内にとっては、かなり新鮮な現場となっているようだ。
■「世界観が違う」エンジニアリング
12日土曜朝のプレ予選が終わったタイミングでK-tunesのピットを訪れると、そこには悔しそうな表情を浮かべる山内がいた。セッション中、同じようなタイヤの状況で走った阪口に、ラップタイムで「コンマ1秒負けた」のだという。
「でも、すごく楽しんでます。やっぱりGT3の動きは(GTA-GT300規定車両であるSUBARU BRZ R&D SPORTと)全然違います。大きい車両でもあるので、曲げるタイミング、きっかけみたいなところがちゃんと合わないと、コーナリングがギクシャクしてしまって……そのタイミングをピンポイントで合わせていく、そこに集中するのがすごく楽しいですね」
「とにかく高速コーナーがスパっと行けない感じ。ちゃんと待って、(クルマの)動きに合わせていく感覚が必要です。ステアリングは切り始めからすごく反応があるので、その部分を頼りに行ってしまうとその先が全然(余裕が)なくなってしまう。そこの駆け引きが難しくもあり、楽しくもあり……という感じです」
マシンの挙動と同じかそれ以上に山内がショックを受けたのは、一瀬俊浩エンジニアによるセットアップの進め方だという。一瀬エンジニアはかつてスーパーフォーミュラで野尻智紀とともにタイトルを獲得。2025年からはK-tunesでGT300クラスのエンジニアも務めている。
「もう、“世界観”がちょっと違いますね」と一瀬エンジニアの仕事ぶりについて説明する山内。
「たとえばひとつ、セットアップを変更する時。それをやることによるデメリット、さらにそれが影響する部分……と先回りして、それらに対する対策も同時にしてくれるというか。普通にやったら出そうなデメリットの部分が目立たずに、直して欲しいところだけが良くなったりするので、すごいな、と」
「正直、会話にもちょっとついていけず、『もう僕は分からないので、お願いします!』という感じです(笑)。セッションが終わって時間ができてから、詳しく教えてもらうと理解できるんですけどね。昨日は相談しながらやらせてもらったのですが、これはもう僕の考え方がどうとかではなく、一瀬さんの頭の中に(セットアップを)合わせて行った方が間違いない、と思えるくらいです」
96号車はウエットコンディションでは好調だったものの、金曜ナイトセッション以降のドライコンディションでは苦戦中。予選、そして決勝に向けての展望を山内に問うと「もう、言われたとおりにやります! その方が結果が出るでしょうから」とこの2日間でだいぶアプローチも変わったようだ。
「正直、まだRC Fの特性とか特徴もいまいち掴めていませんし、『これをやったら次にどんな方向に向かうのか』についても、晴南くんや一瀬さんの方が熟知していると思うので、それを学びながらいきたいと思います」
日中の雨を経て、初めてのドライコンディションとなった金曜のナイト・プラクティスでは、「最初から外国人ドライバーの勢いが凄すぎて、もう心が折れそうでした(苦笑)」と明かした山内。“ドリームチームから出場するお祭りレース”ではあるものの、普段とは違う環境で得られるものはとても多いようだ。
「刺激はいっぱい受けてます。こんなにすごい刺激をいただけて幸せですね。この機会を与えていただいたK-tunesさん、そして(出場を)許してくれたスバルさんには感謝しかありません」
[オートスポーツweb 2026年09月12日]