トヨタのマニュファクチャラーズチャンピオンを祝福する表彰式 2026年WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ 9月13日(日)、2026年WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・チリ・ビオビオ』の最終日デイ3がチリ中南部ビオビオ州のコンセプシオンのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が優勝した。
前日総合3位のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2位、TGR-WRT2のサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4位、前日総合2位のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5位でフィニッシュした。また、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合36位でラリーを終えている。TGR-WRTはこの結果、6年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得した(FIAによる公式結果発表が条件)。
デイ3はデイ2と同じくビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアを走行し、2本のステージをサービスを挟むことなく各2回走行する日程で、4本のステージの合計距離は71.2kmだった。前日に続きこの日も好天に恵まれ、早朝の気温は5度前後まで冷え込んだものの、日中は18度程度まで上昇。グラベルステージは1日を通してドライコンディションが保たれている。
デイ1で首位に立ち、デイ2終了時点で総合2位のエバンスに19.1秒のリードを築いていたソルベルグは、デイ3オープニングのSS13で4番手タイムにとどまった。一方のエバンスはソルベルグより5秒9速いベストタイムをマークし、差を13.2秒まで縮めている。
続くSS14ではソルベルグが最速タイムで巻き返し、エバンスは僅差の2番手タイムにとどまったことで、両者の差はふたたび14.5秒に開いた。そしてSS13の再走ステージとなるSS15では、エバンスがダメージを負ったタイヤの交換作業で2分以上をロス。総合5位へと順位を落としている。
このステージでベストタイムを記録し、代わって総合2位に浮上したのがオジエだ。オジエは今回、ヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRTチーム代表が持つ213回というWRC最多出場記録に並んでおり、首位ソルベルグとの差は13.3秒となった。また、エバンスの後退によりパヤリが総合4位に順位を上げている。
そして迎えた最終のパワーステージ、SS16ではソルベルグが最速タイムでフィニッシュ。開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる、今シーズン2勝目を飾った。ソルベルグはパワーステージでのベストタイムに加え、日曜日のみの合計タイムで競われる『スーパーサンデー』でも2位に入り、大量のボーナスポイント獲得に成功。優勝ポイントと合わせて34ポイントを獲得している。
その結果、今季12戦で11回目の優勝を達成したTGR-WRTは6年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、1987年から1992年にかけてランチアが成し遂げたWRC最多連覇記録に並んだ。トヨタとしては通算10回目のWRCマニュファクチャラーズタイトル獲得となり、こちらもランチアの最多記録に並んでいる。なお、ソルベルグが2勝目を飾ったことで、今シーズンのTGR-WRTは5人のドライバー全員が複数回優勝したことになった。
パワーステージを5番手のタイムで終えたオジエは、ソルベルグと16.6秒差の総合2位でフィニッシュ。ソルベルグとともに、今シーズン8回目となる1-2フィニッシュをチームにもたらした。オジエにとっては通算120回目のポディウムフィニッシュとなり、同郷の元世界王者セバスチャン・ローブが持つ記録に並んでいる。オジエはスーパーサンデー1位、パワーステージ5番手タイムによりボーナスポイントも獲得し、ドライバー選手権では3位のソルベルグと38ポイント差の4位に順位を上げた。
今年、WRC初勝利から3戦連続で優勝するという記録を打ち立てたパヤリは、ドライバー選手権で首位を争うエバンスを48秒4差で抑え、総合4位でフィニッシュ。パワーステージ3番手タイム、スーパーサンデー4位によりボーナスポイントを獲得した。一方、総合2位の座を失い総合5位でラリーを終えたエバンスは、パワーステージを2番手タイムで走りきり、ボーナスの4ポイントを追加獲得。ドライバー選手権では首位を守ったが、2位パヤリとの差は20ポイントから17ポイントへと縮まっている。
初日のデイリタイアを経て再出走し、デイ2終了時点で総合38位につけていた勝田は、デイ3最初の3ステージを5〜6番手のタイムで走行し、総合36位で完走した。パワーステージ4番手タイム、スーパーサンデー5位により合計3ポイントのボーナスを獲得している。
こうした戦いぶりについて、チーム代表代行のユハ・カンクネンは「このチームでまたタイトルを獲れたのは、本当に素晴らしい気分だよ」と総括した。「僕はドライバーとして何度かランチアの王座獲得に関わったし、トヨタが獲った初期のタイトルにも少し携わったことがあるけど、今こうしてこのチームの一員になれたことを心から嬉しく思うんだ」と、自身とチームの歴史を振り返っている。
チームの雰囲気については「チームの雰囲気と、みんなが協力し合う姿勢は本当に素晴らしいものだよ。ドライバーたちも同じで、ステージの上では激しく競い合って最高の結果を目指すけど、それと同時にお互いとチーム全体をしっかり支え合って、良い関係を築いてくれているんだ」と評価した。
ソルベルグの勝利には「苦しい時期を乗り越えてのこの勝利は、オリバーにとって本当に良い結果だね。彼に才能があることはずっとわかっていたけど、今回は見事な戦いを見せてくれたよ」と称えている。
一方でエバンスについては「エルフィンは今日、本当に素晴らしい走りを見せてくれたのに、不運に見舞われてしまった」と触れつつ、「でも、それによってサミとオリバーも上位争いに加わることになったから、ドライバーズタイトル争いはこれからも面白くなるはずだよ」と締めくくった。
マニュファクチャラーズタイトルを決めたTGR-WRTだが、ドライバーズ選手権は首位エバンス、2位パヤリ、3位ソルベルグ、4位オジエによるトヨタ勢同士の争いが残り2戦に持ち越されており、引き続き目が離せない展開が続く。
[オートスポーツweb 2026年09月14日]