GT-Rが失った“国際感覚”。千代勝正「ニスモのドライバーとして歯痒い」/鈴鹿1000km

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2026年09月14日 14:20  AUTOSPORT web

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500号車ニッサンGT-RニスモGT3(チーム・5ジゲン) 2026年IGTC第4戦鈴鹿1000km
「残念。なんか、いろいろと思い出してきました、7年前を……」

 9月13日に行われたIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第4戦鈴鹿1000km。レース後、表彰式の喧騒が響く鈴鹿サーキットのパドックで、千代勝正は唇を噛んだ。

 TEAM 5ZIGENの500号車ニッサンGT-RニスモGT3は今回、千代/平峰一貴/三宅淳詞という、普段はスーパーGT・GT500クラスを戦うドライバーを集め、鈴鹿1000kmのプロクラスに参戦。チームと三宅はGTワールドチャレンジ・アジアでGT-R+ピレリタイヤのパッケージでレギュラー出場しているが、千代はSRO管轄のレースに出場するのは2019年にフル参戦したIGTC以来、7年ぶり。千代は同年のIGTC鈴鹿10時間も経験している。

 今回の鈴鹿1000kmでは、さすがはニッサンのワークスドライバーを集結させたとあり、千代がプレ予選でセッション最速を奪っただけでなく、3人の平均タイムで競う予選でもトップ10に食い込むなど、随所で速さを発揮。決勝での上位進出も期待された。

 ところが、決勝スタートではダンプ路面に対して内圧が低過ぎたためか、ペースが上がらず。さらに、ほどなくしてリヤのサスペンショントラブルに見舞われてしまった。スタートからステアリングを握っていた千代によれば「徐々におかしくなっていった」といい、レース直後の段階では原因は特定できていないという。ガレージでの修復作業ののちにコースに復帰した際には、上位を争う勝負権は失っていた。


■「『7年前より進化しているな』と思いたかった」

 修復後のレースペースに関しては、「トップのポルシェに対してはかなわなかったです。ただ、その後ろの表彰台争いに絡めるか絡めないかという争いには、入れたんじゃないかなというペースでしたね」と千代。

 5周おくれの19位という最終リザルトにはもちろん、序盤のトラブル修復作業も大きく影響した。ただ、2015年にバサースト12時間を制すなど、GT-RニスモGT3の“黄金期”に世界と戦った経験を持つ千代としては、さまざまな面で海外GT3勢とのギャップを思い知らされるレースにもなったよう。

 それが、冒頭に記した「7年前を思い出した」というセリフの真意でもあるようだ。千代の脳裏によみがえったのは、7年前の「走り方やレースの流れ、バトルの激しさ。そしてGT-Rそのものが持っている素性や課題」だったという。コクピットで感じたものは、7年前からあまり変化がなかったということのようだ。

「何が歯痒いかというと……やっぱり我々は立ち止まっていられない、というところです。みんな(ライバル)は、やっぱりこのフィールドで鍛えられ、進化しているんですよね。今回、フォード(・マスタングGT3)も初めて出てきたけど、現在のGT3で活躍する選手たちが開発して、高いレベルでクルマを作ってきて上位で戦ったじゃないですか。それでも、ポルシェには勝てなかった。みんな本当に高い次元で、このGT3というものを突き詰めているんですよね」

「対して我々は、そこから離れていた時間が長くて。もちろん、5ZIGENさんがこういった挑戦をしてくれているのはありがたいのですが、GTWCアジアはレース時間も短いですし、1000kmみたいな長い耐久レースになるとまた違った難しさがある。そういった舞台で開発ができてないということは、ニスモのドライバーとして歯痒いです」

 千代も言及したように、ここ数年のGT-RニスモGT3の主戦場は、スーパーGTを中心とした日本国内にほぼ限られており、本格的な国際格式レースからは遠ざかっていた。ニスモと契約し、かつて国際舞台でも活躍した千代としては、“時計が止まっていた7年”を実感する一戦にもなったようだ。

「やっぱり、常にその時代に合わせてクルマを開発しなきゃいけないし、そのためには(海外GT3勢が多数出場する)主戦場に居続けないと。今回出て、『あ、7年前もこうだったな』と思ってしまったんです。本当は『7年前より進化しているな』と思いたかった」という一言には無念さも漂う。

 だが、その実感を得られたこと、そして“現在地”を把握できたことも、今回の1000km参戦の収穫であると千代はポジティブにも捉えている。

「こうやってGT-Rがあるおかげでチームが参戦できて、我々ドライバーも参戦できて、それは本当にありがたいことですし、こういった機会にこういう悔しさを味わわせてもらえるのも、ある意味ありがたいこと。やっぱりメーカーとしてここにもっと力を入れて、世界と戦っていかなきゃいけないなって、ニスモドライバーとして思いました」

[オートスポーツweb 2026年09月14日]

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