パナのBDレコーダーが“クラウド録画”に対応 何ができて、何ができない?

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2026年09月15日 17:41  ITmedia NEWS

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クラウド録画対応「全自動ディーガ」の最上位モデル「DMR-4X1010」(出典・パナソニック)

 パナソニックは9月14日、Blu-ray Discレコーダーの新製品として「全自動ディーガ」5機種を発表した。目玉機能は、初の“クラウド録画”対応だ。録画番組を長期に保存する手段としてはBlu-ray Discや外付けHDD、NASなどが一般的だが、なぜパナソニックはクラウド録画に対応したのか。


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 ディーガのクラウド録画は、米Microsoftの「OneDrive」、および米Googleの「Googleドライブ」に対応し、最大10TBまでの録画番組をクラウドに保存できる。


 パナソニックが挙げるクラウド録画のメリットは主に3つ。


1)内蔵HDD容量不足の解消(外付けHDDを購入する必要がない)


2)本体のHDDが故障した場合でも、録画した番組が残る


3)クラウド録画した番組は、公式アプリ「どこでもディーガ」(iOS、Android)を使って外出先のスマホでも視聴できる


 基本的には、これまでの外付けHDDやNASと同じようにクラウドを録画媒体として使えるようだ。ただ、一般的なクラウドサービスのイメージで使おうとすると不便さを感じるかもしれない。


 例えば、2)の残った録画番組を再生したい時、クラウドにあるからといって自分のPCで再生することはできない。再生環境はクラウド対応ディーガのみだ。


 仮に使っていたディーガが修理できなかった場合は、クラウド録画に対応するディーガを改めて購入し、アプリのどこでもディーガから「クラウド録画引継ぎサービス」を申し込む必要がある。


●クラウド録画の制約


 テレビ番組のクラウド録画は、パナソニックが初めてというわけではない。今年4月にデジオンのテレビ視聴アプリ「DiXiM Play」が対応し、併せて専用クラウドサービス「DiXiM U Cloud」の提供を始めている。


 これらのサービスを可能にしたのは、2025年10月31日に放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が公開した「受信機のクラウド録画対応に関する要件」。内容としては、ARIB(電波産業会)が策定した要件をまとめたもので、つまりは放送局側が「これならOK」と納得した内容になっている。


 テレビ番組のデジタル録画を巡っては、これまでもコンテンツ保護の仕様など幾度となく放送事業者と機器メーカーの間で議論が行われ、1つずつ機能を拡張してきた経緯がある。今回はそれをクラウドにまで広げた形だ。


 ただしクラウドの場合、本来は容量に制限はなく、またユーザーが同じアカウントでPCなどから利用する可能性もあるなど、外付けHDDとは環境が異なるため、相応の要件が盛り込まれた。


 例えばクラウド録画を行うためには、レコーダーとクラウドサービスをバインド(特定のIPアドレスやポート番号などを専用に割り当て、結びつけること)した上で、番組にローカル暗号を施し、他の機器では再生できなくする必要があった。


 またクラウドに蓄積できる番組数や容量は、家庭用録画機と同等程度であることも求められた。全自動ディーガの場合、最上位モデル「DMR-4X1010」が10TBのHDDを搭載しているので、クラウド録画容量も最大10TBまで可能になったのだろう。


 さらに、クラウド録画には非対応の「放送局」も存在する。地上波は問題ないが、BSデジタルの「アニマックス」「ディズニー・チャンネル」、110度CSデジタル放送の「ムービープラス」「ザ・シネマ」など20局の番組はクラウドに録画できない(25年10月末時点)など、意外と制約は多い。


●大容量&長期になるほど高いクラウド


 録画メディアとしてのクラウドは、基本的にサブスクサービスだ。ユーザーにとって、従来の外付けHDDなどより経済的なのだろうか?


 例えばGoogleドライブ(Google One)で個人向けに10TBの保存容量を追加するプランは月額7280円。年額料金の設定はないので、1年使うと8万7360円。2年で17万4720円、3年で26万2080円と、期間が長くなればなるほど費用がかさむ。


 対してディーガ対応の外付けHDDを見ると、「ヨドバシ.com」では4TB版が実売3万7180円前後(アイ・オー・データ機器のAVHD-AS4/U)、6TB版が4万8180円(同AVHD-AS6/U)で販売されているので、2台で8万5360円。現在のディーガは外付けHDDを1台あたり8TBまでしか認識しないため、2台を差し替えつつ運用する手間は発生するものの、1年間でもこちらのほうが少し安い。そして外付けHDDなら、壊れない限り何年使っても追加料金は発生しない。


 このように、大容量のクラウドストレージを録画のために何年も維持するのはコスト面の負担が大きく、ユーザーにメリットは少ない。ただ、録画データの“緊急避難先”としてはうまく使えるかもしれない。


 例えば、“推し”が出演するテレビ番組がもうすぐ放送されるのにレコーダーのHDD容量に空きがない時。外付けHDDが届くのを待つ時間はなく、他の録画番組をBlu-ray Discに焼く時間すらなかったとしても、クラウドなら容量を簡単に増やせる。月額プランで契約し、翌月までに別の避難先を用意すれば出費も抑えられる(実際には各サービスの利用規約を参照してほしい)。


 また、推し活でゲットした超貴重なお宝映像を“自宅以外の場所”で保管しておきたいといったニーズにも応えられる。外付けHDDやBlu-ray Discなどは基本自宅に置くため、火事や水害など万が一の事態になれば、レコーダー本体と一緒にダメになってしまう。そうしたお宝を必要な容量のみ契約したクラウドに普段から逃がしておくことで、心の安寧が得られるかもしれない。


 レコーダーは動画配信サービスの普及により大きく需要を減らしたが、パナソニックによると「推し活」需要の拡大などを背景に録画できるテレビ番組への関心は依然として高く、見たい番組を“確実”に視聴・保存したいというニーズも高まっているという。同社は「単なる録画機ではなく、“コンテンツの保存・管理・視聴プラットフォーム”への進化が求められている」としている。クラウド録画対応は、推し活サポートの一環なのかもしれない。



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