実車確認走行が行われたNEXT-FORMULA-PROJECTの『JMIA-DOME F113』 特定非営利活動法人日本自動車レース工業会(JMIA)は9月16日、会員企業および協力企業とともに開発が進められている『NEXT-FORMULA-PROJECT』において、シェイクダウンに先立つ実車確認走行およびロールアウトを完了したと発表した。今後は開発フェーズ移行とともにシャシー名称を『JMIA-DOME F113』とし、9月25日のWEC富士で初の一般公開走行となるデモランを実施する。
NEXT-FORMULA-PROJECTはJMIA会員企業を中心とする国内企業の技術を結集し“トップフォーミュラ”に位置づけられる日本発の次世代フォーミュラカーの実現を目標に2024年に始動したプロジェクトだ。2025年の人とくるまのテクノロジー展での風洞モデル展示を経て、2026年5月のモータースポーツフォーラムでプロトタイプ『JNFP-1』が初公開。その際に車両ディメンションや2リッター直噴ターボのNREエンジン、18インチタイヤの採用といった主要諸元が明らかになっていた。
そんなNEXT-FORMULA-PROJECTは5月のプロトタイプ車両公開以降、実走行に向けた車両の準備および調整が進められていたが、今回セントラルサーキットでの確認走行と岡山国際サーキットでのロールアウトを完了したことがJMIAより発表された。2回で計約300kmを走行したとのことで、担当エンジニアは「完全な新企画車両での初期走行でしたが、2回の走行機会の中で最大限の走行距離を確保することができました」と述べている。
「基本的な熱収支の評価に加え、パワーステアリング、車高、バネレート、ジオメトリ、空力など、各要素のセットアップ変更に対する車両の感度を確認し、機能性・操作性・作業性および性能面での改善ポイントと対応方針も明確になっています」
「車両特性は概ね事前検討どおりで、狙いどおりの方向性に仕上がっていることを確認できました。車両挙動の一貫性が高く、車両特性とドライバーコメントの相関も良好であることから、エンジニアリング面でも扱いやすい状態にあります」
「開発初期段階としては非常にポジティブな結果だったと捉えています。岡山でトップフォーミュラカーが走行するのはSF19以来となります。条件が大きく異なるため単純比較はできませんが、現段階においても高いポテンシャルを感じています」
そして、今回の実車確認走行とロールアウト完了に伴い、今後は2027年末の完成を目指し実車による本格的な開発・熟成に取り組み、性能・信頼性・安全性・製造性など車両全体の完成度を高めていく。開発ドライバーにはすでにシミュレーターテストを担当している大嶋和也が起用され、エンジニアとともに車両の評価および改良が重ねられる。また、現在の車両にはNREエンジンが搭載されているが、今後はエンジン、ホイール、タイヤ、ブレーキなどのさまざまな仕様について、実車走行や各種試験を通じて検証を重ねながら開発が進められるという。
シミュレーターのみならず、実車の開発ドライバーにも就任した大嶋は「今回、開発ドライバーのお話をいただき、このプロジェクトに期待と可能性を感じるとともに、少しでも自分の経験を活かせればと思い、お引き受けしました。まだ動き出したばかりで改善すべき点も多くありますが、クルマの剛性感や安定性は非常に高く、高いポテンシャルを感じています。より良いクルマにしていけるよう、引き続き開発に取り組んでいきます」とコメントした。
そして、本格開発フェーズへの移行にあたり、ローリングシャシーは童夢を主幹企業として、設計・評価・改良活動を統括する開発体制に変更。開発責任を明確にし、より機動的な体制で取り組んでいくが、プロジェクトは引き続きJMIA会員企業による共同開発プロジェクトとして推進される。各社が専門分野で主体的な役割を担い、それぞれの技術と知見を結集して、日本発の次世代フォーミュラカーの実現を目指していく。この開発体制の移行にあわせ、シャシーは『JMIA-DOME F113』と名称された。それぞれ“JMIA”は会員企業による共同開発プロジェクトであること、“DOME”はローリングシャシー開発の主幹企業として開発責任を担うことを表している。
また、9月25日(金)にはWEC世界耐久選手権第6戦『富士6時間耐久』が開催されている静岡県の富士スピードウェイにて、JMIA-DOME F113のデモランが実施されることになった。JMIA-DOME F113が実際に走行する姿が一般公開されるのは今回が初めてとなり、当日は開発ドライバーの大嶋がステアリングを握る。
デモランは9時50分〜10時、14時5分〜14時15分の2回を予定しているとのことで、大嶋のJMIA-DOME F113に加え、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップに2027年シーズンから導入される『DOME F112』を小川颯太、DOME F111/3をベースとしたカウル付き車両『DOME CONCEPT SPORTS』を本山哲がステアリングを握って、あわせて走行を行うという。いずれも楽しみなデモランになりそうだ。
[オートスポーツweb 2026年09月16日]