30-DELUX・清水順二が『オレノカタワレ』を今届ける思い 小辻庵&大野紘幸&大沢樹生と共に濃密な殺陣で11年ぶりに上演

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2026年09月18日 14:10  クランクイン!

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30-DELUX NEXT STAGE THEATER『オレノカタワレ〜紅蓮の章〜』メインビジュアル
 アクションエンターテインメント集団30-DELUXが旗揚げ24年を迎える。劇団の代表作ともいえる名作が、初演から20年、再演から11年の時を経て、上演されることが決定した。新進気鋭の演出家・小笠原健による大胆な脚色と新演出のもと、『オレノカタワレ〜紅蓮の章〜』として開幕する本作は、次世代へその魂を継承するプロジェクト『30-DELUX NEXT STAGE THEATER』第1弾公演となる。今回は、ダブルキャストで主人公・時枝三四郎を演じる小辻庵と大野紘幸、同じくダブルキャストで時枝幸一役を務める大沢樹生と30-DELUX主宰・清水順二の4名が集結。今この時代にこの物語を描く真意から、濃密な殺陣とドラマへの意気込みまで語ってもらった。

【写真】『オレノカタワレ〜紅蓮の章〜』時枝幸一を演じる清水順二

◆代表作『オレノカタワレ』も今、上演する意義

――なぜ今、『オレノカタワレ』を再び描こうと思われたのか、その理由をお聞かせください。

清水:我々が劇団を旗揚げした頃は、小さな劇団が数多く乱立していました。しかし、今は当時に比べてかなり少なくなっています。それは、YouTubeや配信など表現が多様化して、劇団を目指す子が減ったような印象もありますし、うちの劇団に入ってくる若い子たちの中には、そもそも舞台や劇団の世界をまるで知らない子も多かったりします。

『オレノカタワレ』は、劇団の組織そのものがテーマ。劇団というものを根本から考え、若手が取り組んでいく意味では、すごく良いのではないかと考えました。またこの作品の初演や再演のタイミングは、劇団が大きくなるような転機でもありました。今、劇団としての結束力をみんなで考えるのにちょうどいい作品です。それに、たくさんの劇中劇があるのでいろいろな作品や役に挑戦して、役者として成長できるような面白さもあります。

今回の公演が『NEXT STAGE THEATER』の第1弾と銘打たれているのは、僕自身が40歳を過ぎてから「演劇と殺陣を義務教育化したい」と本気で考え、今も必死に自治体などを回っていることにも繋がっています。僕も50代になり、いつまでも旗揚げした30代の気合や殺陣を出し続けられるわけではありません。次の世代へバトンをパスしていく気持ちで作っています。自分たちのノウハウや財産を、若い子たちにどんどん渡していきたいですね。

――大沢さん、大野さん、小辻さんは、今回出演が決まった際の率直なお気持ちはいかがでしたか? オファーのきっかけや、出演を決意された決め手について教えてください。

小辻:僕はもともと名古屋に住んでいて、30-DELUXさんの名古屋公演を何度か観劇させていただいていました。出演のきっかけは、清水さんから直接お電話をいただいたことです。「殺陣をやってみたいです」とお話ししたら、「ぴったりな役がある」と言ってくださり、今回の役をお受けしました。その後で、過去の公演映像を観たのですが、今まで観てきた30-DELUXさんのどの作品よりも殺陣の量がえげつなくて(笑)、初めてなのに大丈夫かな、と不安な気持ちにもなりました。それに主演を務めさせていただくのも初めて。いろいろな不安はありますが、自分にしかできない三四郎もあると思っているので、(大野)ヒロ君と一緒に頑張りたいです!

大野:僕は高校演劇からお芝居を学び始めたのですが、当時学校に清水さんが教えに来てくださったことがありました。『オレノカタワレ』も、生で観劇しているんです。その時に客席から観ていて、そのパワーやエネルギーがものすごくて。凄まじい殺陣も含めて「これは大変な作品だ」と感じていました。それから十何年か経って、まさか自分がその作品で主演をやらせていただくことになるとは考えもしませんでした。身が引き締まる思いです。生で観劇して、その大変さを知っているからこそプレッシャーもあります。でも、あの頃に観ていた作品に出演できることはすごく光栄です。必死に頑張りたいです。

大沢:僕のきっかけは、元光GENJIの佐藤アツヒロ君が昨年出演していた『デスティニー』を観に行ったことでした。終演後、ロビーで清水さんにご挨拶をさせていただいたのがご縁の始まりです。その後も連絡を取り合っていたのですが、「ぴったりな役がある」とお話をいただきまして。ただ、演劇に4年半のブランクがあったので正直初めはビビりました。ここ数年は少し調子を崩していたこともあって舞台のオファーをお断りしていた経緯もあり、ご迷惑をおかけするのではないかという不安もあったんです。そんな中で、今回の時枝幸一という役が今までにやったことのない非常に“適当な男”で面白そうだなと。元々お笑いなども好きですし、新たな自分を開拓できるんじゃないかという思いが湧きました。最後は喫茶店で2時間ほどお話しした際の清水さんの熱い“圧”に背中を押されて出演を決めました(笑)

――清水さんから見て、大沢さん、大野さん、小辻さんの3人を起用された背景や、それぞれの魅力・期待されているところはどのような点でしょうか?

清水: 大沢さんはアッくん(佐藤アツヒロ)を介してご挨拶させていただいたのがきっかけです。思っていた以上に情熱的で熱い方でしたし、本当にお人柄に惹かれてご一緒したくなりました。舞台ブランクを気にされていましたが、運命的なご縁を感じています。

大野さんは、うちの劇団員の栗原樹がミュージカル『テニスの王子様』で共演しているので、栗原から大野さんはどういう子か?と情報を聞いて興味を持ったのが最初です。交渉しようと事務所を調べたら、たまたま彼のマネージャーが僕の古い知人。「久しぶり!」と盛り上がり、出演が決まりました。後から僕が教えに行っていた学校の生徒だったことも分かり、人の繋がりを感じています。

小辻さんは、彼が以前所属していたアイドルグループが個人的に好きで、ライブもよく見に行っていたんです。グループ解散のタイミングで人伝に連絡先を聞いて、直接電話したときに「今後どうするの?」と聞いたら「東京に行きたい」と話していました。それで、三四郎役を探していた時に彼の持つ華やかな雰囲気がぴったりだとオファーしたんです。殺陣の経験はありませんが、アイドル活動で培った根性と体力があれば一緒に乗り切れると信じています。

◆日本刀を使った殺陣で和の文化の美しさやドラマ性を伝えたい

――今回それぞれが演じられる役柄について、どのように捉えていらっしゃいますか? 台本を読み込んで見えてきた役の深みや、演じるうえで意識したいポイントをお聞かせください。

大沢:脚本を読み込んでいく中で、主演2人の「カタワレ」という関係性の熱さやシュールさ、そしてラストの展開の深みを感じました。私が演じる時枝幸一は、劇団座長の兄で、とにかく適当をモットーに生きているどうしようもない男です。ただ、よく読み込むと「適当を演じているのではないか」「過去に何かを背負っているのではないか」と思えてきて。ただふざけた奴ではなく、裏側や重厚感を持たせたいと考えています。映画『ロッキー』に出てくるセコンドの男のようなイメージですね。若手のみなさんのエネルギーを吸い取りながらパワーに変えていきたいです。

大野:僕が演じる三四郎が人に影響されて変わっていく人間ドラマにすごく共感できます。三四郎は血筋では「サラブレッド」的な背景を持つ役で、自分自身とは違っています。だからこそ本人ならではの感情や視点の違いを丁寧に膨らませていきたいですね。ジョーとの関係性やアクションも含めて熱量を作っていきたいですし、昔、高校生の時に客席から清水さんのパワーを感じたように、観に来てくださる方に何かを与えられるお芝居をしたいです。

小辻:物語には生まれてから死ぬまでの三四郎の人生全てが描かれていて、すごく素敵だなと感じました。劇中で三四郎が「自分より父親の方が座長に似合っている」と悩むシーンがあるのですが、僕自身も最初に座長・主演と聞いた時「まとめられないし僕でいいのか」と不安になったので、そこはすごく共感できています。三四郎が乗り越えていったように、僕も最終的に「いい座長だった」と感じてもらえるよう、稽古も本番も頑張りたいです。

――今作における殺陣やアクションの位置づけ、こだわりについて教えてください。

清水:うちの殺陣は、一手一手になぜその動きをするのか言語化し、理由付けをしていく「アクションプレイ」が特徴です。隙があるから狙う、それを避けるといった細かい理由に、感情やセリフを乗せていきます。また、今回は日本刀を使った殺陣なので、和の文化の美しさやドラマ性を伝えたいです。本能寺の変や忠臣蔵など、劇中劇ごとに多種多様な殺陣の表現が変わっていく面白さも楽しんでいただきたいですね。

大沢:殺陣稽古を見ていて「俺は出る幕がない」と思いました。幸一役はストレートプレイ寄りなので、ホッとしているくらい。

清水:実は演出家から大沢さんの見せ場として殺陣のシーンも作る方向で進んでいます。

大沢:本当に? 幸一の性格的には「お前、代わりにやっておけよ」みたいな、キャラですよね。

清水:本当です。私と同じ役なので、大沢さんも限界ギリギリまで追い込んでクオリティを上げていきます(笑)。イメージシーンで実は幸一も殺陣ができるんだというギャップを見せたい、という演出上の要望ですから。

――これは楽しみが増えましたね。大野さんや小辻さんは殺陣についてどのように感じていらっしゃいますか?

大野:殺陣は……とにかく必死です。一手一手の意味、どこを守りたいからどう動くか、みたいなところから教えてもらってやっています。そこが、理解すると感情も乗せやすくなりますね。三四郎の一生を描く中で、後半の戦いではボロボロになりながらも魅せられるよう、気持ちを持って練習に励みます。

小辻:実は今日がまさに、僕の稽古初日なんです。前作の映像の殺陣が凄すぎて、もはや笑えてしまったくらいなのですが、ずっと刀を使った本格的な殺陣をやってみたかったので楽しみでもあります。

清水:小辻さんはダンスが上手。BTSさんみたいなパキパキッとした動きにルーツがあるそうなので、その経験を活かして、まずは振りから覚えて、一手一手の意味を後から落とし込んでいこうと言っていただいています。そのあたりの基礎がある大野さんは、芝居から教えていこうかと。2人へのアプローチは変えていくつもりです。

――『オレノカタワレ』にちなんで、皆様にとっての「これがあるから自分でいられる」「自分を満たしてくれる」ような、カタワレと呼べる存在はありますか?

大沢:ここは「妻」っていうのがキレイですよね。夫婦でいればいろいろありますし、それなりに気も遣いますが、気遣いができなくなったら終わりですから。お互い気遣いながら、丸く、うまく一緒に生活しています(笑)。あとは、やっぱり舞台において頼りにさせていただいている清水さん。そして、SNSでも書かせていただいたのですが、何より「ファンの皆様=オレノカタワレ」ですね。

小辻:僕は、本当にきれいごとを言おうとしているわけじゃなく、本当に「母親」がそういう存在です。2日に1回くらい電話をするくらい仲が良くて、舞台も毎回見に来てくれます。母とは友達みたいに何気ない話や遊びに行ったりできる時間があるからこそ、一番自分でいられるなと感じます。

大野:僕は、「千葉ロッテマリーンズ」です! ロッテの勝敗に自分のコンディションがかなり影響されます。ロッテは長年正規のリーグ優勝ができていなくて……そういう存在だからこそ愛おしいですし、ロッテが頑張っていると自分も引き上げられる感覚があります。シーズン中は一喜一憂させられていますね。……あれ、他の皆さんに比べてちょっと弱い?(笑)

清水:僕は、最初は劇団員って言おうかと思ったんですが、「30- DELUXを愛してくれるキャスト、スタッフ」でしょうか。僕はこれまで、大手3つのテーマパークで働いてきました。そんな自分の経験を融合させたような独自の作風を、この先50年、100年と続けていきたいので、このカンパニーを愛してくれる仲間たちと魂を込めて作品を作っていきたいです。

――最後に、公演を楽しみにされているみなさんへメッセージをお願いします。

小辻:僕のファンの方にとっては2.5次元とはまた違う新しい演劇を見てもらえる機会だと思いますし、どの世代の方が観ても絶対に面白いと言ってもらえる作品にします。ぜひ劇場でお待ちしております!

大野:アクションはもちろん、カンパニーが持つ圧倒的なパワーとエネルギーを感じてほしいです。今作はWキャスト構成でチームごとに全く違った面白さや見え方があるので、その違いも楽しんでいただけたら嬉しいです。

大沢:この作品は劇中劇があることによって「劇中で演じられるお芝居」も観ることができる、まさに一粒で二度三度とおいしい舞台です。お客様に楽しんで喜んでいただけるよう、キャスト一丸となって作っていきますので、ぜひ足を運んでください。

清水:劇場ロビーでの盛り上げから、日替わりネタ、毎公演異なるアフタートークなど、毎日来ても飽きないテーマパークのようなライブ空間をお届けします。劇団の熱気や殺陣の面白さをぜひ体感しに来てください!

(取材・文:宮崎新之)

 30-DELUX NEXT STAGE THEATER『オレノカタワレ〜紅蓮の章〜』は、9月26日〜10月4日東京・シアターグリーン BIG TREE THEATER、10月10日〜12日大阪・近鉄アート館、10月24日・25日愛知・東別院テラスホール、10月28日・29日埼玉・プラザイースト ホールにて上演。
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