
日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。監督の実体験から生まれた、いとおしさあふれる感動の実話。
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『私たちは、ちょうどいい。』
評点:★3.5点(5点満点)
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優しい映画の中で提示される「しょうもなさの極致」
孤独で、自己評価が低く、いろいろなことがうまく行っていない(あるいは「何もうまく行かない」「うまく行くはずがない」と思い込みがちな)若い女性が、たまたまSNSで父親のアカウントを探したところ、同姓同名の見知らぬおじさんと知り合ってしまうことから物語は始まる。
全くいいところがないというか、「だめな男」という概念を凝縮したかのような父親と違い、ネットで知り合ったおじさん(ジョン・レグイザモ)は優しく誠実で、かつ興味深い人だったので、主人公は彼の中に「父親像」を見るようになる。
一方、おじさんはおじさんでさまざまな過去があり、とある事情で心が壊れてしまった妻を支えることを優先して自分のことは後回し、という暮らしを送っていたのだが、一通のメッセージを通じて主人公と知り合ったことが彼にも変化をもたらすことになる。
ティア・ジャーカー(お涙頂戴)的な要素を多分に含む映画だが、主人公を演じるバービー・フェレイラとレグイザモのきわめて説得力の高い演技に引き込まれる。
優しい映画で、大した悪人も登場しない中、実の父親が世のしょうもなさ(悪ではない)を一身に背負わされているのも映画の傾向として面白い。
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STORY:幼い頃に母に捨てられ、父とも疎遠になったリリーは、ある日、SNSで父を捜し始める。だが、父と思って友達申請を送った相手は、父と同姓同名の見知らぬ男性だった。やがてふたりには特別な友情が芽生えていく
監督・脚本:トレイシー・レイモン
出演:バービー・フェレイラ、
ジョン・レグイザモほか
上映時間:102分
全国公開中

