「何年も勝てなかったけど、勝智さんに恩返しができた」Astemo塚越が4年ぶり勝利に涙。耐えて繋いだルーキー野村

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2026年09月20日 22:00  AUTOSPORT web

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トップチェッカーを受け感極まる塚越広大(Astemo HRC PRELUDE-GT) 2026スーパーGT第6戦SUGO
 地元宮城の営業所や工場からAstemoの大応援団が詰めかけるなか、その声援に応えるかたちで17号車Astemo HRC PRELUDE-GTが今季初勝利を飾った。同車でコンビを組む塚越広大と野村勇斗にとっては、それぞれスーパーGTで4年ぶりとキャリア初の優勝。両ドライバーの目線で9月20日に行われた第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝を振り返るとともに、喜びの声をお届けする。


■「序盤で抜きたいと考えていた」と野村勇斗

 シリーズ参戦2年目となる2026年にホンダ/HRC陣営のGT500ドライバーに抜擢され、ルーキーとして最高峰の舞台で戦う野村。プレリュードGTで迎えた6戦目での初優勝に、「もう率直に最高にうれしい」と頬を緩めた。

 約1カ月前に行われた第5戦鈴鹿ではポールポジションを獲得しながらも、決勝で惜しくも同門の16号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTに敗れ2位となっていた。

 ルーキーイヤーでの勝利について、プレリュードGTの躍進が始まった第4戦富士を経て「チャンスはある」と感じていたという野村は、「やはり前回が2位ということで、しかもポールスタートからだったので余計に悔しさがありました。『今回こそは勝ちたい』という気持ちが強かった分、勝ててすごくうれしいです」と語った。

 前半のスティントを担当した野村は、セーフティカー(SC)先導によるレース開始から5周目に実質的なスタートが切られると、その直後から首位の64号車Modulo HRC PRELUDE-GTに迫っていった。しかし、近づきこそするものの攻略には至らず、反対に3番手スタートの19号車WedsSport BANDOH GR Supraにオーバーテイクを許してしまう。

「可能であれば序盤で抜きたいと考えていたのですが、64号車のペースも速かったため、抜くまでには至りませんでした」と、自身のスティントを振り返った野村。

「結構マネジメントをしていたのですけど、途中からタイヤが厳しくなってきてしまって……。苦しい状況ではあったのですが、なんとか3番手で堪えていました」

 この第6戦SUGOでは、GT500クラスの複数車両がタイヤのグレイニング(ささくれ摩耗)に悩まされたが、野村によるとAstemoもその1台だったようだ。

 相方の塚越から事前にアドバイスを受けたという野村は、「昨年もそういう傾向があったと聞いていたので、とくに最終コーナーで気をつけるようにしていたのですが、それでもマネジメントが難しかった」と語った。

「最終の右コーナーで負荷をかけすぎないようにしつつ、ピックアップも付かないように走るのはすごく難しい作業でした」


■4年ぶりの勝利に感極まった塚越広大

 GT500ルーキー野村の走りを“先輩”塚越は、「非常にいい走りをしてくれた」と評した。その塚越はレース前半に入ったSCの解除と同時にピットインしたAstemoに乗り込むと、ライバルをアンダーカットするかたちでピットイン組のトップに浮上。52周目にGT500マシン全車のピットインが完了するとレースリーダーとなった。

 およそ50周にわたって実質首位の座を守り、そのままトップチェッカーを受けた塚越は、自身のスティントを次のように振り返った。

「誰かと競っていたというのはないですけど、逆に言うと相手との差を随時チェックしながら自分のペースと、仮想敵、そして理想の自分との戦いという感じでした」

「タイヤのマネジメントが非常に重要だったので、とにかく『タイヤをしっかりと保たせなきゃいけない』ということだけに集中していました」

 さらに塚越は、フィニッシュまで想定どおりの走りができたかという質問に対し、「仮に後半、他のクルマに追われたとしてもプッシュできるようにと考えながら走っていましたし、そういう余力を残した状態で最後まで行けたのかなとは思います。だから、今回はしっかりと仕事できたんじゃないかと思います」と胸を張った。

 勝利を引き寄せたように見えたアンダーカット戦略については、「作戦面をどうするかは、僕はあまり気にしなかった」という塚越。「前半、野村君が非常にいい走りしてくれていたし、いろんなインフォメーションがあるなかで、それを参考に後半の走り方などを気をつけていけました」

「今日は何よりクルマが良かったので、こちらとしてはタイヤをケアしながら走ることに集中できました。それが本当に勝てた要因だと思います」と、ここでもタイヤを安定して作動させる走りの成果を強調していた。

 Astemo応援団が陣取るグランドスタンドの前にクルマを停め、優勝マシンから下車した塚越の目には光るものがあった。

「皆にいいレースを見せられて本当によかった」と述べた塚越は、「やっぱり何年も勝てなかったことですね」と、感情が高ぶった理由を説明した。

「勝たなきゃいけないドライバーとして結果を残せてない時期があるなかで、自分としてもそうですし、チームとしても見せないといけないものがありました。そういうところでまず、(チーム監督である金石)勝智さんに対して恩返しというかお礼ができた。それが一番大きいかなと思います」

 今回の勝利でAstemoの塚越/野村組はGT500ドライバーズランキングで7位から2位に急浮上し、今戦でも4位に入り選手権リーダーの座を守った坪井翔/山下健太組(au TOM’S GR Supra)を追いかける急先鋒となった。

 残るレースは3つ。チャンピオン争いに向けた展望を聞くと、「通常とはまたちょっと違う状況でのシーズンエンドというか、後半戦になると思いますが、僕にとっては次のオートポリスも比較的得意なほうだと思います」と、塚越は自信を覗かせた。

「ここまでは本当に17号車のレースでしっかりと積み上げてきたものが結果に繋がってきています。なので、きちんとそこらへんを崩さず、しっかりと腰を据えて戦うことが大事なのかなと思います」

 鈴鹿での2位に続く優勝で、このシーズン中盤に大量ポイントを獲得したAstemo HRC PRELUDE-GT。ランキング首位から13ポイント差の2位に浮上したベテラン×ルーキーコンビの活躍が、シーズン後半の戦いをより面白くしてくれるかもしれない。

[オートスポーツweb 2026年09月20日]

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