Prime Videoの新作映画『ラブ・ハイポセシス』(9月23日より独占配信開始)主演のリリ・ラインハート 映画やドラマと観客が出会う大きなきっかけとなっているSNS。その影響力について、映画『ラブ・ハイポセシス』(9月23日よりPrime Videoで独占配信)で主演と製作総指揮を務めたリリ・ラインハートが、「それだけ大きな力を持っているから怖い」と率直な思いを語った。
【動画】『ラブ・ハイポセシス』オフィシャル予告編 リリが取材に応じたのは、ドイツ南部のバイエルン・アルプスで開催されたPrime Videoのヤングアダルト(YA)作品の大型イベント「オブセスト・リトリート:クラス・オブ’26」。各国のキャストやクリエイター、メディアが集まった同イベントでは、『ラブ・ハイポセシス』の試写や上映後Q&A、インタビューが行われた。
アリ・ヘイゼルウッドのベストセラー小説を実写化した本作は、博士課程の学生オリーヴ(リリ)と、威圧的な教授アダム・カールセン(トム・ベイトマン)が、思いがけないキスをきっかけに偽装恋愛を始める物語。
オリーヴは、自分が思いを寄せていたジェレミー(ニコラス・デュヴァネイ)を親友のアン(レイチェル・マーシュ)も好きだと知る。彼への思いを断ち切ったことを証明しようと、偶然近くにいたアダムに衝動的なキスをしてしまう。そこから始まったのは、ルールと境界線に基づいた互いに都合のいい偽装恋愛だった。しかしその関係が進むにつれ、演技と現実の境界は次第に曖昧になっていく。
本作のプロモーションでは、SNSが大きな役割を果たした。アダム役をトムが演じることを発表した際には、リリとトムが顔を合わせ、握手を交わす動画をSNSで公開。リリによると、文字通り「ただ握手をしているだけ」の短い動画が一気に拡散されたという。
原作ファンがそれぞれに思い描いてきたアダムを誰が演じるのかは、映画化における大きな関心事だった。多くを説明することなく、主演の2人が初めて並ぶ姿を短い動画で提示したことで、情報が瞬く間に広がった。
リリは「今回の映画のプロモーションでは、SNSがものすごく役に立ちました」とその効果を認める一方、「SNSは怖いです」と本音も吐露した。
「それだけ大きな力を持っているからです。もちろん、良い面と悪い面の両方があると思います。映画についての情報を伝えるために、私たちはSNSをできる限り有効に活用しました。その意味では、とても優れたツールだと思います。多くの人が反応してくれるのも素晴らしいこと」と評価。ただ、自身はリアルな場で、「SNSで見せているものの、さらに奥にある映画の中身について話す方が好きかもしれません」とも語った。
SNS上で大きな注目を集めたトムは、どのようにアダム役に選ばれたのか。リリは同イベントの上映後のQ&Aで、オーディションについて語っていた。
今作で製作総指揮も務めたリリは、撮影開始の約1年前から映画化に深く関わっていた。原作ファンが明確なイメージを持つ人気キャラクターだけに、相手役となるアダムのキャスティングにも大きな責任を感じていたという。
トムが「完璧なアダム」だと確信した瞬間を尋ねられると、リリは茶目っ気たっぷりに答えた。
「身長が190センチあると知ったときですね。飛び上がるほどうれしかったです。『はい、採用!』って思いました(笑)」
もちろん、決め手は身長だけではない。リリはニューヨーク、トムはロンドンにいたため、2人の相性を確かめる読み合わせはZoomで行われた。そこで、物語の発端となるキスと、2人が寿司を食べながら会話する場面を演じたという。
それまでにも複数の候補者と読み合わせを重ね、同じ場面を繰り返すことに疲れ切っていたリリ。しかし、トムとの芝居では「このシーンを彼となら、あと50回でも繰り返したい」と思うほど、自然に呼吸が合った。
特に心を動かされたのは、アダムが大学時代の指導教授との過去を語る場面だった。
「そのとき、彼の瞳にかすかな光が宿ったんです。Zoom越しなのに、それがはっきりと見えて驚きました。画面越しに、彼が感情を高めているのが伝わってきたんです」
初対面かつオンラインという難しい環境でも、役に対するトムの熱意は十分に伝わった。
「この人なら、アダムの心の奥にあるぬくもりを表現してくれる。オリーヴと同じように、観客もみんな彼に恋してしまうはずだ」
スタッフ全員がそう確信し、Zoomを切った時点で「彼こそが私たちのアダムだ」と意見が一致したという。SNSでの“握手だけ”の顔合わせが注目を集める以前から、2人の間には、画面越しでも伝わる確かな相性が生まれていた。
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