タイヤ無交換で首位浮上も痛恨接触オリベイラ「飛び込んでこないだろうと」。BRZは3位に安堵も「勝つにはまだ足りない」

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2026年09月23日 15:30  AUTOSPORT web

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GT500車両を間に入れてトップを争うリアライズ日産メカニックチャレンジGT-RとSyntium LMcorsa LC500 GT 2026スーパーGT第6戦SUGO
 9月20日にスポーツランドSUGOで開催されたスーパーGT第6戦の決勝。GT300クラスでトップを争い最終的に2位となった56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと木村偉織、3位表彰台を獲得し2026年シーズン初入賞を果たした61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が、それぞれの戦いと今後の展望について語った。


■「タイヤ無交換しかない」決定済みだったリアライズGT-Rの奇襲

 チャンピオンシップリーダーとして第6戦SUGOを迎えたリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは、19日に行われた予選で惜しくもQ1を突破できず19番手から決勝を開始することとなった。

 スタートスティントを担当した木村は、「今回は本当にスピードが足りなくて、予選もそうでしたが普通にレースをしているだけでは上位進出は無理。SUGOは本当にオーバーテイクが難しいコースなのに、GT-Rはいまストレートもすごく厳しいので」と、サクセスウエイト98kg相当のハンデを背負った状態で戦う難しさを説明した。

 そんなリアライズGT-Rだが、レース中盤のピット作業で“タイヤを交換しない”という驚きの戦略を採ることでライバルたちを出し抜き、事実上のトップに浮上する。

「もうとにかく普通に戦っても駄目なので、『タイヤ無交換しかないよね』っていうのをスタート前から決めていました」と明かした木村は、昨年まで所属し同様の作戦を多用していたマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号での経験が活きたと語った。

「(サクセスウエイトの一部である)給油リストリクターの影響で給油時間が長くなるため、とにかく燃費をセーブして走りました。あとSUGOは最終コーナーが長い右コーナーで左側のタイヤがきつくなるというのはよくある話なんですけど、そういったところをケアしたり、とにかく自分にできることすべてをやりきったスティントでした」

 セーフティカー(SC)ランからのリスタートのタイミングでピットに飛び込み、チームメイトにバトンタッチした木村。このとき最後まで無交換で行ける手応えがあったかと問われた木村は、これを即座に肯定した。

「自信はありました。オリベイラ選手にとっては最後は本当にギリギリだったと思うのですけど、自分の昨年の経験からタイヤが保つという手応えはかなりありました」と木村。

「だから、それを信じて『このタイヤ保つから』と無線で伝えて、チームもそれを信じて、『オッケー、じゃあ無交換で行こう』と言ってくれたので、自分のフィードバックを信じてくれたチームに感謝したいです。また、ピットワークも本当に早く、ドライバーチェンジもすごく早かった。ピットイン組のトップに立てたのはそのおかげだと思います」


■痛恨接触のオリベイラ「GT500は飛び込んでこないだろうと思っていた」

 オリベイラも、「通常の戦略ではレースで上位に行けないことは分かっていた」と、今シーズンからコンビを組むチームメイトと同様の見解を述べ、予選日の夜に「運を天に任せる」こと、つまりタイヤ無交換作戦の決行を決めたと説明した。

 木村からリアライズGT-Rのステアリングを引き継いだオリベイラは、自身が担当した後半スティントを次のように振り返った。

「チームから『レースをリードしている』と知らされたときは、かなり驚いたよ。レースでは誰かのすぐ近くを走っていたわけではないから、他車とのスピード差を直接比較することはできなかったけど、タイヤをマネジメントしながらもラップタイムは良好だった。だからプッシュし続けて2位でフィニッシュすることができたんだ」

「とはいえ、今週末はペースに苦しんでいたから非常に苦戦した。だから、素晴らしいピットストップで僕たちを救ってくれたチームとヨコハマタイヤに本当に感謝している」

 終盤まで今季2勝目を目指してトップを走行していたリアライズGT-Rだったが、次第にポールシッターの60号車Syntium LMcorsa LC500 GTが差を詰めてきていた。そんな折にハイポイントコーナーでGT500車両と接触するアクシデントが起きてしまう。

「トップを維持するために全力を尽くしていた。自分のペースが落ちていた終盤に60号車がペースを上げてきているのは分かっていた。そのため非常に厳しい状況になり、トラフィックを利用してアドバンテージを保とうとしていたんだ」と、オリベイラは当時の状況を説明した。

「SUGOではそうしたことが起こり得る。非常にコース幅が狭い場所もあるからだ。僕は後ろにいたGT500クラスのマシンは飛び込んではこないだろうと思っていたんだけど飛び込んできた。そして接触を喫し、僕はコースオフを余儀なくされてしまった」

 最悪の場合は、この時点でレースを終えることになっていたかもしれない状況のなか、幸いにもリアライズGT-Rは2番手でコースに復帰し、その後も走行を続けることができた。結果、オリベイラ/木村組はランキング首位を維持しただけでなく、2番手以下のライバルに20ポイント以上の差をつけることに成功している。

 オリベイラは今後の戦いに向け、「毎週末ジョーカーを引くのは難しい。実際には不可能だ。今日は運を天に任せ、それが味方してくれたが、もっとペースが必要だ。不足している予選ペースを改善しなければ、最終的に深刻な痛手となる。したがって残りの3レースに向けて集中しなければならない」と気を引き締めていた。


■新パッケージの引き出しを探るSUBARU BRZ R&D SPORT

 一方、今季2026年からEG33型ベースのニューエンジンへと載せ替え、新しいパッケージとなったSUBARU BRZ R&D SPORTは、ここまで決勝レースで苦戦が続いていたなか、待望の初入賞を3位表彰台獲得というかたちで達成した。

 今シーズンも井口卓人とともに61号車をドライブする山内英輝はレース後、「とりあえずほっとしてます」と率直な胸の内を語った。

 山内は、「欲をかけば60号車や56号車の前でゴールしたかったな、とは思いますけど、でも今のパッケージになって初めてこういうふうに戦えたのは、僕たちにとっては今後のデータとしてもすごく活きてくることだと思います」と自信になった様子。

「本当にこうなってくると視野も広くなってくると思いますし、落ち着いていろいろな対応ができると思うので、もう一回皆と作り上げて、優勝を目指して頑張りたいです」

 レースでは優勝したSyntium LC500や2位となったリアライズGT-Rにおよばなかったものの、決勝でのスピードや強さが戻ってきたように見えたSUBARU BRZ R&D SPORT。この復活劇の裏には鈴鹿戦後のテストで確認した大幅な変更があったという。

 今回手応えを得られた要因について山内は、「セットアップの変更がやっぱり大きかった」と語った。「鈴鹿は全然ダメで、今回もフィーリング的にはちょっと鈴鹿に近いものはあったんですけど、ただそこよりはタイムの落ちなどが少なかったので、タイヤの負担という部分でも、自分たちがやってきたことがすごくいい方向に進んでいるのかなと思います」

 山内はさらに、「(第5戦翌日の月曜日に)鈴鹿のテストで初めてそれをやって、すごく感触が良かったんです。正直、テストじゃないとここまで大幅にできないようなポイントを大きく変えたので、それがすごくいい方向に進んだ結果が今回の3位に繋がっているように思います」と続けた。

 BRZの新しいパッケージでは、まだまだ見つけるべき部分があると言う山内は最後に、「今後はベースが今回のセットになっていくと思いますが、全体的にはまだ勝つためにはちょっと足りていません。そこを補うためには何が必要かっていうところを、もう少し見つめて次に活かしていきたいと思います」と、次戦以降に向けた展望を語った。

[オートスポーツweb 2026年09月23日]

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