尾上松緑「十数年の経験を出せるように」 悲劇の武将平知盛を14年ぶり 中村時蔵と10月歌舞伎座

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2026年09月25日 04:00  日刊スポーツ

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「錦秋十月大歌舞伎」で上演する「義経千本桜 渡海屋・大物浦」について語った中村時蔵(左)、尾上松緑

尾上松緑(51)中村時蔵(38)が24日、都内で、「錦秋十月大歌舞伎」(同2〜20日、東京・歌舞伎座)第3部で上演する「義経千本桜 渡海屋・大物浦」の合同取材を受けた。


歌舞伎3大名作の1つ「義経千本桜」の中でも、平家の武将平知盛を描いた人気の場面。14年ぶり3回目となる、銀平実は知盛をつとめる松緑は「この十数年でいろいろな経験をさせていただきましたので、そういうものを出せるようにつとめたいですし、2回目の時とは違ったものを出せれば。(父の)初代辰之助、(祖父の)2代目松緑にどこか近づければいいなと思って、まずそれを一番念頭に置いてつとめたい」と話した。


碇知盛と呼ばれるように、碇とともに海に飛び込む壮絶な最期が知られている。松緑は「眼目の1つですが、そこにいくまでに白けてしまわないように、緊張感をつなげていきたいです」とした。


時蔵は、典侍(すけ)の局は3回目だが、前回はコロナ禍で、配信での上演だったため、観客の前でつとめるのは11年ぶりとなる。「大きな世界観に負けないようにつとめたい。歌舞伎座のように間口の広い劇場でこそ世界観が広がる作品」と魅力を語った。


共演は多い2人だが、松緑の知盛、時蔵の典侍の局の配役は初。松緑が「時蔵さんが典侍の局をしてくれるのはとてもありがたい。役の上で心配は一切ありません。言わなくても伝わる。非常に信頼しています」と言えば、時蔵も「一番信頼していると言っても過言ではない。お芝居のことも含めて一番お話ししています」と応じた。


演目の魅力について松緑は「非常にドラマチックで、展開の多いお芝居。日本を代表してお客さまに喜んでもらえる悲劇の1つ」、時蔵も「滅んでいくものに対する美意識が凝縮されたお芝居。大好きな狂言です」と話した。


また、活躍著しい長男辰之助(20)について聞くと、松緑は「思い返せば、私が知盛を初役でやった時、安徳帝が息子だった。片言で『知盛さらば』と言ってた人が、歌舞伎座で大きな役をさせていただけるようになった」と感慨を語り「彼の力で歌舞伎の大地を踏みしめていくと思います」と話した。


時蔵も長男梅枝(10)について聞かれると「歌舞伎役者になると仮定して」とした上で「挫折を何度か繰り返して、謙虚でいなきゃいけないんだなっていうことを学んでいく。役者としてというよりも、人間としてきっちり育ってほしいと思います。うまくなってほしいと思ったことは1度もございません。元気に一生懸命やってくれればそれで構いません」と話した。

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