
取材・文:ミクニシオリ 撮影:渡会春加 編集:中納俊/マイナビウーマン編集部

体調が悪いけど、忙しくて病院には行けない……そんな時、ドラッグストアで手軽に手に入る医薬品に助けられたことがある人は多いはず。
アリナミン製薬といえば、カラダと頭の疲労回復におすすめの「アリナミンV」などの栄養ドリンクや、有名CMでお馴染みの「ベンザブロック」など、誰もが知る医薬品の開発・販売を行う製薬会社。同社が、緊急避妊薬(アフターピル)や排卵日予測検査薬などの女性のための医薬品を、ドラッグストアで処方箋なしに購入できるよう尽力してくれていることを、あなたは知っていますか?
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今回お話を聞かせていただいたのは、そんな同社で排卵日予測検査薬「ハイテスターH」や、日本でも市販化が解禁された緊急避妊薬『レソエル72』などのマーケティングを主幹している、ハイキャリア女性。3度の育休を経て、今もキャリアを積み続ける先輩女性は、何を見据えているのでしょうか。
■仕事の責任と達成感を学んだ20代。ライフステージの変化を重ねて、管理職として復帰!

ーーまずは、登本さんのご経歴を教えてください。
新卒でマーケティングコンサルティング会社に就職し、約7年半化粧品メーカーのクライアントさんと一緒に、リサーチ〜商品開発まで行ってきました。2010年にアリナミン製薬株式会社(当時は前身の武田薬品工業株式会社)に転職し、3回の産休・育休を経てヘルスケア事業に約15年、従事しています。
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ーー転職のきっかけはあったのでしょうか?
20代は本当に忙しく働いていたので、連日未明にタクシー帰りしては住んでいたマンションの階下にあったコンビニで、夜でも飲めるノンカフェインのアリナミンにお世話になる日々でした。働き方も含めてキャリアチェンジを検討する中で、自分自身が培った強みや一生活者としての志向性からヘルスケア業界に絞って転職活動しました。
ーーアリナミン製薬株式会社といえば、OTC医薬品を中心に幅広いヘルスケア製品を展開する業界大手メーカー。前職と比較して、働き方や仕事内容にどんな変化がありましたか?
まず驚いたのが、とてもメリハリのある働き方だったこと。当時はまだフレックス制度導入前で定時退社される方も多く、平日の夜に自分の時間を持てることが新鮮でした(笑)。
あとは、事業会社ならではの組織の大きさにも驚きました。前職では、事業会社のマーケ担当の方を窓口にやり取りしていましたが、いざ自分が自社のマーケ担当者になってみると、1つのブランド業務を推進するにあたっても、多くのステークホルダーの方々と一緒に商品開発していくことになるんです。同じマーケ職でもそれは大きな変化でした。
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ーー前職よりも大きな組織で働かれることになった中で、育児休暇も取得しながらキャリアを繋げていくことは大変ではありませんでしたか?
最初の育休は30代前半の頃でしたが、育休後のキャリアは全く見えていませんでした。当時は待機児童もピークで、保育園に入れなければ会社を辞めるしかないような状況で。自分の身体の変化も、家族が増えた時の環境も分からない状態で、とにかく手探りでしたが、キャリアの不透明感より先に、自身や子どもの健康のためにがむしゃらでした。

ーーでは、育休後のキャリアは後から自然に決まっていったのでしょうか。
最初は漠然と時短勤務での復帰を考えていたのですが、その頃にはフレックス制度が導入されていたので、家族や周囲の先輩方にも背中を押されながら、フルタイムで復帰しました。お世話になっていた女性の先輩から「自分の限界を自分で決めずに、ダメだったらその時に考えるのでも遅くないよ」と声をかけてもらったことで、前向きになれましたね。
ーー実際、やってみてなんとかなったからこそ、その後も産休・育休を取られているということですもんね。
その通りです。最初の1回目は手探りで怖かったけれど、体調のことも、子育てのことも、感覚を掴めてからは仕事とのバランスの取り方も分かるようになっていきました。3回目の育休復帰後は、夫の単身赴任もあってほぼワンオペでしたが、コロナ後だったのでテレワークも浸透していて、管理職として仕事復帰することができました。
ーーワンオペ体制での管理職昇進に、不安はありませんでしたか?
もちろんありました。働きやすい環境を整えてもらっているとはいえ、どうにもならない時があるだろうと。上司や組織にも率直にその不安を伝えました。ですが上司やメンバーも「全力でカバーする。まったく心配いらない」と言ってくれて、その言葉に本当に背中を押されて、昇進を決意することができました。
ーー管理職になってから、働き方は変わりましたか?
会議が増えたり、忙しい時間帯が変わったりと変化はありましたが、自己裁量が大きくなった分、子育てとの両立もしやすくなった気がします。
■携わった商品がきっかけとなって……「多くの女性に、より多くの選択肢を」という思い

ーー現在の主な仕事や、担当商品についても教えてください。
排卵日予測検査薬「ハイテスターH」や、日本でも市販化が解禁された緊急避妊薬「レソエル72」など、フェムケアブランドのマーケティング、部門全体の消費者リサーチ業務を主幹しています。
ーー排卵日予測検査薬や緊急避妊薬はもともと、病院で受診しないと購入できなかった医薬品ですよね。
医師の処方箋が必要だった医薬品を、市販薬として処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できるよう、スイッチOTC商品の開発販売を行うのも、弊社の大切な事業の一つです。
排卵日予測検査薬も、緊急避妊薬も、本来は女性にとって非常に大切な選択肢です。しかしリサーチを進めていく中で、病院を受診することに高いハードルを感じている人が一定数いること、そもそもカテゴリーとしての認知が低いなどの課題があることが分かりました。
ーーだからこそ、働く女性にとって、こういった選択肢が身近に増えることは非常に大きな助けになっていると思います。
スイッチOTC商品の開発は非常に大規模なプロジェクトで、社内外多くのステークホルダーと一緒に開発を行っていくことになるので、なかなか体験できない貴重なお仕事だと思っています。
発売後、実際に商品を手に取ってくださった方からのご意見を見てみると「これがないと」というお声もあって……今は多くの女性に、必要なときに、必要な医薬品を手に取っていただくことが、自分にとっての働きがいにもなっています。
ーー今すぐに必要というわけではなくても、こういった選択肢が用意されていることそのものに、勇気づけられる女性もいるでしょうね。
仕事があって急には病院に行けないという時でも、街の薬局・ドラッグストアで必要な医薬品を購入できるのが、OTC医薬品の大きなメリットです。薬剤師さんや登録販売者さんからお薬の説明してもらえますから、安心して利用していただけると思います。
ーー自身が関わられた商品が世の中に送り出される時、どんな気持ちになりましたか。
商品を世に送り出す時はいつも、子どもの成長を見守るような気持ちです。どちらの商品も売り出しの際にはとても緊張しましたが、「社会的意義がある」という反応を多くいただき、本当にうれしかったです。弊社の主力商品である「アリナミン」や「ベンザブロック」などと同じく、生活のインフラとして受け入れていただけたことを、感謝しています。
■前例がないなら、つくればいい。女性の未来を変える「新しい選択肢」を、これからも

ーー社会にインパクトを与えるお仕事に携われている中で、今後のキャリアや目標をどう見据えられていますか。
私の場合、キャリアはもう折り返し地点を過ぎています。そのタイミングで「ハイテスターH」や「レソエル72」など、社会的意義が感じられる商品に関われたことに大きな喜びを感じています。最初は自分自身、役に立てるのかどうか自信が持てなかった領域でしたが、今は、より多くのフェムケアカテゴリーに関わり続けていくことが私の目標です。
ーー発展が著しいフェムケア・フェムテックの分野に対し、今後どのように向き合っていきたいですか?
「ハイテスターH」の時も「レソエル72」の時も、社内では前例がありませんでした。だけど多くの人が関わって実現できました。世の中の多くの女性からの需要があったからこそ、前例のない商品開発を実現できました。
日本の女性にニーズがあるのに、届けられていない商品がまだまだ多くあると思っています。私たちにサポートできる部分もきっとまだあるはずです。ヘルスケアの知見を積み重ねてきたアリナミン製薬だからこそつくれる、「明日の元気を変えていく」商品を、これからもつくっていきたい。その事例を、私たちがつくっていきます!

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