7号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング) 2026年WEC第6戦富士 9月26日、静岡県の富士スピードウェイではWEC世界耐久選手権第6戦の予選とハイパーポールが行われる予定だった。しかし、朝のフリープラクティス3から降り続いた雨は、予選開始時刻にはさらに強まり、LMGT3の予選セッション開始直後にフェラーリ296 GT3エボがターン2でクラッシュ。そのまま予選とハイパーポールのセッションはキャンセルとなった。
27日に行われる決勝のスターティンググリッドは、フリープラクティス1〜3を通したベストタイムで決定されることとなり、ドライコンディションで行われたFP2のタイムにより36号車アルピーヌA424がポールポジションを獲得。トヨタレーシングの2台のTR010ハイブリッドは、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車が8番手、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組の7号車が13番手から6時間の決勝レースをスタートする予定だ。
終日ドライで行われた金曜日のセッション後は、パフォーマンス面での厳しさを口にしていた可夢偉と平川だったが、FP3の雨ではどんな感触を得ていたのか。そして、予選キャンセルはどんな想いを抱いたのだろうか。
■「普通には勝てない」
予選キャンセル後の夕方、可夢偉は記者団の取材に対し、「雨は思ったよりも調子が良かったです」とFP3のウエットセッションを振り返った。可夢偉は雨量の多いFP3序盤にステアリングを握っていた。
「アストンマーティン(・ヴァルキリー)はぶっちぎりで速かったですけど、たぶんその次くらいにはいられた。そう考えたら、悪くないと思いますね、全体的に。ウエットはそれなりに走れたな、というところであって、ドライになると、ちょっといろいろなところの差が出てくるな……というのが本音です」
そのドライでのFP2の結果により13番手スタートが決まっている7号車としては、雨の予選は「やりたかった」と可夢偉。
「うまくいけばトップ集団くらいで予選を終えられていた可能性はあるな、と個人的には思っています。13番手ってほぼ後ろなので……。まぁこれもレースなので、この中で(決勝では)しっかりと上げればいい」
決勝日は曇り予報であるものの、変わりやすい『富士ウェザー』ということもあり、「結構、行き当たりばったりになるんじゃないですか」と可夢偉。「雨が絡み出すとレースは荒れるんじゃないかなと思っています」ということで、荒れた展開にも勝機を見出したい構えだ。
一方、8号車の平川も、朝のセッションでは序盤を担当。「最初、(FP3直前の)サファリでタイヤをいろいろと試したりとかして感触が良かったんですけど、FP3始まって雨が降ってきてからは、ちょっとトリッキーになった感じでした」と、雨中のフィーリングはそこまで良くなかったようだ。
「タイヤをどう使うかとか、いろいろと試して分かったことがあったので、そこはポジティブだったかなと思いますけど……ドライとウエットであまり相対的な順位が変わらないな、というのは正直なところではあったかなと思います」
8号車は雨のFP3、そしてその後予選に向けて大きくセットアップを変更していたとのことで、「予選ではそれがどう出るか、若干不安でした」という。
「あとは(予選をやっていたとしたら)タイムを出した次の周に雨が止んで……みたいな(タイミングに左右される)可能性はあったと思います。こうなることを想定して、昨日タイムを出しに行っておいたのは良かったですね」
今季はピットタイミングを周囲とオフセットし、セーフティカーなどを絡めて上位進出するレースも多いトヨタレーシングだが、パフォーマンス面で不利な状況に置かれている富士でも、決勝でのストラテジーは重要になってきそうだ。
「戦略は生き物なので、レースの状況とか、バーチャルでどこにいるか、GT車両がどこにいるか、あとはタイヤの状況とかもいろいろ考慮して決めています。どこでどうやるかはまだ分かりませんが、そうやらないと、普通には勝てないなと思っています」と平川は表情を引き締める。
「(クルマは)基本的なものは変えられませんが、細かく詰めていって、ドライバーとしてミスを少なく、トラフィックを処理しながらも攻められるように、かつタイムの落ちも減らせるように取り組んでいます」
的確な状況判断とミスのないクリーンなレースが、上位進出の鍵となりそうだ。
[オートスポーツweb 2026年09月26日]