
ゲームを題材にした映画「SEKIRO:NO DEFEAT」の追加公開が決定しました。当初は9月4日からの3週間限定公開を予定していた本作ですが、10月2日以降に全国の劇場で順次上映される他、2027年1月よりテレビアニメ全8話の放送も決まりました。ただ、映画についてはSNSなどでネガティブな評価もよく目にします。ボクも見に行って、その理由を確かめてきました。
原作ゲームは、フロム・ソフトウェアの「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」。この連載でも以前、難易度が高くて何度も主人公が死んでしまう“死にゲー”の1つとして紹介したことがあります。そのアクションは、敵の攻撃をタイミングよく弾くパリィが主体。前回取り上げた「鬼武者」など、いわゆる“パリィゲー”の代表的な1本です。
それだけに映画を酷評する声が多いのは、ちょっと意外でした。ネットの意見を見ると、原作改変部分の評判が悪いようです。確かに平均クリア時間が約30〜50時間のゲームの内容を2時間のアニメにまとめていることもあり、内容がかなり削られていて、人気キャラクターや名台詞の一部が登場しません。削られたキャラの中には映画公開前のPVに登場していたのに……というパターンもありました。また映画に登場した人物のキャラ改変などもあり、ファンの不満の原因になっているようです。
ストーリーや演出面にもネガティブな意見がみられます。原作を端折ったストーリーは結果的に若干分かりにくい部分があり、ゲームを知らない人は混乱するかもしれません。演出面では、特にBGM関連に違和を感じる場面が所々あり、とくにクライマックスでの挿入歌が流れるシーンにはボクも正直テンションが下がってしまいました。
|
|
|
|
さらに9月25日、Xに投稿されたプロデューサーのメッセージから意外な事実が判明します。それは、今回の映画が、テレビシリーズに向けて作られた映像の編集版であったこと。いわば不完全なものだったという事実を後で知らされたことで、一部ファンは怒り心頭です。なるほど、PVに登場したキャラが映画に出ていなかった理由が分かりました。
ただ、実はボクは今回の映画の内容が、原作を改変していること自体にはかなり好意的で、映画そのものにも大満足でした。SEKIROのストーリーの大きな柱の1つに「竜胤」という力に悩む少年・九郎と、彼に仕える忍・狼の主従関係があるのですが、今回の映画は、この2人の関係を描くことに注力していました。
特に九郎の心情や人物の描写は、ゲームにはないオリジナルシーンを追加しながらかなり丁寧に描いており、狼との関係性をより深く知ることができました。これらの描写のおかげで彼らにより感情移入できたボクは、鑑賞中に不覚にもホロリときてしまいました。
マンガやゲームの映画化の際に不安要素として必ず挙がるのが原作改変についてですが、個人的にはその目的がはっきり伝わる改変は大好物です。映画の制作陣が原作をどう捉え、表現しようとしているのかを見るのは、イチ表現者の端くれとしてもすごく楽しいです。
テレビシリーズの編集版であったことにはボクも驚き、ちょっと戸惑いました。この映画の宣伝の仕方は、かなりマズかったと思います。それでも、こういった良改変に出会えるのも映画の面白さだな……と、今回のSEKIROを見て改めて感じたのでした。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。