表彰台で渾身のガッツポーズを見せた平川亮(8号車トヨタTR010ハイブリッド/トヨタ・レーシング) 2026年WEC第6戦富士 9月27日(日)、静岡県・富士スピードウェイで行われた2026WEC世界耐久選手権第6戦『富士6時間耐久レース』の決勝レースが行われ、トヨタ・レーシングの8号車トヨタTR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)が総合優勝をあげた。レース後に記者会見で、平川亮がレースを振り返るとともに勝利の喜びを語った。
8番手からスタートした8号車トヨタは、ブエミがスタートドライバーを務め、ハートレー、平川とつないで6時間レースを戦った。途中、給油量をセーブする戦略も駆使し、表彰台圏内を伺う動きも見せたが、残り1時間に差し掛かるまでは中団でアストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム)やキャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)とポジションを争っていた。
そんななか迎えた残り1時間のタイミングで、LMGT3クラスのマシンが大破するクラッシュが発生。これで即座にセーフティカー(SC)が導入されると、残り45分ごろにピットレーンがオープンとなり、ほぼ全車が一斉に最後の作業に取り掛かった。
この一斉ピット勝負で、8号車陣営は給油量を抑えて最速級の作業を見せ、総合首位でコースに復帰することに成功。8号車トヨタのラストスパートは平川が担当し、残り20分でレースが再開されると、2番手のドリス・ファントールが乗る15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)とのギャップを離す展開に持ち込んだ。
ただ、15号車BMWを抜いた36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)を駆るビクトール・マルタンスが猛追を開始。残り10分を切る最終盤にはテール・トゥ・ノーズとなり、どちらが前でチェッカーを受けるのか、サーキット中の注目が集まるバトルが展開された。
最後には平川の8号車トヨタが0.591秒差でトップチェッカーを受け、見事母国レースを勝利で飾った。これで8号車トヨタのドライバーはポイントランキングで単独首位に浮上している。レース後に平川は、記者会見で最終スティントを次のように振り返っている。
●平川亮(8号車トヨタTR010ハイブリッド/トヨタ・レーシング)
「リスタートは非常に難しい状況でした。コースは湿っていて路面状況が変化しており、さらにタイヤも冷えていました」
「そのなかでも幸運だったのは、前方に周回遅れのBMW(20号車)が走っていて、それがペースの目安になったことです。それに、もう1台のBMW(15号車)が自分のすぐ後ろでアルピーヌ(36号車)をブロックしてくれていたことも分かっていました」
「とはいえ、かなりのプレッシャーを感じていました。ブレーキングポイントに近づくにつれ、いろいろなことが頭をよぎり、『一度でもタイヤをロックさせたら、すべてを台無しにしてしまうかもしれない』と思っていました」
「ペース自体はそれほど速くなかったですが、それでもマシンの感触自体は良かったですし、しっかりとコントロールできていました」
「最後の数周は確かに緊張しましたが、チームメイトが無線で的確なフィードバックをしてくれ、『どこでブロックすべきか』『いつプッシュすべきか』といった情報を共有してくれたことが助けになりました」
「最後の数周は、自分だけでなくチーム全員が勝利を掴み取ろうと必死に戦っていましたし、サポートしてくれたチームには本当に感謝しています。嬉しいですね」
──最後にマルタンスと繰り広げたバトルについて教えていただけますか?彼を抑え続けるのは、どれほど大変でしたか?
平川:「アルピーヌの方がペースが良いことは分かっていましたから、とにかくプッシュして様子を見るしかありませんでした」
「ターン1(GRコーナー)やターン10(ダンロップコーナー)でのハードブレーキングには自信がありましたが、セクター3では彼らの方が速そうだとミラー越しにも分かりました」
「ですから、彼がダイブしてくる(インに飛び込んでくる)可能性をつねに警戒し、いつでも対応できるよう備えていました」
「もちろん、最後のバトルではこのコースでのこれまでのレース経験も役に立ったと思います。タイムをロスすることなくプッシュしたり、あるいはディフェンスしたりすることに、落ち着いて取り組めていましたから。結局のところ、経験がかなり大きな助けになりましたね」
[オートスポーツweb 2026年09月27日]