優勝したセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組(トヨタ・レーシング/8号車トヨタTR010ハイブリッド) 2026年WEC第6戦富士 9月27日、WEC世界耐久選手権の2026年第6戦『富士6時間耐久レース』の決勝が行われ、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車TR010ハイブリッドが、劇的な逆転勝利を挙げた。
週末の総入場者数が7万2326人を記録した“ホームレース”において、トヨタ・レーシングは富士での通算10勝目を達成し、マニュファクチャラーズ選手権での首位リードを23ポイントに広げている。
予選が悪天候中止となったため8号車は8番手、姉妹車でマイク・コンウェイと小林可夢偉、ニック・デ・フリースが駆る7号車TR010ハイブリッドは13番手からのスタートを迎えた。7号車は序盤に起きたタイヤのスローパンクチャーや35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)との接触にともなうスピンに見舞われたうえ、フルコースイエロー中の速度超過ペナルティを受けて後退してしまう。
また、8号車もレース開始4時間経過時に007号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム)に接触されてスピンを喫するなど、両車ともに厳しい展開を強いられた。
勝負の分かれ目となったのは、LMGT3車両のクラッシュによってレース残り55分で導入されたセーフティカー(SC)だった。エンジニア陣はバリア修復による中断の長期化を的確に予測し、それを見越した給油を実施しつつタイヤ交換を行わない戦略を選択した。
これにより、残り20分でレースが再開された際、平川がステアリングを握る8号車が首位に躍り出る。雨が降り出す難しいコンディションのなか、平川は激しいプレッシャーを跳ね返し、最後は36号車アルピーヌをわずか0.591秒差で抑え切ってトップチェッカーを受けた。
この勝利により8号車のブエミ/ハートレー/平川組は、シーズン残り2戦となった時点でドライバーズ選手権の首位に浮上。また、8位でフィニッシュした7号車のコンウェイ/可夢偉/デ・フリース組も首位と10ポイント差のランキング2位につけている。
WECの次戦となるシーズン第7戦は、10月18日にカタロニア・サーキットで開催されるバルセロナ6時間レースだ。
●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)「富士での勝利は私たちにとって非常に重要です。まずは、この勝利を成し遂げたチーム全員、そして素晴らしいレースを戦い抜いた8号車のクルーにお祝いを送りたいと思います。誰もがこのために懸命に取り組み、最後まで戦い続けました」
「7号車にとっては少し厳しい一日となり、充分にクリーンなレースができたとは思っていません。全体的にペースもやや不足しており、常に追い上げる展開となったことが、今日のレースを物語っていたと思います」
●マイク・コンウェイ(7号車)「8号車にとって素晴らしい結果となった。最後のピットストップでの見事な判断によってライバル勢の前に出ることができたし、この勝利にふさわしい走りだったと思う。心から祝福したい」
「チームとしても今日は貴重なポイントを獲得し、ホームのファンの前で勝利を挙げることができた。ホームのファンの前で勝てるのは、いつでも特別な気持ちになるものだ。7号車については、ペナルティによって上位争いから脱落してしまった。その結果、ドライバーズチャンピオンシップでは少し後退することになったが、まだ残り2戦ある。ふたたび首位に立てるよう全力を尽くすよ」
●ニック・デ・フリース(7号車)「チームにとって素晴らしい結果になった。トヨタ・レーシングのホーム、日本で勝利できたことを本当にうれしく思う。チーム全員にとって大きな誇りになると思う」
「7号車としてもポイントを獲得することはできたが、もちろんもっと良い結果を期待していた。振り返れば違う展開になったかもしれない場面や、もっと良くできた部分もあったと思う。しかし、それがレースだ。今はチーム全体の素晴らしい勝利を祝い、この素晴らしい一日をみんなで喜びたい」
●セバスチャン・ブエミ(8号車)「ここ最近の勝利の中でもとくに印象的な勝利のひとつだ。レース終盤に入った時点では、まったく想像もしていなかった勝利だっただけに本当に誇りに思う」
「チームは最後のピットストップで素晴らしい判断を下し、そのおかげでライバル勢の前に出ることができた。本当に見事な戦略だったと思う。そして、(平川)亮が難しいコンディションのなかでミスを犯すことなく、後続を抑え続けてくれた。すべてを含めて本当に素晴らしい勝利だった」
●ブレンドン・ハートレー(8号車)「信じられないようなレース展開とホームでの勝利だった。亮が母国レースでトップチェッカーを受けたことを本当にうれしく思う。この喜びはしばらく続くと思う」
「絶対的な速さではライバルに及ばない場面もあったが、着実なレース運びとコース上でのミスのない走り、そして終盤の見事な戦略によってホームでの勝利を手にすることができた。チームのみんなに心から感謝したい」
●平川亮(8号車)「ファンの皆さんの前で表彰台の頂点に立てたことを本当にうれしく思います。もちろん、常に優勝を目指して戦っていましたが、最後のセーフティカーが導入されるまでは、勝利は難しい状況だと思っていました。チームは戦略面で素晴らしい仕事をしてくれました。この勝利はチーム全員のものです」
「最後の数周は本当にプレッシャーが大きかったです。路面コンディションはとても難しく、アルピーヌとの差は急速に縮まっていました。それでもうまく対処することができました。とくに富士で勝てたことを本当にうれしく思います。とても特別な気持ちですし、世界選手権にとっても重要な勝利になりました」
[オートスポーツweb 2026年09月27日]