今季も“絶対王者”として君臨してきたノルベルト・キス(レヴェス・レーシング/MAN)が、あらゆる意味で最速のドライバーであることを証明 シーズン最終戦を残し、9月25〜27日にフランスはル・マンのブガッティ・サーキットで開催されたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第6戦では、今季も“絶対王者”として君臨してきたノルベルト・キス(レヴェス・レーシング/MAN)が、あらゆる意味で最速のドライバーであることを証明。週末初戦の土曜レース1で勝利し、自身が持つ最多記録を更新する8度目のチャンピオンを決めると、日曜は自身が継続中のポールポジション獲得記録をさらに伸ばすとともに、圧倒的な強さで連勝し今季の勝利数を『18』としている。
フランスが誇る名門サーキットで開催された『24 Heures Camions(カミオン24時間)』の一環として、今季第6戦を迎えたETRCだが、初日から攻めの走りを披露したディフェンディングチャンピオンは、昨季2025年に自身が記録した予選ベストタイムの2分04秒322を上回る、2分04秒213というレコードタイムで初日の“指定席”を奪取。この時点でキスはレース1を2位以上でフィニッシュすれば、前人未到8度目のETRCチャンピオンを手にする圧倒的優位を築き上げた。
「もちろん、気温が低い早朝の方がラップタイムを更新しやすいものだが、今回のパフォーマンスには満足している」と自らの土曜ポールアタックを振り返ったキス。「FP2では赤旗中断など慌ただしい場面もあったが、セットアップを煮詰めることができ予選も上手くいった。セッションごとに改善を重ね、ミスを最小限に抑えて非常に良いラップをまとめることができたよ」
そのままレース1に挑んだ絶好調のハンガリー出身チャンピオンは、ETRCの“帝王”であるヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/IVECO)や、女性トップドライバーであるシュティフィ・ハルム(チーム・シュヴァーベン・トラック/IVECO)らを従え「最高の気分だ」と、もやは凱旋ランのような雰囲気を作り上げ、2026年王座確定のチェッカーを迎えた。
「チーム全員を誇りに思うし、ここに参戦する機会を与えてくれたオーナーのバーリント・レヴェス代表に深く感謝している。チームはシーズンを通して懸命に働き素晴らしいトラックを用意してくれたし、どのレースでも速さを発揮でき、彼らのおかげで僕の仕事はつねに少し楽なものになっていた」とタイトル防衛の新王者。「毎週末、着実にリードを広げていき、ついにこの地で、勝利とともにタイトルを確定できたことをとても誇りに思っている」
続くレース2こそリバースグリッドのポールポジションから粘り抜いたホセ・エドゥアルド・ロドリゲス(ロボコノート・レーシング/MAN)に勝利を譲ったが、明けた日曜予選はキスがまさに王者と呼ぶにふさわしい走りを見せ、セッション後には「もっと速く走れたはずだ」と2分03秒820という驚異的なタイム更新を果たした。
「レーストラックは気温や路面状況に非常に敏感なんだ」と、シケインでのブレーキングが遅すぎたと本人が認めたにも関わらず、レコード更新の状況を説明したキス。「今朝は好タイムを出すのに絶好のコンディションで、それを上手くまとめ上げられた。ほぼ完璧なラップで最後のセクター入り口にあるシケインで小さなミスをしてしまったが……まあ、コンマ1秒ほどロスしたかもしれないが、良いタイムでレコードを更新できたこともうれしいね」
開幕から負けなし、今季12回目のポールシッターとなったキスは、ここからもお得意の“スタイル”でレース3を制覇すると、続くリバースグリッドのレース4でも、反転8番手から前方のトラック集団を薙ぎ払う勢いで18勝目に到達。最終戦を待たずしてチーム部門のタイトルも確定させた。
「最初のレース3は彼(ヨッヘン・ハーン)のスタートがあまりに早かったし、僕にはフライングのように感じられた。その後、ヨッヘンが順位を譲ってくれたので、彼自身も同じように感じていたのだと思う」と続けたキス。「レース4は前方で少し混乱していて、ライバルたちのミスにも助けられたし、簡単に抜けた場面もあった。それでもリバースグリッドのレースで勝つのは非常に難しいことで、チームタイトルを勝ち取れたことを本当にうれしく思う」
「もちろんプレッシャーからは解放されたが、気を緩めるつもりはない。最後まで攻め続けるし、ドライバーの価値は直近のレース結果で決まる。ハラマは僕が大好きなサーキットで、過去には素晴らしい……そして重要な勝利をいくつも挙げてきた相性の良い場所だ。そこでも全力を尽くし、週末を最大限に楽しみ、今季の成功を味わいたいと思っている」
チャンピオンの言葉どおり、スペインのマドリードで10月3〜4日に開催される『39th Grand Prix de España(第39回スペイン・トラック・グランプリ)』にて、2026年ETRCの最終第8戦が争われる。
[オートスポーツweb 2026年09月28日]