2026年F1第15戦アゼルバイジャンGP エステバン・オコン(ハース) ハースが2026年F1第15戦アゼルバイジャンGPで、第6戦モナコGP以来9戦ぶりとなるポイントを獲得した。しかも、エステバン・オコンが8位に入っただけでなく、オリバー・ベアマンも9位と2台そろって入賞した。
今回のハースのダブル入賞はレース中盤に発生したアクシデントが味方したことは確かだが、決して幸運だけで手にしたものではない。後半戦に入って投入したアップデートがバクー市街地サーキットで最適化できていたことも忘れてはならない。
開幕戦から3戦連続でポイントを獲得していたハースが、モナコGPを最後に入賞から遠ざることとなった要因は、第5戦カナダGPに投入したアップデートが想定していたとおりの性能を発揮できなかったことにある。
「シーズン序盤は非常に好調なスタートを切りましたが、モントリオールに投入したものが、特定の領域でのパフォーマンスでは性能が向上していたものの、期待通りの成果をすべて発揮できていませんでした。さらにその後、開発の方向性に関しても本来進むべき方向へ進んでいないことが判明しました。つまり、そこで私たちはいくつかのミスを犯してしまったのです。私たちのような(小規模な)チームにとって、そうしたミスを修正するのは簡単ではなく、解決するまでに非常に長い時間を要してしまいました」
小松代表は、前半戦の好不調をそう振り返った。
そのハースが浮上していくきっかけとなったのは、第13戦イタリアGPに投入したアップデートだった。
「モンツァで導入したアップグレードは、本当に大きな前進でした。そのアップグレードで、自分たちの仮説や想定が正しかったこと、行った作業が問題を正しい方法で解決していることを証明したという点で自信につながりました。単にマシンのダウンフォースを増加させただけでなく、ドライバーがそのダウンフォースを活かせるような開発が実現できました。これは本当に明るい材料で、チームの全員に大きな自信を与えたと思います。今後は同じ過ちを繰り返さないよう努めると同時に、そのパフォーマンスをより早くマシンに反映させたいと思います」
イタリアGPではベアマンが予選12番手。続く第14戦スペインGPではベアマンがフリー走行3回目にクラッシュしたのが響いて予選でアタックできなかったが、クラッシュするまでは好調な走りを披露していた。そして、アゼルバイジャンGPでは予選11番手。Q2で10番手のフランコ・コラピント(アルピーヌ)とのタイム差はわずか0.092秒だった。
予選9番手のカルロス・サインツ(ウイリアムズ)がペナルティを受けて5グリッド降格となったため、ベアマンはトップ10からスタート。前半はポイントを争うポジションでレースを進めていた。
一方、13番手からスタートしたチームメイトのオコンは12周目に後方から追い上げてきたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にかわされて、入賞争いから遠のいてしまう。転機となったのは30周目にひとつ前の13番手を走行していたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がクラッシュしたことだ。これで13番手に上がっただけでなく、セーフティカー導入されて35周目に再スタートが切られると、この再スタート直後の1コーナーでコラピントがピエール・ガスリー(アルピーヌ)に接触し、さらにランド・ノリス(マクラーレン)を巻き込む多重事故を引き起こす。これで、ハースは2台そろってポイント圏内に浮上することに成功した。
チェッカーフラッグ直前にオコンはアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)に抜かれたものの、今シーズン自己最高位となる8位でチェッカーを受け、4ポイントを獲得。ベアマンも9位に続き、2台そろって入賞を果たした。ハースのダブル入賞は今シーズン初めてで、2025年ラスベガスGP以来17戦ぶりだった。
レース後、小松代表はチームを次のように称えた。
「今日のダブル入賞は、みんなの懸命な努力が実を結んだ素晴らしい結果であり、長い間待ち望んでいた結果です。厳しい状況にあっても、チームが一丸となれば、問題を解決し、マシンを改善できることを示しました。マシン自体の競争力はまだ改善する余地がありますが、運営面での改善に取り組んできました。今週末、マシンは競争力をしっかりと発揮していました。これは、全員が完璧な仕事をした証です。チームの全員を本当に誇りに思うと同時に、彼らを心から祝福したいです」
[オートスポーツweb 2026年09月29日]