
盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第39回は、後輩たちを連れて飲みに行ったときの話。
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この間、人生で初めて、後輩3人を連れて4人で飲みに行ったんです。
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芸人の世界では、ごはんを食べに行くとき、後輩のぶんを先輩がすべておごるという習慣があるから、もうドキドキしましたよ。「いったいどんな金額になるんだろう」って。
今まで、後輩とふたりで飲むことはあったんですけど、それでも8000円とか9000円になるので、4人で行くって考えたらもう不安で不安で。
しかも、行こうって話をしていたお店がちょっといいお店だったんです。僕はそこにおごってもらう立場でしか行ったことがなくて、おごる立場で行くのは初めてだったから、金額の想像がつかなくて。「もしかしたら6万円超えるかも?」とか考えたら、体から血の気が引いていきましたよ。
このままだと何も食べてないのにゲー吐くんじゃないかって思いました。「もう飲みに行くのキャンセル界隈になって断っちゃおうかな」とも一瞬よぎりましたね。
そんな中、飲みに行く前日に劇場の仕事があって、約束していた後輩のひとりと偶然会ったんです。
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そこで僕が何げなく、「そういえば最近、焼き鳥食べてないから、久しぶりに食べたいわ」と言ったら、後輩も「僕も焼き鳥好きです!」と言っていて。「これは節約のチャンスかも」と思いました。
先に焼き鳥屋で飲み食いしておなかを満たしてからいいお店のほうに行けば、節約できるんじゃないか、と。もちろん焼き鳥が食べたいのも本心ですけどね。
そして約束の当日、18時頃に劇場近くで待ち合わせて、男4人でお店に向かいました。その日は8月でしたが、夕方には少しぬるめの風が吹いていました。
それまでずっと暑い日が続いていたので、ぬるい風でも涼しく感じたんでしょうね。「今日はそんなに暑くないなあ」って後輩たちに言ったら、「顔にめっちゃ汗かいてますやん」とツッコまれました。
そこで前日に話していた焼き鳥の話をして、まず1軒目に焼き鳥屋へ行き、その後当初から予定していたお店に行くことになりました。
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焼き鳥屋では飲んで食べて、仕事の愚痴を言って楽しい時間を過ごしました。
そして21時半頃に焼き鳥屋を出て、次のお店に向かって歩いてるときに「夜になるとけっこう涼しいなあ」って後輩たちに言ったら「まだ顔に汗かいてますやん」とツッコまれました。
そこそこおなかはいっぱいだったんですけど、結局2軒目のお店でもハンバーグとか、シマアジのお造りとか、サツマイモの天ぷらを食べました。
サツマイモの天ぷらは衣がサックサクで中はしっとりタイプのサツマイモ。噛むと表面に振った塩のしょっぱさとイモの甘さが混ざり合って、なんとも言えない甘じょっぱさが口の中に広がっていくのでめっちゃ好きなんですよ。
さて、気になるその日の飲み代ですが、2軒行ってトータル3万7000円でした。6万円を超えると思っていたので、「めっちゃ安いやん!」と思いました。「もしかしたら僕は節約の天才なんじゃないか?」って。
ただ、冷静になると、3万7000円ってけっこうな金額ですから、全然節約の天才ではないんですけどね。でも不思議なもので、一度6万円を払う覚悟をしてからの3万7000円は、ものすごく得した気持ちになりました。
まあ、たまには後輩たちにごちそうして、いろんな話をするのもいいもんですね。これからちょくちょく先輩風吹かせていこうかなあ。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
撮影/梅田幸太

