
変動型住宅ローンにも利上げの影響
日本銀行(日銀)は、9月の金融政策決定会合で利上げを行い、政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。今回の利上げを受けて、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、変動型住宅ローン金利の基準にもなる短期プライムレートを11月2日から年2.375%から年2.625%へ引き上げると発表しました。
ただし、住宅ローンの適用金利がいつ上がるかは銀行や契約によって異なります。政策金利が0.25%上がったからといって、翌月から返済額が一律に増えるわけではありません。
金利が0.25%上がると返済額はいくら増える?
例えば住宅ローン残高3000万円、残り30年、元利均等返済で、金利が年1%から年1.25%へ上昇したとします。返済額を単純計算すると、毎月約9万6500円から約10万円となり、月約3500円、年間では約4万2000円増えます。年1.5%まで上がれば毎月約10万3500円となり、年1%と比べると月約7000円、年間では8万円を超える負担増です。
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「5年ルール」があれば安心?
変動型住宅ローンには、金利が上がっても毎月の返済額を5年間変えない「5年ルール」を採用している商品があります。さらに、5年後の返済額をそれまでの125%までとする「125%ルール」が設けられている場合もあります。ただし、全ての住宅ローンにこの仕組みがあるわけではありません。また、返済額が変わらなくても、利息に回る割合が増え、元本の減り方が遅くなる可能性があります。「返済額が変わっていないから大丈夫」とは限らないのです。
固定金利へ変更した方がいい?
金利が上がると、「今のうちに固定金利へ変更した方がいいのでは」と考える人もいるでしょう。ただし、固定金利は変動金利より高いのが一般的です。例えば三井住友銀行の2026年9月の新規住宅ローンでは、金利引き下げ後の変動金利が年1.325〜1.525%なのに対し、10年固定は年3.70〜4.45%です。
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これだけ金利差があると、「日銀が利上げしたから」という理由だけで固定金利へ変更すると、当面の返済負担が大きく増える場合があります。
また、金利タイプの変更では金融機関によって手数料がかかる場合もあります。金利差だけでなく、変更費用も確認しておきましょう。
まず「あと1%上がったら」を計算する
変動金利で借りている人は、現在のローン残高、残りの返済期間、適用金利を確認しましょう。そのうえで、金利が現在より0.5%、1%上がった場合に返済額がいくらになるかを計算してみます。毎月の返済額が2万円増えても余裕がある家庭と、5000円増えただけで家計が厳しくなる家庭では、対応も変わります。本来、住宅ローンは、支払金額や年数などある程度の余裕を見込んで組む必要はありますが、既に組んでしまった方は現状を直視するしかありません。
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※住宅ローンの金利や金利見直し時期、5年ルール・125%ルールの有無は金融機関や契約によって異なります。返済額の試算は住宅ローン残高3000万円、残り30年、元利均等返済、ボーナス返済なしとして計算した概算です。三井住友銀行の金利は2026年9月の新規借入時の公表金利を参照しています。
文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
(文:田代 昌之(金融文筆家))
