年間4レースを残した段階で、アシュリー・サットンが前人未到5度目のチャンピオンを獲得/BTCC第9戦

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2026年10月01日 16:31  AUTOSPORT web

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アシュリー・サットン(NAPA Racing UK/フォード・フォーカス・チタニウム)が今季9勝目を挙げ、シリーズ史上初となる前人未到5度目のチャンピオンに輝いた
 今季タイトル争いで独走体制を築いてきた選手権首位のシリーズ“4冠”王者、アシュリー・サットン(NAPA Racing UK/フォード・フォーカス・チタニウム)が、まさにBTCCに於ける“History Maker(歴史的偉業の達成者)”に。

 序盤から新型アウディS3サルーン勢が猛威を振るったBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第9戦シルバーストンにて、全3ヒート中の2レース目にいつもの完璧なスタイルを披露。この今季9勝目により、シリーズ史上初となる前人未到5度目のチャンピオンに輝いた。

 前戦クロフトでキャリア通算55勝目を挙げ、歴代勝利数でも単独5位に浮上したサットンが、じつに115点の大量リードを築いて乗り込んで来た9月26〜27日の第9戦では、同シリーズに参戦する40年以上ぶりの日本人ドライバーとして川島修の起用が決定。リッキー・コラードの代役としてチーム・ヴァーチュ(Team VERTU)のシートを獲得し、ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンスのステアリングを握った。

「現代のBTCCで日本人初のドライバーとしてレースをする機会を得られたことに非常に興奮しています。この機会を実現し、テストでも私をサポートしてくれたEXCELR8の皆さんに感謝の意を表したいと思います」と、シリーズの前身ブリティッシュ・サルーンカー時代にスポット参戦した、高橋国光以来の日本人英国最高峰挑戦となった川島。

「以前イギリスでジネッタのレースに参戦していた際、いつかBTCCに出場することを目標に掲げていました。当初の予定より時間は掛かりましたが、すべての条件が整い、ついに夢が実現することになりました」

 今季チームのリザーブも務めていた57歳の川島だが、今回のスイッチはコラードがシーズンを完走するために必要な予算を確保できなかったことを受けてのもの。そのコラード自身は会場に帯同し川島をサポートするコーチ役を務めたが、今季すでに7回の表彰台を獲得し、ランキング4位につけるファン人気も高いドライバーだっただけに、川島にとっては厳しい条件下でのBTCCデビューとなった。

 そんななか走り出しを迎えた週末は、旧カタクリーン・プラト・レーシングのダニエル・ロウボトム(CPRL/メルセデスAMG A35サルーン)が2戦連続のFP最速を記録したが、予選に入るとLKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・パワー・マックス・レーシングが躍進。マイキー・ドーブル(アウディS3サルーン)がグループ2で新たなラップレコードを樹立し、決勝レース1のスターティンググリッドを決定する15周の予選レースにおいて最前列のポジションを確保した。

 この『レース・トゥ・ポール(Race To Pole)』でも、ドーブルが予選グループ1で最速だったダリル・デ・レオン(WSR/BMW 330i M Sport)からの激しいプレッシャーを抑え切り、日曜最初のポールポジションを手にする。

 勢いそのまま明けた日曜レース1に挑んだドーブルは、シグナル消灯と同時に僚友エイデン・モファット(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・パワー・マックス・レーシング/アウディS3サルーン)に首位の座を奪われたが、このアウディ艦隊はそのままの隊列で後続集団を大きく引き離していく。

 しかし先頭でレースをコントロールしていたモファットは、複数回のトラックリミット違反により5秒のタイムペナルティを科され、ドーブルが前戦クロフトのレース3に続く連勝を飾ったかに見えたが、チーム側の異議申し立てにより違反超過の5秒加算が覆りお咎めなし。モファットの優勝が復活し、ドーブルとの1-2で今季11人目のウイナーとなった。

「まさに『明暗が分かれた』週末だった。土曜にマシンをトランポから降ろした際、その走りはまるでレールの上を走るかのように完璧だったんだ」と振り返ったドーブル。「自分ではシルバーストンを得意としていると思っているので、予選や『レース・トゥ・ポール』での結果には満足している。レース1ではスタートこそ完璧ではなかったけど、そこから挽回し終盤にはエイデンからトップを奪い返せるところまで迫れた。彼にはおめでとうと言いたい。週末を通して素晴らしい走りを見せていたからね」

 しかしこのレース1をトップ10圏外で終えていた選手権首位サットンは、残りわずか1ポイントを獲得すればタイトルが決まるという状況を作り出したうえ、ソフトタイヤとTOCAターボブースト(TTB)をフル活用できる条件でグリッド12番手へ。迎えたレース2は、まさに“無双”状態の新チャンピオンがワンマンショーを繰り広げる。

 オープニングラップにしてトップ8圏内に浮上したサットンは、全長2.639kmの短縮版ナショナル・サーキットにおいてフォーカス・チタニウムの強みを活かし、次々と前方のマシンを攻略。8周目にはレース1勝者モファットのアウディも鮮やかに仕留め、そのままレースリーダーのデ・レオンを追撃してBMWを瞬く間に捉えると、終盤インサイドから軽々と抜き去り独走状態で勝利を収めた。

 これで2週間後の最終戦ブランズハッチの3ヒート、そしてこの週末の最終レース3を残した段階で、サットンがBTCC史上最多となる5度目のドライバーズタイトルを確定させた。

「ようやく皆と同じ気持ちを味わうことができたね」と喜びを語ったサットン。「11シーズンで5度のBTCCタイトルを獲得してここに立っているというのは驚異的なことであり、成功率としても決して悪くないね。今日はソフトタイヤとブーストをフル活用して、まさに『アッシュ(Ash/自身の愛称)』らしいスタイルで決めたいと思っていた。終始アタックモードでトップに立ってからも攻め続けたんだ」

 これでNGTC規定を活かしたFR駆動のスバル・レヴォーグGT(2017年)と、同じくFRのインフィニティQ50BTCC(日本名:V37型スカイライン/2020年、2021年)、そして前輪駆動のフォード・フォーカスSTにスイッチしての2023年に続く、他を寄せ付けない偉業を成し遂げた。

「正直なところ、まだ言葉が見つからないほどだ。家族がここにいてくれることは特別だし、チームもまたひとつの家族のような存在だ。彼らは僕が大好きなことを続けられるよう尽力して​​くれており、そのことに心から感謝している」

 週末最終ヒートは「厳しいシーズンで不運も多かっただけに、こうした結果が出ると、その喜びもひとしおだ」と語ったトム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)が、7月のスラクストン戦以来となる今季3勝目を飾ったが、タイトル防衛はならず。続くブランズハッチのGPレイアウトによる最終戦は10月11〜12日に争われる。

[オートスポーツweb 2026年10月01日]

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