さらば初期Windows on Arm 配信が始まったWindows 11「26H2」と次期「27H2」に向けた機能強化を考える

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2026年10月05日 06:11  ITmedia PC USER

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Windows 11 Home/Proのサポートライフサイクル

 以前、お伝えした通り、Windows 11最新の大型アップデート「26H2」の一般提供(GA:General Availability)が開始された。


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 既存のWindows 11ユーザーで定期的にMicrosoft Updateを適用しているユーザーであれば、累積アップデートの形で更新内容が蓄積されている。そのため、このGAのタイミングで配信される「eKB」(enablement Knowledge Base)を適用することで短時間での26H2への移行が完了するというのは、以前にも触れた通りだ。


 いわゆる“ローリングアップデート”形式で順次各ユーザーにeKBの配信が行われる形だが、レポートにもあるように手動でインストールも可能だ。ただしPCメーカーごとのハードウェア検証が完了しておらず、手動適用によって問題を起こす可能性も高いため、基本的にはWindows Updateで通知が行われるのを待つことをお勧めする。


 なお、この26H2は「24H2」から「25H2」まで続く「Germanium(ゲルマニウム)」のOSコアを搭載したバージョンの3番目にあたり、Germaniumシリーズの最終版にあたる。


 2027年にやってくるとみられる次期「27H2」ではOSコアが新しい世代へと入れ替わるため、eKBのような簡易アップデートは行われず、比較的大規模な“リフレッシュ”になると思われる。


 Windows 11のHome/Proエディションでは特定バージョンのサポート期限が配信開始後24カ月、Enterprise/Education/IoTといったエディションでは36カ月に設定されている。つまり、現在も24H2を利用している個人ユーザーは間もなくサポート期限が切れるので、26H2(もしくは25H2)への移行が必須だ。


●さらば“最初の”Windows PC向けArmプロセッサ


 Windows 11 Home/Proのサポートライフサイクルのページにアクセスすると、上記のようにバージョンごとのサポート終了日が記載されているが、そのトップページに気になる表記があることに気付くだろう。


 26H2が「Snapdragon 850」のSoCをサポートする最後のOSバージョンになるのだという。前述のように、OSコアが次期27H2のタイミングで切り替わるため、Germaniumコアを採用する26H2を最後にサポートされなくなるということを意味する。


 理由は不明だが、Snapdragon 850は2018年6月にCOMPUTEX TAIPEIで発表されたQualcommとしては初の「PC利用を意識してスマートフォンとは別系統でリリースされたSoC」であり、既に10年選手に近い。


 以前に、IntelのNehalem世代以降に導入された命令(POPCNT)への対応も含めてWindows 11サポートが切られた前例もあるが、おそらくは搭載メモリが4〜8GBクラスという現在ではかなり最低スペックに近いもので、プロセッサのパフォーマンスの厳しさやメモリ拡張ができないといった問題も考えられる。


 加えて、ハードウェアの古さからセキュリティ上の懸念もありサポート対象外とされた可能性がある。


 興味深いのは、別ページのWindows 11がサポートするArmプロセッサリストの中に含まれるSoC群は、Snapdragon 850を除いて対象外となっていることだ。


 Snapdragon 7c/8cは2019年後半の登場であり、時期的には近い。ただ、Snapdragon 850には注釈として「Devices with these CPUs may not be manufactured with Windows 11 pre-installed and may only be upgraded to Windows 11 by a customer.」という表記があり、同SoCを搭載したPCはWindows 11をプリインストールして出荷されたことがないというのが分かる。


 つまり、それ以外のSoCはメーカーが(当初はWindows 10をプリインストールして販売しながらも)後にWindows 11をプリインストールしたモデルを販売しているということだ。


 こうした理由もあり、2020年以前にリリースされたSoCについても一応はサポートを継続し、SoCの提供開始から少なくとも10年程度、おそらくは27H2かその次の世代くらいまではサポートが行われるのかもしれない。


 というわけで懐かしの写真集となるが、COMPUTEX TAIPEIでのQualcommの発表イベントの模様を紹介したい。


 Windows RTとしてはNVIDIAの「Tegra」がPC向けSoCとして先行しているが、正真正銘のメインストリームWindows PC向けSoCを提供したのはQualcommが初となる。


 当初はスマートフォン向けの「Snapdragon 835」がWindows on Armとして提供されたが、Snapdragon 850は第2弾にあたる。


 一応、850の型番はモバイル向けには提供されておらず、その意味では初のWindows on Armの専用SoCだったと言えるだろう。ただ、当時はArm向けにコンパイルされたソフトウェアがほとんどそろっておらず、エミュレーション頼みでプロセッサ自身もピークパフォーマンスやマルチスレッド動作に最適化されていたとは言えず、「バッテリーは持つが性能はやや厳しい」という評価が多かったように思う。


 価格帯も、ミドルハイという形でIntelやAMDといった競合が出すメインストリームやエントリー向けの製品と比べると価格や性能面で見劣りするため、本格的な市場の受け入れにはもうしばらくの期間を必要とした。


●26H2での変更点と27H2について


 基本的に、25H2などを継続利用しているユーザーにとって、26H2は大きな変更点はない。メジャーアップデート(大規模アップデート)を標榜しつつ、実際にはマイナーアップデートに近い内容だからだ。


 ただ、「Windows K2」の改善プロジェクトを経て個々の機能はブラッシュアップが行われており、全体的にレスポンスが向上する改良が進められていると考えていい。


 また、これは26H2のアップデート内容というよりは25H2からの継続アップデートに近いものだが、大きなUI/UX上の変更点としてはタスクバーのカスタマイズがある。タスクバーの上下/左右配置に加え、サイズ変更が可能なようだが、Windows 10以前に比べると自由度が少なく、旧OSを使い込んでいたユーザーほど不満点が多いとみられる。


 このあたりも、じきに改善していくのかもしれない。レスポンス改善の一環か、スタートメニューのシンプル化なども特徴といえる。


 この他、見た目や操作面での大きな変更は、例えばNetflixのようなアプリがOOBE(初期セットアップ)時点でMicrosoft Storeを経由せずしてインストールできたり、Windows XP時代から存在するWindows Media Player Legacyのスキン変更機能がサポートされなくなったりと、ユーザーによっては恩恵を受けたりデメリットだったりする内容があるようだ。


 このように26H2全体で見れば細かい変更が多くあるが、全体に小粒という印象だ。しかし、次期27H2ではOSコアが刷新されるため、UI/UXはともかく、内部的には大きく変化するとみられる。


 以前にもレポートしたように、現在Windowsの最新開発ビルドはWindows Insider ProgramのExperimental Channel(Future Platforms)で2026年9月11日に配信されている「Build 29667.1000」だが、これは「Rubidium(ルビジウム)」の開発コード名で呼ばれる開発サイクルで作業されているものだ。


 Snapdragon X2シリーズやNVIDIA RTX Spark向けに提供されている26H1は「Bromine(臭素)」に属しており、現行のx86系プロセッサに提供されている26H2のGermaniumとは別系統となっている。


 最先端の開発ビルドは「Windows vNext」などの名称で呼ばれたりするが、この現在の2系統に分かれているOSコアは、27H2のタイミングで統合されるというのは前にレポートした通りだ。


 Windows Centralのザック・ボーデン氏によれば、27H2は「Strontium」(ストロンチウム)ベースのOSコアになるという。


 ストロンチウムは原子番号38のアルカリ土類元素で、カルシウムに近い性質を持つとされる。Microsoft内部ではWindowsの開発サイクルとして「1セメスター」(Semester:6カ月)単位でコードベースを管理しており、26H1に相当する期間はBromine(Br)、26H2に相当する期間は本来はKrypton(Kr)が相当するが実際のリリースはGermanium(Ge)、27H1に相当する期間はRubidium(Rb)、そして27H2がStrontium(Sr)となる。


 ユーザー側には内部開発コードの名称はあまり意味を成さないが、どの開発サイクルのOSコアが採用され、現在使っているものから変更されれば内部は大きく変わる……という認識でいいだろう。


 結果として何が起こるのかといえば、前述のSnapdragon 850のサポート終了など、ハードウェアやプラットフォームの世代交代がこのタイミングになる可能性が高いということだ。


 現在、AIエージェント時代に向けてWindowsの改良を進めているMicrosoftにしてみれば、このタイミングで内部最適化やそれに向けた新機能を載せてくると考えるのが自然だろう。それが“新しいWindows”となるのかは不明だが、2028〜2030年くらいにリリースされるPCをターゲットにした機能改良が行われるのが27H2だと予想する。



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