冤罪? 可夢偉の“FCYスピード違反”に新事実「あれ、僕のせいじゃなかったんですよ」

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2026年10月13日 07:11  AUTOSPORT web

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小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC) 2026スーパーフォーミュラ第9戦・第10戦富士
 9月末に行われたWEC世界耐久選手権第6戦の富士6時間レース。トヨタレーシングは8号車TR010ハイブリッドが戦略を絡めて逆転優勝を飾った一方、小林可夢偉組の7号車は序盤からスローパンクチャーや他車との接触などにも見舞われ、思うようなレース展開に持ち込めなかった。

 結果的には8位でこのレースを終えた7号車だが、レース後半でのポジションダウンのひとつの要因となったのが、可夢偉が乗車時に導入されたフルコースイエロー(FCY)開始時のスピード違反だ。規定のタイミングまでに80km/hへの減速が間に合わなかったとして、ドライブスルーペナルティが科せられていた。

 決勝直後の日本メディア向け囲み取材でも「絶対、マージンを持って減速しているのに」と強く主張していた可夢偉だったが、それから約2週間後、スーパーフォーミュラ第9・10戦富士大会の金曜夕方のミックスゾーンでWECに話題が及ぶと、可夢偉から新たな事実を聞くことができたので、ここでお伝えしておきたい。


■ディスプレイが“カウントダウン詐欺”

 可夢偉がマイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースとシェアする7号車は6月の第3戦ル・マン24時間を見事に制したが、その後は可夢偉いわく「流れが悪い」レースが続いている。

 第4戦サンパウロでは2台のTR010ハイブリッドがそろってパフォーマンス不足に悩まされた。第5戦オースティンでは一転、上位を戦い、終盤までレースをリードする好調ぶりを見せたが、フィニッシュ目前の油圧系トラブルで勝てるレースを落としていた。

 そして富士でも接触やペナルティが重なり、8号車とは対照的な結果に終わった。

 今年、『For the Engineering Race』という新たなスローガンを掲げて戦うトヨタレーシングだが、可夢偉によれば、8号車よりも7号車の方が「エンジニアリングレースだから、エンジニアで決めてくれ」と、セットアップ等をエンジニア側に託す傾向が強いのだという。

「ただ、その中でいい時もあれば悪い時もあるし、『さすがにこれは違うな』と思った時は、『ちょっと待てよ』と言うようにしています。富士の後も、僕ら(7号車)だけでミーティングして、最後の2戦をいいレースにできるように『なんか今、ちょっと違う方向に行っているぞ。なんでなの?』という反省会もして、エンジニアと一生懸命に流れを取り戻そうとしています」

 この「流れ」に言及するなかで可夢偉は、「そういえば、この前のFCY違反のドライブスルー、あれ僕のせいじゃなかったんですよ。システムの問題で」と、ペナルティの真相を明かした。

 可夢偉によれば、FCY導入等を知らせるコクピット内のFIAのディスプレイ表示が、本来の動きを示さなかったという。本来カウントダウンは10秒前から始まり「5、4、3、2、1、0、1、2、3、FCY」と表示が切り替わっていく(つまり、80km/hへの完全な減速に対して約3秒のマージンがある)というが、このときは「5、4、3、2の次にFCYが点いてしまったんです」。

 そこまで説明すると、可夢偉は自身のスマートフォンを取り出し、1本の動画を見せてくれた。それはFCYが導入される瞬間の7号車のオンボードカメラの映像であり、コクピット上のディスプレイに表示されるFCYのカウントダウンが、確かに「5、4、3、2、FCY」と表示されている様子が確認できた。

「僕とキャデラック(12号車のノーマン・ナト)が食らったのは、それなんですよね。もう『FCY』と点灯した瞬間には、80km/hになっていないとダメだから。となると間に合ってないので、自動的に『はい、ペナルティ』ってなるんですよね」

「僕はあの速度だったらブレーキ踏んで何秒で80km/hになるか分かってるし、別にリスクをとっているわけでもない。何が起こっているか分からん、絶対俺は間違ってない! って言って見返してもらったら、『あれ、なんかおかしいぞ?』ってなったんです」

 FIAのシステム側のエラーだったようだが、すでにドライブスルーも遂行し、レース結果も正式となってしまっている。「超不運でした」と可夢偉は嘆く。

 とはいえ、最終2戦に向けては気持ちも含めて、切り替えなければ仕方がない。富士戦後には、コンウェイの今季限りでの引退も発表されており、可夢偉にとっては特別な2レースにもなる。

 コンウェイを「真面目なドライバー」と評す可夢偉は、レース以外の部分では身体のケアやリラックス方法などについて、彼と話すことも多いという。以前、アメリカのセブリングで公式テストと開幕戦が行われた際には、その合間の休日にマイアミまで足を延ばして一緒にサウナを嗜んだこともある。ともに多くの喜びと悔しさを味わってきたコンウェイを最高の形で送り出したいという思いは、チームの中の誰よりも強いだろう。

「どうしても今年、チャンピオン獲って終わらせてあげたいなという気持ちがあるので、悔いがないように、全力でやろうと思っています」

 10月11日に行われたスーパーフォーミュラ第10戦、KDDI TGMGP TGR-DCから出走する可夢偉は後半にポイント圏内を走行するも、他車からの追突を受けてスピン、結果的にノーポイントで終えてしまった。チェッカー後すぐに空港へと向かった可夢偉は、その晩のフライトで渡欧。ケルンのファクトリーでのシミュレーター作業を経て、第7戦の地・バルセロナ入りするという。流れの悪さを断ち切り、最終戦に向けて優位なポジションにつけることができるだろうか。

[オートスポーツweb 2026年10月13日]

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