佐藤こころが悲願のKYOJO CUP初優勝。ローリングスタート採用の第4戦を翁長実希とともに制す

1

2026年10月13日 12:11  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2026年KYOJO CUP第4戦 ファイナルレース トップ3
 2026年KYOJO CUPの第4戦が10月10〜11日に富士スピードウェイで開催され、スプリントレースでは翁長実希(nat KDDP KC-MG01)が今季初優勝を獲得。ファイナルレースでは佐藤こころ(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)が勝利を掴み、悲願の初優勝を飾った。

 秋晴れの空が広がり、絶好の行楽日和となった第4戦。今季2度目の全日本スーパーフォーミュラ選手権併催大会では、ラリー参戦のために第3戦を欠場した平川真子(NTT docomo Business ROOKIE KC-MG01)が復帰し、2戦ぶりにレギュラードライバー全員がサーキットに顔を揃えた。また、今シーズンの第2戦以降はスタンディングスタートでレースが行われていたが、第4戦においてはローリングスタートで実施。前日に行われたスタート練習で複数台の車両にギアが1速に入りづらいトラブルが出ていたことから、安全面を優先してスタート方式が変更された。


■4年ぶりにポール獲得の翁長がスプリント初優勝、若手&ルーキーが表彰台獲得

 10日(土)8時55分から行われた公式予選では、最終盤にスピン車両が発生して赤旗が提示。そのまま終了時刻を迎えたことで、アタックラップ中の多くのドライバーがタイムを更新できずに走行を終えることとなった。ポールポジションを獲得したのは、中盤に1分44秒155を記録した翁長だ。自身も赤旗の影響を受けており、完璧なアタックラップではなかったとセッションを振り返ったものの、4年ぶりの予選トップに笑顔を見せていた。2番手にはチームメイトの佐々木藍咲(nat KDDP KC-MG01)が続き、今季ベストグリッドを獲得。3番手は佐藤となった。

 10周のスプリントレースは13時5分に開始された。午後も速さを見せたのは翁長で、抜群の加速で早々に後続との間合いを広げてレースをフィニッシュする。決勝を見据えて無理のない走行を心掛けていたにも関わらず、序盤から好ペースで周回を重ねてポール・トゥ・ウインを達成。今季初勝利を手にするとともに、スプリントレース初優勝を飾った。

 翁長とともに表彰台に登壇したのは、開幕戦からトップ3入りを果たして実力を示した佐藤、ジョアンヌ・チコンテ(FLEET KDDP KC-MG01)の2名。1周目のGRコーナーでイン側から2番手に順位を上げ、2周に渡って繰り広げられた佐々木との攻防戦を制した佐藤は、キャリア最高位となる2位を獲得。2周目のアドバンコーナーで佐々木をパスしたチコンテは3位を掴み、3戦ぶりにトップ3に名を連ねた。

 フォーミュラ導入初年度である2025年シーズンの第2戦ファイナルレース以来、7戦ぶりに優勝を果たした翁長は、「自分のできることをやり切ったところで、結果がついてきてくれました。すごく嬉しいですし、練習から続く調子の良さを維持することができてよかったです」とコメント。木曜日から2日間に渡って行われた練習走行を2大会連続の総合トップで終えていただけに、並々ならぬ緊張感を抱えていたことを明かした。

「今週は純粋に速さだけを追求してレースに臨むことができたのですが、その速さをしっかり発揮できるかという緊張感は今まで以上にありました。序盤のレースペースは良かったですし、2番手、3番手の攻防のあいだに築いたギャップを維持できたことが今回の結果に繋がったのだと思います。明日はまた良い順位からスタートできるので自分を信じてチャレンジを続け、全力を出し切れるようなレースがしたいです」


■佐藤が悲願のKYOJO初優勝、ファイナルはSC導入で波乱の一戦に

 翌11日(日)は雲ひとつない青空が広がり、12時50分から15周のレースがスタート。スプリントでは接触によって3台が戦線を離れたが、ファイナルレースでも序盤からアクシデントが発生し、セーフティカー(SC)が導入される波乱の一戦となった。

 ポールスタートの翁長ら上位5台がグリッド順で1周目のGRコーナーを通過するなか、6番手に順位を上げたのは松井沙麗(KeePer KONDO RACING KC-MG01)だった。ペースの良い松井は2周目を迎えるとさらに順位を上げ、先行する4番手の三浦愛(Team ReFa KC-MG01)に積極的にバトルを挑んでいく。しかし2周目のアドバンコーナーでは、ブレーキングで止まり切れず三浦に追突。接触の衝撃でスピンした2台がコース上に停止したことでSCが導入される事態に。

 2周目にして戦線を離脱することとなった松井は、四輪キャリア初の接触による不安と罪悪感から涙を見せる。タイヤがバーストし、カウルにも損傷を受けた三浦は自力でガレージに帰還したものの、リタイアを選択した。

 5周目にSCのライトが消灯すると、翁長はダンロップコーナーの立ち上がりから加速を開始。再びタイムギャップの構築を目論むも、リスタートを迎えた6周目のGRコーナーではミスを喫してしまう。ここで2番手の佐藤が一気に間合いを縮め、コカ・コーラコーナーのアウト側からトップを奪取する。最後までラップリーダーの座を守り抜き、悔し涙を流した第2戦での雪辱を見事に果たしてみせた。

 2位を獲得したのはチコンテだ。スプリントと同じく集団での走行に苦戦を強いられるも、7周目に翁長をかわして今季4度目の表彰台を獲得。ドライバーズランキングの2位に浮上した。SC導入によって流れを崩されるかたちとなった翁長は3位でフィニッシュ。レース後の記者会見では涙を堪える場面も見られ、優勝を逃した悔しさを滲ませていた。

 参戦3年目にして悲願のKYOJO CUP初優勝を挙げた佐藤は、「今季はずっと苦しい思いをしてきたので、優勝できたことが本当に嬉しいです。チームや家族、スポンサー様や応援してくださった方々に、やっと少しだけお返しをすることができました」と勝利の喜びを語ったが、会見では終始落ち着いた様子を見せていた。

「自分でも驚いているのですが、今週は初日からとても冷静に走行できています。(第3戦終了後に)F1アカデミールーキーテストに参加させていただいた影響もあり、メンタル面に成長を感じましたね。最後はタイヤがたれてスピンしかけたりもしましたけど、小さいミスで抑えられました。ただ、そういった細かい部分を潰していかなければ勝つことはできないと思うので、初優勝に続いてシリーズチャンピオンも獲得できるように頑張りたいです」

 なお、ポイントリーダーの座は第4戦の2レースをともに6位で終えた富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)が死守。富下との攻防でコースオフを喫し、フロントウイングを損傷した斎藤愛未(SCS TOM'S KYOJO KC-MG01)はファイナルレースをリタイアで終えたことで3位に後退し、第4戦終了時点においては6名の選手がチャンピオンの可能性を残している。

 2026年シーズン最終戦となるKYOJO CUP第5戦は、10月31日〜11月1日にインタープロトシリーズとの併催で開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2026年10月13日]

    ニュース設定