
盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第40回は、サバンナ八木さんと初共演したときのハプニングについて。
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この間、人生で初めて国立競技場に行ったんですけど、そこでとんでもないハプニングに遭いました。
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9月に「NAGASEカップ」という陸上競技大会があったんです。あ、もちろん僕は選手として出場したわけじゃないですよ。
そりゃあ、眠ってた才能が突然目覚めて、100mを5秒で走れるようになったら出場できたかもしれないですけどね。
でも、知り合いと歩いていて「信号が変わりそう!」と言われて横断歩道を小走りしただけで筋肉痛になるような運動不足ですから。
もし才能が目覚めて100mを5秒で走れたとしても、ゴールした瞬間に体が限界を迎えて粉々になると思います。
なので僕は、スペシャル応援ゲストとして参加させてもらいました。さらに、先輩のサバンナの八木(真澄)さんも応援ゲストとして参加されていて、実はこれが初共演だったんです。
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大会は21日と22日の2日間にわたって開催する予定だったんですけど、台風の影響で大会自体が実施できるかわからないという状況でした。
当日に新幹線が止まってしまう可能性もあったので、僕は前日の20日から東京入りすることになりました。
それで、20日の夕方に東京に着いて、大雨の中、マネジャーとホテルに向かって歩いていたら、僕が持っていた傘から「パキャン!」という音がして......。まるでうなだれたおじさんみたいに、力なく閉じていく傘。「え、このタイミングで壊れる?」とぼうぜんとしましたよ。
仕方なくマネジャーの傘に入れてもらって、強い風が吹く中、ずぶ濡れになりながらなんとかホテルにたどり着きました。
結局、21日は台風の影響で大会が中止に。ただ、天気は前日より全然マシで、雨が降っていない時間もあったので、誰もいない国立競技場で八木さんと告知動画を撮影しておいて、翌日の開催が確定したら公開することになりました。
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6万人以上入れる客席に、僕と八木さんとスタッフ数人だけ。不思議すぎる状況で撮影が始まりました。
行なわれる競技を紹介したり、お互いのスポーツの思い出なんかを話したり、10分ぐらい全力でしゃべりました。動画を見てくれた人が、22日の大会に行ってみたいと思ってくれるように。
ただ、八木さんがしゃべるたびに、なぜかめっちゃカラスが鳴くんですよ。思わず「八木さん、めっちゃ不吉ですよ」ってツッコんじゃいました。
そして、客席での撮影が終わり、次の撮影に移ろうとしたとき、長年の経験からでしょうか、八木さんが「念のために音声をチェックしてもらえます?」と言ったんです。
そしたら、そのひと言を境にスタッフたちがざわざわ慌て始めて。数分後に「すみません。おふたりの声が録れてなかったので、客席のシーンを最初からお願いします」と言われました。
まさかこんな形で不吉が的中するなんて。なぜか僕も巻き込まれてるし。もう、とんでもないハプニングですよ。テイク2ももちろん僕らは全力でやって、やっとオッケーが出ました。
そして迎えた22日は天気も良く、無事に大会も開催されました。会場はお客さんであふれ、めっちゃ盛り上がってましたよ。
誰もいない客席でした撮影も、22日の大会本番も、僕としてはすごく楽しかったです。僕も何か陸上競技を始めようかなあ。まあ、その前に80�圓梁僚鼎鬚覆鵑箸�しないといけないですけどね。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
撮影/梅田幸太

