F1は、2030年代の初頭からルワンダ共和国で10年間F1を開催する契約を締結した 東アフリカにあるルワンダ共和国が2030年代初頭から10年間グランプリを開催するという発表は、ファンやF1関係者から歓迎されている。グランプリの開催が実現すれば、F1において独自の歴史を持つ大陸にF1が再び戻ってくることになる。
これまでにF1を開催したことがあるアフリカの国は、モロッコと南アフリカの2カ国のみだ。北アフリカに位置するモロッコでは1958年に選手権の最終戦が開催され、舞台となったのはモロッコの中心都市であるカサブランカ近郊の海岸沿いの街、アイン・ディアブの市街地コースだった。このレースはいい意味でも悪い意味でも記憶に残るもので、スターリング・モス(ヴァンウォール)が圧倒的な強さで優勝を飾ったものの、マイク・ホーソーン(フェラーリ)が1ポイント差でドライバーズタイトルを獲得するのを阻むことはできなかった。モスの優勝により、ヴァンウォールはコンストラクターズタイトルを手にしたが、これは同年に創設されたコンストラクターズ選手権の初めてのタイトルとなった。
しかしその一方で、ヴァンウォールにとっては悲劇もあった。チームの3人目のドライバーであるスチュアート・ナイジェル・ルイス=エヴァンズがクラッシュし、それが原因で数日後に亡くなったのだ。
それ以降モロッコでF1が開催されることはなかったが、1962年には南アフリカがそのバトンを引き継ぎ、イースト・ロンドンの市街地コースで選手権としてのレースが3回開催された。1967年にはヨハネスブルグから目と鼻の先にあるキャラミに、レース専用の近代的なサーキットが完成した。F1もキャラミで開催されることになったが、アパルトヘイト政策の影響で、1985年の開催を最後に中止に。また1985年の開催時には、フランスのチームであるルノーとリジェが政策への抗議としてグランプリをボイコットした。
キャラミは最終的にオランダのザントフォールト・サーキットと同様の運命をたどり、その一部は不動産目的で売却された。政策が撤廃された後の1992年と1993年に、短縮されたキャラミの新しいコースでF1を2度開催したが、財政難によりこのレースはカレンダーから外れることになった。そこから約40年を経て、F1は再びアフリカに戻り、ルワンダでレースを行うことになる。
南アフリカにおけるモータースポーツの人気は非常に高く、上述の通りF1は1962年から中断を挟んで1993年まで開催された。南アフリカには常設のサーキットが4つ、準常設サーキットがひとつあり、レースの大半は南アフリカ国内で行われたが、近隣諸国で開催されたケースもあった。現在のジンバブエであるローデシアにも常設サーキットがあり、南アフリカ・フォーミュラ1選手権のレースを開催した。また当時ポルトガル領だったモザンビークでも、後にマプトと改称された首都ロウレンソ・マルケスで市街地レースが開催された。
また、特にクーパー、ロータス、ブラバム、マクラーレンといった多くのF1チームにとって、アフリカ市場は貴重だった。というのも、旧型マシンを南アフリカなどのチームに売却することで、資金を確保できたからだ。
アフリカ大陸におけるモータースポーツへの熱狂ぶりを考えれば、もしルワンダでのグランプリが実現すれば、毎年チケットが完売することを期待できるはずであり、間違いなく経済的な成功を収めることになるだろう。
[オートスポーツweb 2026年10月15日]