林家菊丸「世知辛い現代だからこそ、人情ばなしを届けたい」11月独演会への思いを語った

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2026年10月15日 09:00  日刊スポーツ

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思いを語る林家染丸(撮影・三宅敏)

9月、上方の落語家は忙しい日々を過ごした。林家菊丸(52)は大阪落語祭3日目でトリを、22日の繁昌亭では中トリ(中入り前を締めくくる)を務めた。11月には、23日に大阪・天満天神繁昌亭で、同28日に愛知・大須演芸場を控えている。菊丸に思いを聞いた。【取材=三宅敏】


  ◇  ◇  ◇


菊丸 大阪落語祭のトリは一昨年、昨年に続いて3度目でしたので、さすがに足が震えて仕方ないというようなことはありませんでした。文楽劇場ではかつて師匠(4代目林家染丸)が独演会をやっていて、私もなじみのある舞台。アウェー感はなかったと思います。トリでは人情ばなし「たちぎれ線香」をやらせてもらいました。滑稽(こっけい)ばなしのような大きな笑いがわき上がることは少ないんですが、演じ終えて客席からいただく拍手の大きさから手ごたえをつかむことができました。


トリを務める演者は、自分よりも前にどんなネタがかかるのか気を配る必要がある。似たような傾向のネタを先に誰かがやってしまうと、急きょ変更をしなければならない。


菊丸 この日は中トリの桂南天さん(桂南光の弟子)が「きょうはどんなネタをやるつもり?」と前もって聞いてくださったので、私はリラックスして高座に臨むことができました。


滑稽ばなし、人情ばなし、はめものと、幅広く演じることをモットーとしている菊丸だが、中でも人情ばなしに力を入れている。


菊丸 上方では「笑わしてなんぼ」という風潮が昔からあります。私の感覚ですが、最近は「単に笑えたらOK」というよりも「古典芸能の魅力にしっとり浸りたい」というファンが増えてきたように思います。ネタを丁寧に演じ、品良く演じる落語家でありたいですね。


大阪と名古屋で、菊丸は独演会を控えている。11月23日に繁昌亭で、同28日に大須演芸場で開催。


菊丸 世知辛い現代だからこそ、人情ばなしを届けたいんです。一期一会のお客様を相手に、その場の空気を読みながら、こちらも表現の仕方を考えていくつもりです。


◆林家菊丸(はやしや・きくまる) 1974年(昭49)7月16日生まれ、三重県亀山市出身。94年、4代目林家染丸に入門。林家染弥を名乗る。2014年(平26)3代目林家菊丸を襲名。趣味は高校野球観戦、ギター、ルービックキューブ、日本舞踊。身長173センチ。14年から亀山市文化大使。15年、繁昌亭大賞。22年、文化庁芸術祭大衆芸能部門大賞。


「3代目林家菊丸独演会2026〜上方人情ばなしの世界」は11月23日に大阪・繁昌亭、同28日に名古屋・大須演芸場で開催。

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