たぶん一生に一度の婚約指輪。納得して選ぶには?結婚を決意し、いざプロポーズ。となると、きっと次に考えるのが婚約指輪のこと。「指輪の価格=愛の大きさ」なんて言う人もいる一方で、「〇〇パーセント引きで安く買えた!」なんて言う人も。つまり、「できるだけ高い指輪」を「できるだけ値切る」のが指輪選びの秘訣! …なんでしょうか? ブライダルジュエリー専門ブランド「ヴェラモーレ」を展開するアズミエステール株式会社の中條進太さんに伺いました。
30代男性の3人に1人は貯蓄ゼロ! 0円からの指輪付きプロポーズ■ディスカウントは本当にお得? 徹底的に値引き交渉すべき?
たとえば、〇〇パーセント値引き。それはお買い得! となる反面、もっと粘ればもっと安くなったのかも!? などと心配になってしまいます。これってやっぱり、徹底的に値引き交渉するべきなんでしょうか? そもそも人と交渉するのが苦手だし、「お祝いごとなのに...」とも思ってしまい気が引けるのですが…。
「まず、交渉はしなくてよいと思います。なかには、あらかじめディスカウントすることを前提とした価格設定もありますから、そうした場合だと、もともと販売しようとしていた価格で購入できたというだけで、たとえ初めの価格から95パーセントオフであっても意味がないですよね。ですから、そもそも値引き交渉を必要としない価格設定のお店での購入をお勧めします」(中條さん)
えええええ!? つまり、それって安く買えたというより高く買わなくてよかったというだけですよね?
「そうです。もちろん価格相応の価値を感じて購入しているのであれば良いですが、ディスカウント前提で価格設定された指輪の素材やデザインに相応の価値があるとはなかなか考えられないですよね。たとえ、限界まで値引いて購入したとしても、それはそれで本当に選びたいものを選んだとは言い難いのではないでしょうか? きちんと選んで納得して購入するほうが、価格に対して疑心暗鬼にならなくて済みますよ」(同)
言われてみれば…。もちろん値引きによってふたりが満足であればそれが一番ですが、同じ金額を使うのなら、ふたりがちゃんと価値を感じているものに使ったほうがいいですよね。
「ふだんの買い物では価値に見合う価格の商品を購入していると思いますが、それは指輪だって同じです。価格だけを気にして、実際の価値を考えずに購入していては損も得もないですよ」(同)
たしかに「価値に見合っているのか?」を考えるのは買い物するときの常識ですよね。Tシャツだったら「この生地で1万円は高い」とか、食事だったら「このボリュームで1000円は安い」とかってありますもんね。
■ダイヤモンドの“4C”と、指輪の簡単な選び方
恋人を指輪の価格“だけ”で大事にした(された)と量ることに、何だかちょっと違和感がありましたが、どうせ量るのなら、指輪の価格ではなく価値で考えるべきなのかもしれません。ただ、指輪の場合はTシャツや食事のように「××の割に安い(高い)ねー」といった話をあまり聞かない気がします。指輪の価値は一体どこを見て何を判断すればいいのでしょうか? よく分かりません…
「指輪のひとつの価値として素材の品質があります。それこそ、ダイヤモンドには“4C” (Carat=重さ、Color=色、Clarity=透明度、Cut=研磨)と 呼ばれる品質基準があり、ひとつひとつ鑑定書に記されています。提案されたダイヤモンドのグレードを聞き、何軒か回って同じグレードのダイヤモンドの価格を比較してみるといいですよ。値札に付いている定価にも注目してください」(同)
なるほど、「4C」を聞いてから定価を「比較」するんですね。その方法なら、ジュエリーに詳しくなくても実践できそうです。そして、このとき定価と提案されたお値段の違いが少ないほど、安心して指輪を選べる価格設定のお店というわけですね! 考えてみれば、比較することも買いものの基本。そのくらいの手間を惜しむわけにはいかないですよね。
「婚約指輪は一生に一度の買い物なので、しっかりと選び、安心して、納得して購入していただきたいですね」(同)
一生に一度の贈り物となるだけに、価格に惑わされず、ふたりにとって本当に価値のある指輪を選びたいものですね。
(坂井あやの/verb)