数十年前から、SFではよくレーザー兵器が使われていた。
そしてこの2014年年秋ついに現実世界でもレーザー兵器が実戦配備された。ただ、その性質は、SFアニメに出てくるような派手な光線が発射されて破壊力バツグンのものとはかなりちがうようだ。アラビア湾で行われたテストの模様をアメリカ海軍のウェブサイトが紹介している。
このレーザー兵器、通称LaWS(Laser Weapon Systemの略)と呼ばれる。アメリカ海軍の軍艦に配備され、既存の防衛システムとシームレスに運用されるという。動画の中で、LaWSは向かってくる小型ボートの上の標的、上空のドローン、そして海上の移動する標的を撃っている。
海軍兵士たちは、配備されて以来、すでにこの装置を数ヶ月にわたって使っているが、強風時や高温、多湿といったむずかしい条件のでもパーフェクトに作動しているという。信頼性やメンテナンス性は期待以上だともいわれる。
従来兵器よりも人道的か?
操作はまるでビデオゲームのように行う。強度も、ただの”目くらまし”から致命的なダメージを与えるところまで幅広く調整でき、さまざまな標的に対して使用できる。
|
|
レーザー兵器は正確性やスピードの点で優れるだけでなく、船やクルーの安全性も高めるという。従来のようなロケット推進剤や火薬を必要としないからだ。またコストの面でも、従来の「動的兵器」より安上がりだという。
「新兵器の開発」といえば、数十年前の感覚だったら、破壊力の大きい非人道的なものを連想させるかもしれない。しかし、このレーザー兵器を見るかぎり、ちょっと様子はちがうようだ。もちろん海軍自身のレポートなのでいいことしか書かないだろうし、細かい数字は書かれていない。
しかし、扱う兵士の安全性は高まるようだし、敵のことを考えても、ムダに爆発物を撃ち込むより、ピンポイントで兵器を破壊することができたとしたら人道的といえるかもしれない。
こういった兵器に関する技術の進化を、あなたはどのように考えるだろうか?
そのレーザー兵器のテストの様子は下の動画で見ることができる。
|
|
*参照および画像出典:AMERICA’S NAVY -Historic Leap: Navy Shipboard Laser Operates in Arabian Gulf-