ガリガリ君「ナポリタン味」320万本が余剰在庫に・・・会計上の扱いはどうなる?

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2016年03月04日 12:42  弁護士ドットコム

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人気アイス「ガリガリ君」シリーズの「ガリガリ君リッチ ナポリタン味」が全く売れず、在庫320万本、赤字3億円にのぼることが話題になった。2月13日に放送されたバラエティ番組「ジョブチューン」(TBS系)で、製造元の赤城乳業の社員が語った。


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2012年の「コーンポタージュ味」、2013年の「クレアおばさんのシチュー味」がヒットしたことで、次に若手社員が開発した「ナポリタン味」の発売が決まった。しかし、2014年3月に発売したものの、「マズイ」「ふざけるな」「いい加減にしろ」などのクレームがついて、かなり不評だったようだ。



社員は「ナポリタンを忠実に再現しよう」と考えたそうだが、消費者には受け入れられなかったようだ。番組では、現在、赤城乳業に20本しかないナポリタン味の実物が登場していた。



弁護士ドットコムニュースが赤城乳業に問い合わせたところ、赤城乳業の倉庫にあったナポリタン味は廃棄処分され、一部の問屋には残っているものがあるそうだ。



アイス320万本というと途方もない量だが、このような在庫は会計上はどういう扱いになるのだろうか。野口五丈税理士に聞いた。



●廃棄した場合はコストとして計上できる


「会計上、在庫は『棚卸資産』として、資産計上されます。



ですから、在庫として残っている場合、決算書類には『棚卸資産』として計上され続けることになるでしょう。



この場合、赤城乳業の倉庫に残っていることになるので、売上原価(コスト)として計上できるわけではありません」



ただ、今回、赤城乳業にあったものは廃棄処分されている。



「もったいないのですが、廃棄した場合、棚卸廃棄損(コスト)として計上することができます。



今回の放送によると、3億円の赤字が出たと書いてありますが、ガリガリ君ナポリタン味の開発費や宣伝費、製造費、保管費など、廃棄処分以外での損失も含めて、3億円かかったと推測されます。



ただ、もし今後また、ガリガリ君ナポリタン味320万本を発売して、何らかのきっかけで完売した場合、売価130円で売れたと考えると、4億1600万円の売上になりますから、上記の赤字を回収することも不可能ではないと考えられますね」


野口税理士はこのように話していた。



【取材協力税理士】


野口 五丈(のぐち・いつたけ)税理士


ITベンチャー企業の支援に特化した会計事務所。節税だけでなく、クラウド会計やベンチャーキャピタルからの資金調達、補助金申請支援(創業補助金、ものづくり補助金)を強みとする。支援実績多数。


事務所名:野口五丈公認会計士事務所


事務所URL: http://itsutake.com/


(弁護士ドットコムニュース)


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