結婚式には私の恩師の歌唱を頼んでいて、それはそれは素晴らしいひとときでした。恩師の歌声に会場中がうっとりしているとき、おもむろに司会者が話し始めました。
義母いわく親から見ても、歌のうまいきょうだいだった。それが自慢で褒め続けて育てた。「小学校時代の声変わり前には二人とも学校代表で歌ったことがあるのよ」という自信が、なんとプロより勝っていたのです。自信満々に歌いきった旦那きょうだい。聴き惚れているのは義母だけ。
サプライズはとても嬉しいことです。私のために心を込めて歌ってくれていると思えば……いや、でも。忙しい中わざわざ来てくださり歌までうたってくれた恩師の顔を立ててほしかった。
ただ人前で歌いたいという自己満足のための時間になっていたようにも感じられて解せないのです。
会場でも旦那きょうだいと義母だけが気付かない明らかな温度差を感じられるサプライズの時間となってしまいました。この冷え切った時間、みなさんなら耐えられますか?
後編へ続く。
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