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数日後、祖母から私の携帯に電話がありました。
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祖母は電話で「ちょっとA病院まで連れていってくれない」というのです。自分の車で行かないことに疑問を持ちました。(もしかして、免許の件いちおう気にしているのかな……?)
しかし、祖母に会って話を聞くと免許返納を気にして私を頼ったわけではありませんでした。なんと祖母は「A病院で検査入院が必要」だというのです。私はとても驚きました……。
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聞くと、入院のことは母に伝えていないようです。「ミヤコはうるさいから言ってない」と祖母は言います。確かに前に祖母の家で見たあの様子では……「入院する」なんてわかった日にはなにを言われることやら……。
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祖母は、母が自分を心配する気持ちを汲んで、母になるべく従っていると言います。しかし、私には祖母が母の言葉に過剰に縛られているようにも見えて、祖母が不憫に思えました。「あれ? これは何?」病室の机に、使い込んだノートが一冊置かれていました。
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「日記だよ。毎日あったことや、忘れちゃいけないことを書いているの。頭はまだしっかりしているからね」中を見てもいいか、ジェスチャーを送ると、祖母はにこりと微笑みうなづきました。
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年齢を重ねたことは、実は本人が一番自覚しているのかもしれません。今までできていたことが段々できなくなっていくことに不安を抱いているのは、おそらく祖母本人です。だからこそ祖母はいろいろ不備がないよう努力し、母の言葉に従えるところは従っていたのでしょう。逆に母は、祖母を心配しすぎるあまり、祖母の気持ちにちゃんと寄り添えていないように感じました。とはいえ、娘としての母の気持ちもよくわかる……。私に孫としてできることはあるだろうか。そんなことを考え始めています。
【後編】へ続く。
原案・編集部 脚本・rollingdell 作画・春野さくら 編集・今淵凛