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前回からの続き。俺(トシキ)と妻のユウコは高校の同級生。高校時代はただのクラスメイトだったが、卒業してから再会して結婚し、今では2人の息子と暮らす夫婦だ。そして俺には高校時代から仲の良い「マリエ」という友達がいた。ユウコはマリエが俺に好意を持っていたと勘違いしていたけれど、男女の関係は一切なかったし恋愛対象として見たこともなかった。そんなマリエから突然連絡があったのは今朝のことだった。ユウコが心配するといけないと思った俺は、ユウコに内緒でマリエの元へ行った。しかしマリエの相談内容は、夫であるケンジさんに関する愚痴がほとんどでウンザリ。もう帰りたい……そう思ったとき、マリエは「俺の遺伝子が欲しい」と言いだした。
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「私を助けると思って! ね? お願い!」「お前、こんなやつだったっけ……? 俺、帰るわ」そう言って席を立つと、マリエがすがるように俺の手をつかんでくる。「待ってよ!」「お前、自分が何をしているか分かってんの? 最低だぞ?」「……そう?」「モラハラをする方もいけないけれど、それと他の男の子どもを産むのは別問題だ!」
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「もう連絡してくんな」強く言い放つと、俺はその場を立ち去った。けれど……帰宅してもユウコの顔を真っすぐ見ることができなかったのだった。
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そのあとユウコの勧めで風呂に入ることになった。けれどユウコが何か疑っている気がする……。マリエからの連絡を見られると厄介だからスマホは近くに置いておこう。そう思って俺は脱衣所までスマホを持ってきていた。
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財布の中にはマリエと会ったファミレスのレシートもないし、A駅まで行ったことはバレないはずだ。電車に乗るのもいまどきは交通系ICカードだし……。そのとき、俺はふと気づいた。俺の交通系ICカードを駅まで持っていけば、俺が今日どこの駅で降りたかが確認できてしまうのでは……?
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俺は慌てて風呂から上がりカバンに入っているパスケースを取り出したが、すでに交通系ICカードはなくなっていた。すると家にいたはずのユウコが外から帰ってきた。俺の行動を不審に思ったユウコが、駅まで行って利用履歴を入手したのだろうというのはすぐに分かった。もっともマリエの言ったこと、やろうとしたことは最低だ。俺はマリエのことを心の底から軽蔑し、絶交宣言をしてきた。ユウコには正直に本当のことを話さなければいけないと思っている。
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【第5話】へ続く。
原案・編集部 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子