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JAXAは6月27日、小型月着陸実証機「SLIM」について、「残念だが、今後SLIMと通信ができる可能性は低い」という見方を明らかにした。月の夜明けを待って再度、SLIMとの通信を試みたが、応答はなかった。SLIM公式Xアカウント(@SLIM_JAXA)が公表した。
月で夜が明け、十分な電力が発生していると考えられる6月21日から27日朝にかけて、再度SLIMとの通信を試みたが、SLIMからの電波は確認できなかった。5月の大規模な太陽フレアによってSLIMの搭載プログラムが部分的に書き換わってしまった可能性も考慮して通信確立に努めたが、やはり応答はなかった。
月面では110℃に達する灼熱の昼と、−170℃まで下がる極寒の夜が14日ごとに訪れる。とくに夜の寒さはSLIMに搭載した機器の設計範囲を超える厳しさ。しかし、1月20日に月面に着陸したSLIMは、越夜を想定した設計になっていなかったにも関わらず、3度にわたり「越夜」を成功させて関係者を驚かせた。
しかし5月下旬に通信回復を期待してコマンドを送信したが、SLIMからの電波を確認できなかった。この時、JAXAは「いよいよ影響が表れた可能性もある」として5月中の運用を断念。6月に再度挑戦するとしていた。
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SLIMのミッションで目標としていたデータは最初の夜の前に全て取得済み。このため現在の状況が、SLIMの成果に悪い影響を与えることはない。JAXAは、3度の越夜で得られた知見や観測データの解析を急ピッチで進めている。
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